2014年3月29日土曜日

ソニーHDR-AS15は宣伝通りに使えない

今日はこの時期にしては気温が20℃を超える陽気で、半袖でも十分なほどのコンディション。荒川サイクリングロードで吉見総合運動公園までを往復し、ソニーHDR-AS15を使って撮影し、動画編集をやってみようと思っていたのだが、ここにきて、ソニーHDR-AS15の駄作ぶりがあまりにも目につきすぎたため、その内容を取り上げてみたい。前回のブログで乾燥剤で解決と書いてしまったが、それは誤りだった。原因はウォータープルーフの保護ケースであることに間違いないが、カメラ本体の性能もどうかと思えるようなものがある。保護ケースに入れてしまうと、録画ボタンしか操作ができないのは大した問題ではない。撮影した動画が曇ってしまうことの方が100倍大きな問題だろう。使用条件はロードバイクの速度で平地や500m前後の峠で起こるものであり、気温や気圧が急激に変化するような悪条件ではない。

1 外気温が高くても低くても、保護ケースのレンズは曇る。
2 動画撮影やデータ保存でカメラは熱を発する。
3 カメラが発する熱は無視できるものではなく、10分前後の撮影で曇ることもある。
4 20秒~3分程度の撮影であれば、カメラが発する熱が少なくなるため、レンズが曇りにくい。
5 保護ケースに入れて長時間の撮影はレンズの曇りで失敗に終わる可能性が高い。
6 保護ケースの曇りは、カメラ本体が冷やされると自然に取れる。
7 10分以上の撮影を考えるのであれば、保護ケースはロードバイクでの撮影に向いていない。
8 スキーや水中などのハードな環境で保護ケースが曇ってしまうのは、ある程度理解ができるが、ロードバイクでの撮影程度で曇るのは致命的。
9 撮影した動画が曇ったものかどうかが分かるのは、自宅に戻ってからパソコンを確認して初めて分かるもの。ロードバイクでの撮影中には走行に夢中になっていることもあって、走行中はまず確認できない。
10 せっかく撮影した動画が曇ってしまっていた時の残念な気持ちは耐えられない。楽しかったサイクリングは自宅で最悪なものになる(これが一番の不満というか、怒りに変わるところ)。
11 カタログには保護ケースをロードバイクに固定して撮影しているかのようなカットが使われているが、果たしてこれでちゃんと曇らずに撮影できたのか疑問(一人のユーザーとして、曇った動画を撮影する自信があるし、曇らなかった場合は単にラッキーだったとしか考えていない)。
12 そもそも、何故、水中で撮影するわけでもないにもかかわらず、ウォータープルーフを必ず使うことを前提としているのが理解できない。一緒に梱包されている理由が意味不明。雨や水中で使用するわけでもないのに、保護ケースを無理やり使わそうとするのがおかしい。本体そのままで装着できるようになっていないのが、まったくもって納得できない。
13 カメラの発熱が保護ケースに籠ってしまうため、カメラ本体も熱の影響を受けている可能性がある(撮影ボタンを押しても反応しないことがあったし、液晶画面を確認して撮影が始まったことを確認したのに、撮影できていなかったこともよくある)。
14 保護ケースの曇りは、撮影を台無しにするだけでなく、ソニー製品全てに向けられることになる。社内で十分なテストをしないまま市場に出そうとする会社なのだろう。
15 Full HDやスローで撮影する時はカメラの発熱が高くなるため、より曇りやすい。これだけの性能がありますなんて宣伝しながら、その性能を生かそうとすればするほど曇りやすいなんて、購入する前にどうやって知りえるのだろうか。
16 カメラ本体の性能だけを見ると高度な機能と評価されてしまうようだが、ロードバイクで使用するためには、保護ケースに入れて使うことが前提となっており、保護ケースを使った条件で評価しなければならないはず。かなりの確率で曇ってしまうはずなのに、その評価がカタログに全く記載されていない。
17 比較の対象とされるGoproの場合、保護ケースが密閉型と開放型の両方が梱包されているため、きちんと使い分けが考慮されている。密閉型の保護ケースしか梱包していないソニーHDR-AS15とは大きく違う点だし、これこそがソニーがGoproを超えることのできない差だと強く感じた。開発者も会社もアクションカメラの専門家ではないことがはっきりする点になる。

今日は土手沿いの菜の花とからし菜が綺麗に咲いている状態で、これをずっと撮影していたはずだった。撮影時間は1時間半、帰り道では撮影するつもりがなかったのだが、何故か、撮影スイッチが入っていたようで、合計2時間近い動画になっていた。

撮影した動画は、行きの1時間半、帰りの30分、部屋の中での10分、合計3本となっていて、動画をPlayMemories Homeを起動させてパソコンにデータを取り込んでみると、2本で終了した形となっていて、行きの1本が取り込めなかった。取り込めた2本の動画を見てみると、吉見総合運動公園からの帰りで撮影された動画は画面が曇ってしまっている。途中で曇りが取れたようであるが、これほどの陽気の中で保護ケースのレンズが曇るとは完全に想定外。

それと、行きの1本目のデータを取り込めなかったPlayMemories Homeもはっきり言ってどうなの?復元とか一切やってくれないにしても、取り込めなかったデータがありますとか注意を喚起するようなメッセージは出てきてもいいんじゃないのか。このソフトはソニー製品ということでインストールしたのだが、データを取り込むときにしか使っていない。動画編集はMicrosoftのMoviemakerを使っていて、これで充分だと思っていたので、PlayMemories Homeを使うことはなかったのだが、ソニーの動画編集ソフトの性能についても、HDR-AS15と同様に不信感を抱かせてしまうな。

