2023年5月13日土曜日
最初の1台目に欲しかったロードバイク
2023年5月6日土曜日
エンデュランスロードのハイエンドに1年乗った感想
<ハイエンドの性能を実感できるのか>
空力に優れ、剛性が高く、軽量に仕上がっている、というのがハイエンドの特徴であり、これを生かすためには、乗り手の体力や脚力が必要と言われている。しっかりとしたトレーニングをした人に必要な性能であって、アマチュアでは引き出せないものというのは、自分でもよく理解できる。
ただ、これは、エンデュランスロードのハイエンドにも同じことが言えるのか?というと、実際のところ、どうなんだろうな、という感じ。そもそもレースに出る人は、ポジションの問題からエンデュランス系を選択しないし、日本の舗装路ではレース系でも快適性に問題はないという意見は多い。高額なエンデュランス系を選択する人は少ない中で、自分が感じたことを書いていこうと思う。
<ロードバイクの構成>
パーツの構成は、フレームサイズ54:2020モデルのS-works Roubaix、ホイール:Dura ace C50、コンポ:Ultegra 8100、という構成。クランクは170mmの50-34T、スプロケは11-34T。ディスクローターは前後ともに160mm。タイヤはターボコットン28C。ペダルは105。ハンドルは420mmのS-works carbon Hover。サドルはPower Arc Expert。 ペダル+ボトルケージ込みで重量は約8.2kg。
スペックを見ると、軽量バイクやエアロバイクに比べると中途半端なものになっていて、ミドルグレードの価格帯にも劣ると考える人は多いと思う。
<エンデュランスロードのハイエンドの長所>
ライド後の疲労低減が最大の長所。無理のない前傾姿勢は、首や腰への負担が少なくなるので、翌日まで身体にダメージが残るようなことはなくなった。これは、高強度になればなるほど、よりダメージ量は増大していくことになるので、誰もが実感できる部分だと思う。エンデュランス系は快適性重視という先入観があるため、走行性能に注視されることになると思うが、走行中の快適性なんてものは、乗っている間は慣れてしまうので、どのくらい効いているのか分からなくなるけど、翌日の疲労度は確実に改善したと言える。
<短所>
短所は価格。コロナ禍による世界経済への影響もあって、値上げにより100万円でも買えない状況になっている。最初は、高額すぎて、小傷がつくのも気になるレベルだった。
<速度は上がるのか>
30km/h超で、どこまで速度を維持できるかという点では、正直なところ、あまり変わっていない気がする。というか、自分の体力次第だろうね。高額な機材であれば、速度も上がるというのは、どこまで真実なのかというと、体感では分かりにくいのかもしれない。50kmライドでの区間タイム、100kmライドでの時間短縮に意味はあるのだろうけど、その日の体調や天候・風向きに左右される方が大きいから、少しぐらいの差があったとしても、トイレ休憩や補給・食事を含めると、微々たるものなんだよね。ただ、高強度を維持できるのであれば、その走りは、どこまでも走っていける感じはする。下り基調の区間だったり、追い風の区間では、高速での安定した走りを実感できる。
<剛性>
ハイエンドは剛性が高いから踏み負ける、足にくる、といったことを挙げる人がいるが、今のところ、そんなことを感じたことは全くない。ディスクブレーキモデルでは、スルーアクスルによるホイール剛性が高くて、フォークも堅いから、どうたら、こうたら、という話を見かけることもあったが、自分は、そんな印象は持っていない。ハイエンドのエンデュランス系は、S-works Roubaixのフレームしか乗ったことがないから分からないけど、この程度の違いを感じられる人ってのは、どういう感性の持ち主なのか意味不明だね。正直なところ、趣味で乗る程度の人であれば、慣れの問題で済む話。S-works Roubaixのフレーム剛性がどのくらいの位置にあるのか分からないけど、エンデュランス系のハイエンドであれば、誰が乗っても、ハイエンドは剛性が高いから踏み負ける、なんてコメントする人はいないような気がする。
<普通の体力の人に乗りこなせるか>
特別な体力や脚力が求められるわけではない。久しぶりに乗っても違和感がないし、毎週のように走行して高強度でやってみても、それに応える走りをしてくれるのがハイエンド。自分がロードバイクに乗り続けているのは、健康目的、体形管理、気晴らし(ストレス解消)、週末ライド、走行距離100キロ前後、平地から峠まで、車載による遠出もする、雨の日は乗らない、レースには出ない、というもので、ほとんど趣味に近いけど、合っていると言えば、合っているのかもしれない。
<道路の舗装状態に対する適性>
これは個人の見解になるだろうけど、自分としては、道路の舗装は次のように分けられると思う。どこまで我慢して乗り続けるのか、ということになる。
1 舗装直後のひび割れが一つもない路面
2 アスファルトの粘性が失われつつある路面
3 ひび割れが目立つ路面
タイヤの性能もあるけど、フロントのサスの効果は、1以外の全ての路面で実感できる。石畳じゃなくても、普通の路面なら振動を結構拾っているのが分かる。日本の道路事情の良し悪しが影響するところだけど、舗装直後の新しい道路を走っちゃうと、それ以外の路面はどうやっても悪く見えてしまうし、同じコースをハイエンド以外で走行した時に、その違いがよく分かるから仕方のないことなんだけど、こういう部分の負担軽減が、身体のダメージ低減につながっているのだと思う。そして、ポイントになるのは、この性能があるにもかかわらず、速度が落ちているわけでないということ。ハイエンドなのに、速度はそこまで上がっていないということを上で説明したけど、だからといって、遅いわけではない。速度と快適性を両立しているのがハイエンド。普通の路面だと思っていた区間であっても、これに乗ってしまうと、路面への適性がどのくらい重要なのか、改めて考えさせられるようになった。
<長続きする乗り方>
区間タイムを縮める、走行距離を延ばす、峠を速く登る、といった目標を立てるにしても、身体を壊すポジションになっていた場合、全てが台無しになる。路面の凸凹でハンドルにガツンと来る手の痛み、サドルの痛み、むくんだ足に対応できるシューズ、クリートの余裕、体温調整、日差しと汗に対応するジャージ、色々とあるけど、バイクの性能以外にも気を使うべき点は多い。これは人それぞれになる部分だけど、身体をバイクに合わせられる人もいると思うけど、自分の場合は、バイクを身体に合わせないとダメな感じ。サドルの高さにも言えるけど、どこかで身体を痛める走りになってしまうと、長続きはしない。身体を消耗を少なくし、疲労度の軽減のための措置が長続きする乗り方が重要ということに気づかされると、たとえ週1回のライドであっても、その時に最高の条件を整えられるのがベストだと思うようになる。翌日に残すのは、ちょっとした疲労感だけであって、身体の痛みを極力なくすことが理想だとすれば、これがエンデュランスロードのハイエンドの選択すべき大きな要因なのではないかと思える。
エンデュランス系、レース系のどちらにしても、エントリーグレード、ミドルグレードであっても、ロードバイクを楽しむという点では、それで十分だし、新たに高額なハイエンドを買う必要はないと思う。実際のところ、過去の自分がそうだったし、速さの性能というのは脚力次第であって、どれも似たようなものだろうと思っていたから。ただ、速度を落とさずに、翌日の疲労度は確実に改善したい、というのであれば、エンデュランスロードのハイエンドを視野に入れてもいいのかもしれない。