それから、リムブレーキからディスクブレーキに移行する人はいると思うけど、ディスクブレーキからリムブレーキに逆に移行する人がどれだけいるのかということも考慮すべきだろう。
もともと、ロードバイクは時代に応じたモデルが登場しているわけだし、普遍的なパーツは存在しない。ピナレロドグマにしても、形も素材も進化し続けているし、デュラエースも電動シフトや多段変速で、昔のモデルと同一名称を使っているだけで中身は別物ということも認識すべきだと思う。
今のラインナップで注目すべきはディスクブレーキモデルになるので、これを選んでおくのが無難というのが自分の意見。
コストをかけたリムブレーキのCAAD12を所有しているけど、その時代の良いものを選んだ結果であって、後悔も特にない。当時はこういうものだったんだなというバイクになっていくと思う。
あるサイトによると、ディスブレーキのメリットは以下のとおり
1 雨でも安定した性能
2 カーボンホイールと相性がよい
3 油圧式は握力の消耗を抑制
4 機械式は低価格でリムブレーキと同じレバーが使用可能
気になる点として、次のことをあげている。
1 重量増(リムブレーキと比較して)
2 ホイールの種類(リムブレーキと比較して)
3 ローター過熱による怪我や火傷の可能性
4 フェード現象
5 輪行時の注意点
6 音鳴り
7 メンテナンス
2012年、自分が最初の1台を購入した当時の状況(ソラは9速、ティアグラが10速になったが、デュラエースはまだ11速ではなかった)を振り返ってみると、今とは異なる考え方で選んでいたとしか思えない。これだけ選択肢があったら、良かったのに、と感じるぐらいに時代は変わってきたと思う。
ブレーキの選択肢は何だったのかというとリムブレーキしか存在していなかったため、105以上か、それ未満で線引きされていた(カンパニョーロは除くものとする)。デュラエースの効きが一番良いとされていて、雑誌も含めて、ブレーキは105以上にした方が良いという流れがあった。
エントリーモデルや低価格のミドルグレードの完成車には、シマノ純正のブレーキではないものが付いていることが多く、剛性が不足しているとか、パッドが良くないとかで酷評されていたんだよね。
ただし、平地を走行する分には全く問題が無かったし、最初の頃はこのままの状態で楽しんでいた。定峰峠に挑戦するまでは。
定峰峠の帰りで白石峠の下りに挑戦した際に、ブレーキ性能がもっと欲しいと感じたし、最終的には電動アルテグラ+エグザリットという組み合わせになったけど、自分の力では、もっと楽なブレーキ性能が欲しいという感じだった。
白石峠のような場所で下ハンドルでブレーキを握りっぱなしで下り続けるのは、リスクマネジメントで問題がある。上手い人は問題ないのだろうけど、自分が求めているのは、見える範囲で対向車とのすれ違いに余裕が生まれる程度の性能。握力を弱めた途端に加速してしまうようなブレーキ性能だと、気が抜けない状態が続くので困る。ブラケットポジションでもキッチリと性能を引き出せるブレーキ性能が必要だと強く感じる。
ここで、気になる点を自分の経験から検証してみると、
1 重量増(リムブレーキと比較して)
ホイールの軽量化、コンポの交換をやってみて、最終的には元のコンポに戻した経験から言わせてもらえば、200~300g程度の重量を気にするのは病気に近いと思う。機材の究極を求める人には気になるのだろうけど、自転車に乗って何を楽しんでいるんだ?って感じだね。
2 ホイールの種類(リムブレーキと比較して)
色々とホイールは試したことがあるし、いくつか気になったのもあるけど、結局は、自分が気に入ったブランドから選んでいるだけだったし、他のブランドにそれほど関心を持つことは無かったのが実情。何セットもホイールが必要になる状況なんて存在しない。アルテグラグレード、またはキシエリグレードが1セットあれば十分だったし、あとは見た目の問題だろうな。まー、自分は見た目でコスカボを選んでしまったが。
3 ローター過熱による怪我や火傷の可能性
これはありうる話だと思うけど、状況から言えば、長い下りで使い続けた場合に限定される出来事のはず。平地やちょっとしたアップダウンで気にするほどのものなのか?仮に、転倒してローターに接触する可能性もあるのだろうけど、下りで転倒する場合に危険になるのはローター以外のパーツもあるだろうし、そもそもアスファルトに引きずられて無事で済むはずもない。回転しているホイールのスポークに触れる方がよっぽどやばい。
4 フェード現象
これもディスクブレーキの宿命なのかもしれない。リムブレーキにはこういうことが起きないと言われても、握力が失われた状態でリムブレーキを使う方が危険だと思う。富士スバルラインでの下りは、少し休んだところで簡単に握力が元に戻らなかったし、どっちがマシかということになると思う。日本国内の下り坂でフェード現象が発生するような場所がどこになるのかも気になるが。
5 輪行時の注意点
慣れの要素があると思う。リムブレーキは単純なので、センターがずれたとしても簡単に修正可能。ディスクは多少の注意が必要になると思う。
6 音鳴り
試乗車で音鳴りが凄かったものもあったし、逆に全く問題のないものもあった。リムブレーキでは、多少の歪みがあっても音鳴りはしないと思うけど、ディスクブレーキだとメンテナンスが重要になるのだろう。
7 メンテナンス
パッド交換であれば誰でも可能だと思うし、リムブレーキであれば簡単にできることが、ディスクブレーキだと少し難しくなると思う。問題は、パッド交換以外のブレーキのメンテナンスで、これはリムブレーキであってもディスクブレーキであっても、自分の力ではお手上げ。
ワイヤーの取り回し、フィーリング、パーツ分解、これらは知識と経験がないとできないし、専用工具がないとできないので、全てショップにお願いすることになると思う。ネットで調べて変速調整をやってみたことがあったけど、自己流はチェーンがはずれやすくなっただけで、ショップの店員さんにはダメ出しされたんだよな。元に戻せる範囲の調整は自分でやってもいいと思うけど、全体的なバランスの上で成り立っているフィーリングは、どこかが狂うと素人には原因が全く分からなくなる。リムブレーキであっても、自己流は限界があると感じている。
その他として、リムブレーキ専用車のパーツとの互換性をあげるとすれば、そんなものは存在しないと考えるべきだろう。あるとすれば、ウィリエールから出ているフレームぐらいか。逆に考える必要があると思うんだよな。ディスクブレーキ専用パーツは今後も増えていく可能性があるから、互換性の指摘をしてしまうと、最初のバイクとしてディスクブレーキを選ぶのはメリットになりうると言えるのだから。