このカメラを使い始めるようになったのは今年の1月で、このときも曇りが発生してしまい、お菓子の乾燥剤を入れることでなんとか対応できていたので、これで問題は解決したものだと思っていたのだが、ソニーHDR-AS15はユーザーの工夫を簡単に足蹴にする性能を持っていたようだ。

今までソニーHDR-AS15をロードバイクのハンドルに固定して撮影してきたのだが、編集を楽にするために、撮影時間を短くして、短い動画を多く撮影するようにしていた。大体の撮影時間は20秒から3分程度。この程度の撮影の場合、保護ケースのレンズが曇ることはなかった。しかし、10分を超えるような動画を撮影する場合、乾燥剤を入れているにもかかわらず曇ってしまうことがあった。ただ、このときは曇ってしまう理由が冬の寒さによるものだと勘違いしていたため、こういう状態では仕方がないのかなと思っていたんだよな。

今日の陽気の中での保護ケースの曇りは、納得できるものではないし、今後も使い続けていく上で致命的であることを明確に理解できたよ。走行に夢中になるようなシチュエーション(速度の出る下り坂やハンドリングに気を使うような場所)では、10分前後の長時間撮影がどうしても必要になる。10分前後を長時間と言っていいのか迷うところだが、ソニーHDR-AS15を使うと曇る可能性が高い撮影時間なわけで、これがこのカメラでいう長時間になるはずだ。何回も言うが、曇る可能性があるカメラを使うことへのストレスは、趣味の楽しさを台無しにするのに十分な威力を発揮させるし、このカメラはその意味で大変な性能を持っていることを強調したい。

カメラの性能として、Wi-Fiや2時間以上バッテリーが持つといったことは、レンズが曇ってしまう可能性が高い限り、はっきり言って意味がない。長時間撮影したところで、曇った動画を見てもしょうがないのだから、撮影するだけ無駄。一番腹立たしいのは、この撮影を自分自身が楽しみにしていただけに、その曇った動画を見てしまうと、強い憤りを覚えるようになってしまうこと。ロードバイク使用時において、保護ケースのレンズの曇りはこのカメラの性能だということであれば、僅かながらも納得できるが、そんなことはカタログに一切書かれていない。

アクションカメラは機械としての性能だけではなく、使い勝手も含めた総合的な性能がなければ、比較する意味がない。手ブレ補正、Full HD、カールツァイスレンズ、映像バランスを評価したところで、レンズの曇りを撮影してしまうというのに、一体何の意味があるというのか。自分は、カタログの仕様表を見比べて、ソニーHDR-AS15を選んでしまったわけで、スペックだけを見て選んだことを後悔している。

新製品が出たこともあって割引されていたのも購入した理由になるが、簡単に曇ることが分かっていれば、そもそも購入候補に入ることはなかったし、買うこともなかっただろう。これほど重要な情報を隠していたわけだから、騙されたというのが正しい。曇るアクションカメラなんて使い道がないだろう、はっきり言って。曇りはアクションカメラの性能の全てを台無しにしているのは間違いない。

今は新型HDR-AS100vが登場していて、このカメラだと保護ケース無しで取り付け可能となっているのだが、今更こういったものを出されたところで、この自分の怒りが治まることはない。このシリーズはHDR-AS10から始まっていて、HDR-AS15であっても、それなりに改良する機会はあったはずなのに。HDR-AS100vの性能を売りにすればするほど、HDR-AS15を含めた以前の機種が駄作であることを認めているようなもの。

保護ケースの曇りは冬の時期は仕方のないものだと考えていたし、暖かくなれば乾燥剤無しでも普通に使えるようになると考えていた時期が懐かしくなる。今さら、Goproや他のカメラを買いなおす気力もないので、追加でスケルトンフレームを購入することになるが、雨や雪だったり水中での撮影をすることのない自分には、最初からウォータープルーフケースなんて必要がないんだよな。あくまで、ハンドルに固定するために使っているだけ。これしか使い道がないのに、この保護ケースのために撮影をことごとく邪魔された怒りは治まることがない。

例えるなら、仕事でワード文書が最後に保存されていなくて、最初からやり直すようなもの。ただし、ワードの場合、保存ボタンを押し忘れていたり、保存しないままパソコンを放置してしまったりするのが原因であって、こういうのは大体が自分のミスなので、自分を責めることにもなるが、やり直しそのものに気持ちが切れることはない。

ところが、こういうのが仕事ではなく、趣味の世界での状況だったら話が違ってくるし、自分の努力ではどうしようもない状態であれば、本当にストレスになるだけ。ロードバイクもアクションカメラも趣味で取り組んでいるからこそ、趣味の世界を邪魔された気持ちは分かってもらえるだろうか。HDR-AS100Vで改良されているなんて話は自分には関係のないこと。

"It's a sony"って今でも通用すると思った。HDR-AS15は紛れもないソニー製品なのだから、これが"It's a sony"ということになるのだろう。今でも高い技術があると思っているのであれば勝手にそう思っていればいい。アクションカメラを始めたばかりの自分のような素人ですら、納得させることのできない状況なのは確かなのだから。宣伝によって過大なイメージを売りにしているということであれば納得する。

このことを契機として、ソニーの戦略が大体見えてきた感じがする。技術が通じたのは一昔前の話で、今は技術だけでは通用していないことが明らかになっているし、宣伝でこれをカバーしているのだろう。電池やオーディオなどで高い技術を示しているけれど、高度な技術と使い勝手を融合させるのは苦手なようだ。それどころかまともな使用テストを行っていないのではないかと思える。

