ロードバイクに限らず、日本の自転車の右レバーがフロント、左レバーがリアになっているのは、ママチャリからきているという説があるようなので、その真偽がどうなのか、自分なりに調べてみた。
この説はネットでもいくつかあるようなので、それらを読んでみると、ロードバイクを中心にした議論から導き出される傾向があるように感じる。レバーが逆転しているのは、日本だけであり、海外では左レバーがフロントになるのが一般的ということらしい。
https://roadbike-navi.xyz/archives/4561/
この記事をまとめると以下のとおり
1 ロードバイクのブレーキはフロントがメインで、初心者はリアブレーキに頼りすぎる傾向があり、リアは簡単にホイールロックしてスリップするので、ブレーキングの基本はフロントなのは明白
2 ワイヤーのカーブに余計な力がかからないようにするには、構造的に左レバーのフロントの方が自然
3 右レバーのフロントの方がコントロールしやすい。日本人の多くは右利きであり、メインとなるフロントブレーキを利き手で操作した方が安全だからという理屈
4 日本は左側通行。右手で手信号を出すと、左手のブレーキによってリアがロックするので危険
5 JIS規格により、ママチャリの右レバーがフロントになっているから。
この記事で共感できる部分があるかと問われた時、ママチャリにもロードバイクにもそれなりに乗ってきている自分としては、共感できるところがほとんどない。
まず言いたいのは、ママチャリであれ、ロードバイクであれ、普通に乗っていて、ブレーキでタイヤがロックする状況は異常すぎる。ロックする状況というのは、車や歩行者が混雑するような場所で急な飛び出しが生じるような交通状況であって、そういう区間では、そもそも徐行するのが正解だと思うんだよな。
昔、Vブレーキのクロスバイクを使っていて、ジャックナイフやバニーホップをするために、急ブレーキを含めた操作をしたことがあったけど、ロードバイクのリムブレーキの効き具合だと、それが難しいという印象しかなかった。まー、シューズがペダルに固定された状態のロードバイクで急ブレーキをすることが如何に危険か、最初から分かっていることなので、そういう区間では、そもそも安全に止まれるスピードを意識すべき。自分なら、そのような区間をルートから外す。
それから、直進中であれば、フロントだとジャックナイフにより転倒する危険があるけど、リアのロックは、フロントよりも立て直しが可能な場合がある。最も危険なのは、ハンドルを切っている時にブレーキをロックさせるような状況。ただ、カーブしている時に急ブレーキをする時点で、どんな上級者であっても無事で済むわけがない。
自分がこの記事に違和感を持つのは、自動二輪の免許を持っているから。ロードバイクのブレーキ性能がどうのこうの、っていう意見に違和感があるのも、自動二輪の操作を知っているから。
バイクの正しいブレーキのかけ方が書いてあるので、この記事を読んでみて欲しい。バイクは、右レバーがフロント、左レバーがリアというのが基本で、マニュアル車になると左レバーはクラッチになる。
この記事では、リアブレーキによって、フロントに加重が掛かるということを意識して、という部分まで触れるほどに、ブレーキ理論を説明しているわけだけど、この説明に匹敵するようなブレーキ理論をロードバイク関連ブログでは、残念ながら見たことがない。
仮に、右レバーがフロント、左レバーがリアになっているのは、ママチャリからきているという説が真実だとすれば、バイクはどうなんだ?って話になる。バイクもママチャリ基準で作られていると本気で考えているのだろうか?
バイクはクラッチ操作を含めて、現在の配置に落ち着いたという話があったはず。クラッチ操作は右手、左手、右足、左足、どうすればいいのかということで、試行錯誤を重ねて、左レバーでクラッチ操作をする方がレースで結果が出せるということになった。そして、右レバーがフロントになったし、リアブレーキは右足で操作、シフトチェンジは左足、という分担になっている。
もしも、バイクのクラッチを右レバーで操作することになっていたら、バイクのフロントブレーキは左レバーになっていたと思う。開発でテストされたと思うけど、結局は採用されなかった理由が何かあったのではないだろうか。
ワイヤーの取り回しについては、油圧ディスクブレーキの登場により、過去のものになってしまったと思う。まー、海外と逆の配置になっている自分のロードバイクに乗っていて、ワイヤーの抵抗を感じたことはほとんどないし、油圧ディスクブレーキの性能と比較してしまうと、ワイヤー程度の問題をクリアしたところで、ワイヤーを使っていない油圧ブレーキでは議論する意味がない部分になってしまうだろうから。
日本の左側通行は、イギリスに倣ったということになると思うけど、世界史的には、左側通行が標準だったわけだし、日本が異質ということではないはず。これはフランスのナポレオンによって変えられた部分で、ナポレオンの占領を受けなかった地域では、確か、そのままになっているんだよな。
昔の自転車屋は、同時に原付を販売している店があったと思う。ブレーキをどっちに合わせた方がいいのか?と考えた場合、より速度の出る原付に合わせた配置にした方が、お客さんが事故にあう確率も低くなると考えたのではないだろうか。両方を所有するお客さんからすれば、原付の配置と同じにしてくれた方が混乱しないだろうから。
60代以上の人は、原付をノーヘルで乗っていた時代なんだし、原動機付き自転車というくらいに、原付は自転車の延長という認識だったわけだから、ママチャリを含めた自転車も原付にあわせた配置にしたのではないかというのが自分の仮説になる。真実がどうなのか知りたいけど、誰か知っている人がいるのだろうか。
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