開発者はレンズの曇りを過小評価して上司を納得させたのだろうか。それとも、上司はこの状況を理解したうえでこのカメラを市場に出したのだろうか。どちらに責任があるにしても、駄作が市場に出回ったことは確かで、この被害を受けるのが自分のような素人ユーザーになるのだろうな。使ってすぐに曇ることが分かるはずなのに、開発者も上司も知らないまま、これほどまでにカタログで載せてしまうのは、要は意図的だったのではないかと思えなくもない。

スケルトンフレームで曇り問題が根本的に解決するはずだが、だからといって、これで今までのことを擁護する気にはなれない。最初からスケルトンフレームがラインナップになかったのは、スケルトンフレームにもなんらかの課題があるのだろうから。この程度の部品なんてやろうと思えば、簡単に作れるはずなのに、最初のラインナップでは曇り止めシートしか対策がなかったわけで、このスケルトンフレームの製造が曇りのクレームによるものだとしたら、それはそれで、ソニーは対応製品を出したとも言えるのだが、クレームがなければ何もしなかったのかと思えなくもない。

スケルトンフレームはカメラが剥き出しの状態になるため、カメラの故障が起きやすくなるのかもしれない。保護ケースに入れておけば、外界からのダメージを軽減できるようになるのだろうが、曇ってしまうようになるわけで、肝心な撮影データを犠牲にしてカメラを守ることを選択したということになるのだろう。何故、ウォータープルーフのような保護ケースが最初からついてくるのが理解できなかったのだが、カメラの保護を重視したのであれば、それなりに理解はできる。

しかし、アクションカメラで重要な点はカメラ本体ではなく、撮影する動画にあることに気付いていれば、最初からスケルトンフレームを標準装備にしていたはず。おそらくは、カメラを消耗品扱いにしきれなかったため、保護ケースを採用するようになったのではないだろうか。アクションカメラを長く使いたいと思うが、使い方を考えると消耗品と考えた方が自然。最低限の耐久性が必要だと思うが、撮影がアクション中であるわけだから、落としたり、踏んでしまったり、ぶつけたりするのは覚悟の上なんだよ。HDR-AS15は過剰な耐久性を売りにして、撮影動画を台無しにしてしまう性能だったわけだ。開発者が本質をどこに捉えていたのか気になるな。スキーや遠出で貴重な動画を撮影した人が、曇ってしまった動画を自宅で見た時のガッカリ感と不満は、自分のものとは比較にならないかも。

まー、カタログでロードバイクに使えるように写真を載せているのに、スケルトンフレームが後出しになるのは理解に苦しむ。自分はあくまで最初のカタログをみて判断したし、カタログの写真のとおり、保護ケースにカメラを入れて使っていたわけだから、宣伝を信じて買ったんだよ。これは誰にも否定することはできない。100歩譲って、自分の使い方が悪いのだとしたら、素人の自分に使いこなせないようなカメラを、カタログでさも簡単に使えるように見せる宣伝の方が悪いだろう。あのカタログの写真を見て購入を判断した人は多いと思うよ。疑い深い自分ですら、その宣伝に騙されたわけだからね。Goproのように開放型の保護ケースが最初から梱包されていない時点で、今の自分だったらこんなカメラを買うことはしない。初心者であれば購入対象になるのかもしれないが、仕方がないと諦める人よりも、レンズの曇りで後悔した人は多いはずだ。

スケルトンフレームがなかった当初は、ユーザーはどういった対応をとっていたのか気になる。自分だったら、カメラを投げつけたくなるし、壊したくなる衝動を抑えるために返品か売却をしていたのかも。正直、趣味で使う道具として、これは最悪の部類。気に入らないものなのに、使わざるを得ない状態というのもなんだかね。自分は物を大切に使いたいタイプなので、余程のことがない限り見切りをつけずに使うようにはしているのだが。こんな衝動に駆られるのは初めてだ。

物を買う際にはそれなりに下調べや同類の物と比較するし、たまに外れはあるにしても、仕方がないと思わせる程度の失敗であって、過剰な宣伝に騙されるようなことは今まではなかった。まさか、アクションカメラで曇ってしまうのが普通の状態だなんて思いもしなかったよ。これがソニーへの信頼があったから失敗の原因になるのかな。価格が高いか安いかが問題ではない。カタログだけでなく、一般的な使い方をしてこれほどまでに裏切られたのは今までの人生でもそうはない。

家電量販店で気軽に買える価格のアクションカメラであるにもかかわらず、ここまでユーザーを不満にさせるのは珍しいと思う。それと、このカメラをキッカケとして、ソニー製品を見る目が大きく変わってしまった。カタログのスペックだけでソニー製品を評価するのはダメということだな。カタログスペックは要注意ということになる。ここを消費者がみて購入する動機となるのだから。安心と信頼のソニーは自分の中では過去のものとなった。

ロードバイクでの撮影の楽しさを教えてくれたのがHDR-AS15であり、動画編集に際して使えそうなカットを選択していく楽しみを知ったのもHDR-AS15であり、苦労して撮影した動画が曇りでダメになることを教えてくれたのもHDR-AS15だった。こんな商品は他にないだろうな。






2014年3月24日月曜日

ホイールのリムハイトについて

ロードバイクのホイールのリムハイトについての自分なりの考察をしてみようと思う。Mavic cosmic carbone SLEの性能をある程度把握できるようになってくると、何故、Mavicはこのホイールのリムハイトを52mmに設定しているのか、他のラインナップはどのように展開されているのかに興味が湧いてくる。趣味で使うホイールとして気になったことを上げてみたい。

Mavic cosmic carbone SLEを購入する前に、それなりにリムハイトのことを調べたつもりであったが、どの高さでディープリムになるのか腑に落ちない感じを受けていた。ディープリムといえば、40~60mmぐらいのものと想定していたのだが、最近では35mmだったり、80mmになるようなリムも出てきている。ローハイトのリムよりも高ければ、それだけでディープリムと言っても良いのではないかと思う一方で、ディープリムはエアロ効果が高いという言葉を聞くようになってしまうと、エアロ効果を体験できるリムハイトは何mmになるのだろうかと、分からないことだらけだった。

Mavic cosmic carbone SLEを使うと、下り坂や追い風などによる高速時の安定性が半端ではないことを実感できる。時速30km前後であっても、僅かな違いしかないのだが、今までのローハイトリムよりも安定した走行ができているのは確かで、まー、ロードバイク歴2年目となる自分でもこのくらいの違いを体感できるのが52mmというリムハイトになるのだろうか。

高速域での加速性は今までのホイールでは達成できない性能であることも、使ってみて初めて分かるようになった。これは雑誌やネット等で言われていることであるので、今更自分が言ったところで何でもないことなんだけど、逆にいうと、自分程度の能力であっても、52mmより低いリムハイトだとその効果の違いは分かりにくいということなのかもしれない。

おそらく、52mmのリムハイトを経験した自分からすれば、35mmのリムハイトの高速域での伸びに満足できないような気がする。だからといって、60mm以上のリムハイトで満足できるのかというと、その性能を引き出すことができないので、不満を持ってしまうのかもしれない。何故、こういったことを考えるようになったかというと、52mmのリムハイトで峠を普通に登れたし、普段使いには問題がないことが分かった一方で、最高速にチャレンジした際の空気の壁を感じるようになったから。

Mavicに限らず、50mmのリムハイトのホイールは多くのメーカーで製造されていて、ロードレースやトライアスロンでその性能が磨かれてきたと考えていいと思っている。色々なリムハイトを試行錯誤してきた中で誕生した答えの一つが50mmということになるのだろう。エアロ効果だけでなく、重量などのバランスを考慮して導き出された答えだと思うんだ。そして、最高速を高めるためにはさらにリムハイトを上げて、ディスクホイールを使用しなければ空気の壁を突破できないのではないかと。

自分程度の素人であっても、追い風の下り坂で速度を上げていったときに、急に向かい風を感じるようになってしまうことがあったわけだけど、この時は同行者のローハイトリムでは自分の速度に追いつくのが大変だったらしい。脚力は同行者の方があるはずなんだけど、ディープリムのおかげで同行者よりも速い速度に到達できていたんだなと思った一方で、もっとリムハイトの高いホイールであれば、その差をさらに拡げることができるんだろうなとも思えた。

ただし、峠やアップダウンのある丘陵地帯での走行では必ず上り坂が出くわすこともあって、登坂で逆転されてしまうので、総合的にはデメリットになってしまうのかもしれない。でも、下りや追い風での気持ちよさは52mmのCosmic carboneは病みつきになりそうなんだよな。たとえ上りを犠牲にしたとしても。こうした背景の中で、35mmのリムハイトが登場してきたのはよく分かる。35mmであれば、上りもそれほど犠牲にならずに、多少のエアロ効果も期待できるのではないかと。35mmのリムハイトはこれから浸透していく可能性が高いと思える。

しかし、ホイールの歴史の中で50mmのディープリムが自然淘汰的に残されたものであるという背景を考えてみると、今後35mmの人気が高まることになったとしても、50mmの存在価値が変わることはないのではないだろうか。だって、35mmを経験したとしても、50mmのリムハイトに乗ってしまえばそのエアロ効果の違いは明らかなのだから。新素材が開発されて、より軽量で耐久性のある材料が使えるようになるとすれば、50mmのリムハイトの存在価値は相対的に高まると思える。

今の時点で50mmが不利になってしまうのは、上りの場面で遅れてしまうというもの。ロードレースだとこれが致命的になってしまうのかもしれないが、趣味で走る分にはこれは問題にならないんだよな。だって、上りのタイムが多少遅れることになったとしても、休憩時間などを考慮すると大したロスでもないし、自分のペースを守れば大きな問題にはならないからね。峠の走行が多いのであればローハイトリムが一番いいのだが、長い平地や向かい風の場合にはエアロ効果による恩恵は決して小さいものではない。それがロングライドになるのであればなおさら。トレーニングと考えて重いホイールで登るというのもアリかもしれない。

自分のような素人であってもエアロ効果の違いを体感できるのが50mmのリムハイトであって、35mmのリムハイトはその違いが若干もっさりしてしまうのではないだろうかと思えるんだよね、今のところは。Mavicのラインナップに35mmが存在しないことも気になる(Cosmic eliteがこれに近いんだけど、これをDura aceやBoraと比べるのはちょっとね)。トラック競技やトライアスロン向けに製品テストをしているメーカーなわけだから、リムハイトによるエアロ効果や重量バランスを徹底的に調べつくしているはずなのに。逆に考えると、50mmのリムハイトは多くのメーカーから出ているわけで、どのメーカーがテストをしても50mmでのエアロ効果は証明されているのかなと思う。

あまり話がまとまらなくなってしまったが、まー、自分のような素人の実力であっても、Cosmic carboneの52mmであれば普通に使えるし、エアロ効果も体感できたけれど、これが35mmだとどんな印象になるのかなといったところ。素晴らしいと思うのか、中途半端に感じるのか、どちらになるのだろうか。登りもエアロ効果も併せ持つホイールと言ったら超高級品しか候補が無くなるので、最初から諦めることができるんだけど、どちらを優先させるかについては沢山の選択肢があるので、これがロードバイクの奥深さになるのかもしれない。一本だけと考えるのか、二種類を使い分けると考えるかによって答えは変わってくるところが楽しいのかも。

自分はCosmic carbone SLEを使い続けることになるな。さすがにこのクラスのホイールを再び購入するのは気が引けてしまう。仮に35mmのホイールを買うことになっていたとしても、ずっとそれを使い続けることになっていただろうから。どっちを選んだとしても、他方を買いなおすなんてことは考えられない。最悪のケースは、買ったホイールが自分の想像していたものと異なっていて使い物にならなかった場合になるのではないかと思える。幸いなことに、自分はCosmic carbone SLEに満足しているので、今後、知識を増やすことはあっても、ホイールを増やすことはないだろう。

エアロ効果を狙っている人であれば50mm以上、オールラウンドにしたい場合には35mmということになるな。これは一般的に言われていることのようだし、全くそのとおりだと思う。ただし、50mmのエアロ効果を経験している自分にとってみれば、仮に35mmを選択していたとしたら50mmを試したくなっていたのは間違いない。そして、峠や強風時での50mmの挙動が自分にとって制御可能なものであることが分かった段階で、50mmは良い選択だったというのが結論になるのかな。













2014年3月23日日曜日

強風時(風速9m/s以上)でのディープリムホイールによるロングライドと今後の課題

一昨日は中間平までのロングライドで走行距離113.8km、平均時速21.06kmとなった。今回のライドでは職場でロードバイクを趣味にしている一人と初めて同行することになった。この人からはロードバイクの話を色々と聞いていたので、相当走りこんでいることは察しがついていたし、秩父辺りの峠を走りこんでいることからかなりの実力者になりそうだと思っていて、機会があれば一緒に走ってみたいと考えていた。

一昨日は天気予報で強い北風に注意するよう呼びかけられていたほどで、自宅から待ち合わせ場所に着くまでに根性が必要になるほど。北西の風になるので、中間平までは完全に向かい風状態となる中で進むことになった。さすがに、これほどの風の強さになると、平地であっても坂道を登っていくような感覚で、時速30kmなんてまず出せない状況だったし、時速20km以下になることもあった。いつもの感覚よりも1.2倍くらいの強度が必要だった気がする。ひたすら耐えながら進む感じ。

中間平近くになると、ようやく北風の影響が薄れてくるのだが、上り坂がきつくなってくるため、少しずつ体力が削られていってしまう。ここでスプロケ12-30tが活躍することとなり、30tで足を休ませながら登っていくことになる。いつもと異なったのはメンタルの部分で、初めて同行することになった職場の人の登り方に圧倒されてしまったところ。

この人はクライマーといってもいいくらいで、中間平に差し掛かる道中ではフロントはずっとアウターのままで、インナーを全く使わない。途中の林道の上り坂は距離は短いんだけど、それなりの斜度があるので、自分の感覚ではこの坂でもインナーが必要だというのに、アウターで上りきってしまうとは。中間平に差し掛かってからは一気に上り始めてしまい、その後姿を捉えることはできなかった。

今日のような強い向かい風状態で、アウターのままで走行していることが凄すぎる。ペダリングを後ろから見ると、体全体を使って漕いでいる感じで、リズムのようなものがあるのかもしれない。ダンシングもなかなかで、これだったらどんな坂道でも攻略できる脚力になるんじゃないかと思うほどだった。自分には越えられない壁を既に突破している感じの実力を見せてもらったと言えばいいのかな。

ケイデンスを上げて登る方法もあるし、トルクをかけて登る方法もあるのだが、自分にはトルクをかけて登る方法が欠けていたことに気付かされる。今までトルクをかけたペダリングをするとふくらはぎの筋肉が耐えられなくなり、足が終わってしまうことに繋がっていた。トルクをかけるのはこれ以上は厳しいかなと思っていたので、ケイデンスを上げていく方法に頼るしか方法はなかったんだよね。

しかし、シューズをMavicのFuryに変えてからは、ふくらはぎへのストレスが軽減されてきていることを実感しているので、これを機に今までの走り方を変えていくことができるのかもしれない。単に今まで使っていた初心者用SPDシューズはダメすぎたということなんだけどね。ロングライドを終えた後の足の疲れも今までとは異なっているし、腿の裏辺りの筋肉がきちんと使われている感触はある。アンクリングの改善が大きいのかもしれないし、これが改善されているのであれば、トルクをかけるペダリングやダンシングの幅が拡がりそうな予感はある。

強風時と峠でのCosmic carbone SLEはどうなのかと言うと、「特に問題なし」になるのかな。強風でハンドルを取られることがあるが、きちんと対応していれば問題はなかった。同行者二人のホイールはローハイトになるのだが、この二人も強風の影響を同じように受けていたように見えるので、この強風はどんなリムハイトであっても影響を受けていたのは間違いない。

強風時のハンドル対応については、ブラケットを前に押し出す感覚で手を握ればハンドルはかなり安定することに気付いた。突っ張り棒のようなイメージと言えばいいのだろうか。この握り方が正しいのかどうか分からないけれど、ハンドルを引くような乗り方だと風の影響を受けやすいというか、すぐにハンドルを取られてしまうのではないかと思った。それと全体の重量も重要で、自分の場合は体重66kg、バイクと装備で10kgとなるわけだが、これだと今回のような強風であってもCosmic carboneで十分行ける。

まー、はっきり言って、強風時で峠を目指す辺りでディープリムよりもローハイトの方が良いに決まっているのは間違いないんだけど、ディープリム愛好家となる自分の意見としては、
①向かい風と追い風の中ではディープリムのエアロが生かされる。
②完全な横風でない限り、斜め前からの風であれば、向かい風のように裁ける。
③トルクをかけたペダリング(ダンシング含む)の反応が結構良い(まだ自分は持続させる時間が限られてしまうが)。
④追い風と下り坂でのスプリントはディープリムでしか味わえない世界となっている。

①については、往路での向かい風で普段よりも足を使わされた感覚はあるのは確かだけど、足が残っていた感覚があったのも確か。そして、追い風でのペダリングは本当に気持ちがいいもので、Mavicタイヤの乗り心地が良いこともあって、今まで経験したことのない境地に行ってしまったような感じ。

②については、急な横風だけが要注意。田舎の道だったら予測はできると思うけれど、都心のビル風があるような場所だとちょっと怖いかも。都心の場合は、建物に囲まれた無風状態の場所から、風の通り道になっている場所に移動する瞬間が要注意になるのだと思われる。田舎の場合は基本的に無風状態の場所がなく、橋の上や山の谷間であれば、ある程度の予測が可能なので、風向きの変化に注意した走行ができるようになっているのが都心と異なるところ。

③は今後の自分のトレーニング次第になるのかな。目的が明確になったことと、Furyシューズの性能を生かして鍛えていけば、モノにできそうな感じはある。通勤時のママチャリでダンシングの練習をすればロードバイクに生かすことができるのかもしれない。

④については、Cosmic carbone SLEを買って良かったと思えるところで、これが一番楽しいんだよ。見晴らしの良い下り坂は限られてしまうが、ルートを覚えてしまえば、どこからパワーをかけていけばいいのか分かってくるので、良い走りができるようになる。全体から見れば僅かな区間でしか楽しむことはできないと言えるのだが、この楽しさは別格。

追い風の下り坂でどこまで行けるか試してみると、時速60kmを超えたあたりから急に向かい風を感じるようになったのも初めての経験だった。あれだけの追い風だったのに、急に向かい風のように感じてくる不思議な感覚で、空気の壁にぶつかったのかもしれない。富士山や清里のように傾斜のキツイ直線道路が続くような道であれば、この壁を簡単に越えられるのかもしれないが、小川町や都幾川ぐらいの下りだと、今の自分の実力ではこのぐらいが限界なのかもしれない。

強風時に積極的に走りに行きたいと考えるわけではないのだが、今回の強風時のロングライドは色々と勉強になったし、課題も見つかったので良い経験になったと思う。それにしても、職場のクライマーはとんでもない実力だね。白石峠や秩父方面によく走りに行っていると言っていたけれど、こういった峠で培われた脚力は本物。自分よりランクが一つか二つ上だな。

 


 















2014年3月19日水曜日

Mavic Fury shoes フーリーのインプレ

日曜日(3月16日)のロングライドは中間平までの往復で、走行距離114km、平均時速21.1kmとなった。中間平に初めて行ったのは、確か昨シーズンの冬だったと思う。初めて行ったときの登りの辛さは忘れることのない思い出になるし、中間平の峠道はちょうどよい指標になることもあって、今回のロングライドは色々と参考になると思って臨むところだった。

今回の装備はMavic cosmic carbone SLE、そしてシューズはMavic Fury。Cosmic carbone SLEについては、前回までのライドである程度感覚を掴めていたし、その前のLightning alpineホイールよりは重量が重くなったので、峠の上りは今までよりも負担が掛かるという認識を抱いていた。平地やちょっとしたアップダウンであれば問題はなく、Lightning alpineよりもよく転がって、スピードに載せやすいところが気に入っているのだが、中間平ほどの峠でどの程度の走行できるのかは気になっていた。ホイールの重量が増加したことで、今まで以上に体力を消耗させることになるのかなと。

Mavic Furyは形から入ったようなもので、ほぼ見た目で選んだシューズ。ロード用のSPD-SLでもないし、当初から使用しているシマノの初心者向けSPDシューズとそれほどの性能差があるなんて思っていなかった。MTB用のSPDになるのだから、気分的に良くなるだけであり、今のSPDシューズだってそんなに悪いものではないはずだと。

このシューズは高価な商品になるので、期待していたのはプラシーボ効果程度だったし、見た目以外は特に期待はしていなかったんだよね。速い人が履いていればそれだけカッコよく見えるシューズであって、自分がその恩恵を受けることはないと思っていた。ただ、ショップの店長さんにシューズの相談をした際に、Mavic FuryのレベルだとSPDといっても違うようなことを言われていたので、そうなんですかね、って思ってはいたんだよな。

ショップの店長さんにはシューズのサイズ合わせの際にも次のアドバイスをもらっていた。
①Furyには普通のモデルとMaxiモデルがある。
②シューズは立った状態で履き心地を確認するのではない。
③ペダルに置いた状態と立った状態では足のフィット感が異なる。
④店長さんの足は幅広になるが、それでもMaxiではなく普通のモデルで問題ない。
⑤シューズを履きこなしていくにつれて幅は拡がっていく。
⑥幅は拡がっていくが、爪先の形状は変わらないのでここがサイズ選びで重要になる。
⑦自分の足幅であればMaxiモデルではなく、普通のモデルで問題ない。
⑧このレベルのシューズになると足底が大変固く、入門用と異なる。

一応、それなりにシューズのことを調べていたつもりだったのだが、これだけのアドバイスをもらえたのは大きかった。この時はFuryがなかったので、Zxelliumでサイズを合わせてもらって購入することになった。ショップでのフィット具合は間違いなく自分の足に合うものだったからね。前提条件として、自分の足に合うものだったということは重要だな。

Mavic Furyは今回のロングライドで初のデビューとなり、その感想を並べてみると次のとおりとなる。
①踵を包み込む履き心地と足底の固さからくるシューズとの一体感がすごい。
②エルゴストラップによる足首の固定が絶妙。
③アンクリングが自然と改善される。
これは使ってみて、Furyは反則だなと思ってしまった。初心者用のSPDシューズとは完全に別物で、①と②はシューズを見てそうだろうなと予想はしていたけれど、③については想定外だった。

中間平の上り坂を今までよりも重いホイールで走ることになるわけだから、当然足への負担も大きくなるはずだった。登坂で足が辛くなってくるのはふくらはぎで、長い上り坂や斜度の強い坂になると、ふくらはぎにかなりのダメージが出てしまい、ギリギリのところで頑張ってみたところで、休憩していても回復はしにくい。何回か中間平を走っているわけだけど、ふくらはぎへの負担は決して小さいものではなかったし、今回もそれなりに覚悟はしていたつもりだったんだけどね。

アンクリングの改善については、良いペダリングをする上で欠かせない部分になるわけで、雑誌やネット等での情報を見ると、自分は下手くそであって、そこまでの境地に達するのにはまだまだなんだろうなと思っていた。そもそも、ペダリングで足首の動きを意識したところで、無意識で動いてしまうことが大きな問題になるわけだし、逆に意識をしてしまうと余計な力を使ってしまうところにも問題がある。あくまでアンクリングの改善は理想論だと思っていた。

ところがだ。Mavic Furyは足との一体感によって、特にエルゴストラップのおかげになるのだろうけれど、自然と良いペダリングができるようになっている。そう感じるようになったのは、中間平の上り坂でふくらはぎがギリギリの状態になるなんてことはなかったから。これは、つまりはアンクリングが改善されて、ペダリングが上手くいくようになったということになるんじゃないかと。ダンシングの際もそうだったけれど、ふくらはぎへの負担が今までよりも減少しているのを実感できたんだよね。

今までのSPDシューズはペダルに固定しているだけであって、足首はユルユル状態だったのだから、これが劇的に改善されたことによって、自然と良いペダリングができるようになってしまったと言えばいいのだろうか。というか、アンクリングの改善はシューズのサポートがなければ不可能なのではないかと思った。SPD-SLのZxelliumの方がペダリング全体に対してより一層の効果はあるのだろうけれど、アンクリングに関わる性能についてはFuryはZxelliumと形が同じわけだから遜色はないと思える。

初心者用のSPDシューズを最初に買った場合に、次のシューズに何を選ぶべきか迷っているのであれば、足首を固定できるハイエンドシューズをおススメしたい。SPDとSPD-SLが別物だということは誰でもわかると思うけれど、SPDのハイエンドモデルとSPD-SLのミドルモデルであれば、おそらく前者の方が性能は上になるのではないだろうか。SPD-SLであろうが、スピードプレイであろうが、ペダリングを上手くサポートできないシューズだと性能を発揮しているとは言いにくいと思った。

正直、Mavic Furyは見た目で選んだわけであって、これほどの効果があるとは予想できなかったし、こんなに良いものだったのかと感心させられてしまった。少なくとも、アンクリングがどういうものかということを考えた場合、このシューズ以下のものだとふくらはぎへの負担が大きくなると思えるので、もう自分にはFuryしか選択の余地はないのかもしれない。これを知っちゃうと、もう戻ることはできないな。重要なのは自分のようなシリアスではない乗り方であっても、効果は絶大ということに尽きる。このシューズは上級者向けというものではなく、誰が履いてもその効果は分かるのではないかと思った。

今までのパーツ交換での効果の序列を考えてみると、
スプロケ大型化=Furyシューズ>楕円リング=ホイール軽量化
といったところか。いや、今までで一番の効果と言えるのかもしれないな。だって110kmのロングライドで峠を走ってみて、今回ほどふくらはぎの負担が減少したのは初めてのことだったからね。スプロケを12-28tから12-30tにした際に白石峠の傾斜を攻略できた時は、スプロケが一番だろうなと思っていたのだが、このシューズの性能もそれに近い感覚になるんだよな。

ペダリングが改善したことで、Q-ringsとの相性も良い方向に改善されているような気もする。Cosmic carbone SLEとの相性もいいし。ペダリングが良くなったことで、巡航時のふくらはぎへの負担も間違いなく減っているはずだし、スプリントを掛けた時の反応も抜群にいい。MTB用のFuryでこの性能があるのだからZxelliumはもっとすごいのだろうか。

初心者用のSPDシューズと比べて悪かった点は、少し歩きにくくなったということだけ。靴底が固いのが原因だと思うけれど、もともと歩くためのシューズでもないのだから、これはこれで納得はできている。ロードバイクのパーツ交換については色々と情報を集めることができると思うけれど、シューズについては不思議なことにそれほどのインプレはまだないんだよな。クリートが付けばどれも一緒だと思われているのかもしれない。

それにしても、良いペダリングをするためには、ペダルにシューズを固定するだけではダメで、シューズのサポートが不可欠だったとはね。Mavic Furyを買ったからこそ理解できたことだし、今までのシューズを使い続けていたら、ずっと分からないままだったのかもしれない。Cosmic carbone SLEを購入した勢いでついでに買ってしまったシューズなわけだけど、このシューズは一番のお気に入りになりそうな予感。もしも、一つしかパーツを選べない状態になったとしたら、迷うことなくこのシューズを選ぶだろう。それだけ重要なパーツだな、シューズってやつは。

後でショップの店長さんに話を聞いてみると、やはりシューズは一番重要なパーツになるとのことで、今まで使っていた初心者用のSPDシューズはそういうものだったということになるようだ。Furyはカーボンソールを使っていることも重要で、自分の足にフィットしていることも重要らしい。どうやらFuryは自分にとって当たりとなるシューズだったようだ。

 























2014年3月9日日曜日

先月の雪がまだ残っていた中でのディープリムホイールレビュー

昨日はロングライドにする予定であったのだが、平地の向かい風が治まる感じではないため、山沿いを走行することになった。結果は距離86km、平均速度20.6kmだった。雀川ダムであれば先月の雪が残っていることもないだろうと思って進んでみると、ダムまでは全く問題はなかったのに、その先の林道は完全に雪で閉ざされていた。

ここの林道がこれほどまでに雪で覆われれているとなると、しばらくの期間はあきらめた方がいいのかもしれない。ここの林道は車の通行が少ないこともあって、自然に溶けるのを待つしかなさそう。太陽が当たる場所だとすぐに溶けるのだろうけど、日陰の雪があちこちにありそうなので、北側の斜面はもっとひどい状況なのかもしれない。

雀川の通行がダメな状況なので、越生の梅林に向かうことになった。この辺りは雪が全くないし、車の通行も少なくて快適に走行できるのが好印象。都幾川周辺もいいけれど、越生もサイクリングには適した場所と言えるね。梅林に着くと観光客で賑わっていたんだけど、残念なことに一部の梅しか咲いていない状況だった。おそらく来週以降が見頃になるのではないだろうか。

今回のライドがCosmic carbone SLEの実質的なデビューになると思ったんだけど、この風の中だとしょうがないという感じ。向かい風ばかりというわけではなかったんだけど、空気が重く感じるようなコンディション。停車しているときは風を感じることはないのに、時速25kmを超えてくる当たりから身体で空気の質量がぶつかってくるイメージ。体調はそんなに悪くはなかったと思うんだけど、こういう日もあるということかな。真っ直ぐ続いている道路に入ると、何故かスプリントを掛けたくなるのはこのディープリムホイールならではかもしれない。こういうのでメリハリをつけて走行することができるのかもね。

ディープリムの印象として、横風や車が巻き起こす風の影響を受けるというのがあるんだけど、これはそのとおりで、ハンドルが取られるようなことにはならないけれど、少し注意する必要があると思った。普通のスピードではそれほど気にする必要はない感じ。ただし、自分のスピードコントロール領域の限界だと注意する必要がある。

自分(体重66kg、バイク+装備10kg)くらいの重量であればディープリムは普通に使える。自分の場合は巡航速度が25~30kmになるわけだけど、この程度なら特に問題はなかったし、適切な距離をあけて追い越してくれる車両であれば、全く問題はなかった。問題になるのは下りなどで速度が50km近くになるような際に、大型車両が横切るようなシチュエーションが問題になるのではないかと思う。こういう速度は普通に走っていても緊張感があるからね。そういった中でちょっとでもハンドルが取られるとなると一気に緊張感が増大するのではないだろうか。

まー、自分は例えローハイトであっても、ダンプが行き交うような場所は走りたくないわけで、あくまで越生や都幾川のような大型車両の通行が少ない一般道であれば、このぐらいのディープリムであっても変に意識する必要はなかったというのを実感。ギリギリの幅で大型車が追い越しをするような路線は元々走りたくないし、今までもそういうルートは避けているので、今後もこのホイールで問題はなさそうな感じはする。

ロードバイクは走行ルートを選ばないと楽しく走れないことを最初の頃に感じていたし、逆に言うと、裏道や車の通行量の少ない田舎の走行ルートに限定されてしまうことについて、ある程度納得はしていた。そして、この走行ルートであれば、ディープリムであってもそれほど条件が悪くなるわけでもなく、普通に走れるルートなわけで、自走で鳩山や都幾川に行くことが可能な場所に住んでいる自分は恵まれていただなと実感する。

都心などの交通量の激しい場所に住んでいたら、これほどまでにロードバイクにハマることはなかったと感じている。ロードバイクはバイクの性能だけでなく、周りに走れる環境が揃っていることが一番重要なことになるんだろうな。昨日は鳩山辺りで学生と思われる集団に登坂で一気に抜かれてしまったんだけど、この集団は普段からこの辺りでトレーニングを繰り返していると思える感じだった。コーナーリングやスプリントの掛け方が慣れていて、ペースをよく分かっている走り方だったからね。あんな走り方は自分には真似できない。どんなに頑張っても、あのような連中と比較してしまうと、自分のはサイクリングレベルとしか言えない感じだな。まー、サイクリングを楽しんでいるわけで、これでいいんだけどね。

 
















2014年3月4日火曜日

アルミ vs カーボン S-WORKS ALLEZとS-WORKS TARMAC SL4 DAを比較すると

スペシャライズドの次のラインナップが気になった。これらを見比べてみると、シルエットはほとんど同じに見えるので、素材を変えた同じ形のバイクと言ってもいいのかな。
・S-WORKS ALLEZ アルミフレーム 価格:65万円
・S-WORKS TARMAC SL4 DA カーボンフレーム 価格:88万円

アルミフレームと言えば、エントリーモデルに多く見られる安価なフレームと思っていたのだが、このALLEZはとても安価とは言えない価格となっている。さすがにハイエンドモデルのカーボンフレームの価格を上回ることはないけれど、中級のカーボンモデルよりも価格は上なわけで、アルミフレームについて色々と考えさせられるようになった。

自分のバイクはCannondale synapse alloyというエントリーモデルで、普通のアルミフレームになるわけだけど、よくよく観察してみると、フレームのパイプの形状がなだらかな曲線となっていて、太さも場所によってそれぞれ工夫されており、うまく加工されている感じを受ける。パイプの繋ぎ目の溶接痕もそれなりに滑らかだし。アルミは固い金属なのに、ここまで自由に成形できるものなんだと毎回洗車する毎に感じていた。

カーボン繊維であれば、成形の自由度は金属よりも高いし、金属では難しい造形も可能なわけで、これこそがカーボンフレームの優位性だと思っていたのだけれど、アルミでも成形の自由度が高まってくるとカーボンフレームの性能に迫ることが可能だということなのかもしれない。

開発予算を惜しまずにアルミとカーボンを使って、どちらが性能の良いフレームを作ることができるようになるのかが気になる。まー、当然、フォークはどちらもカーボンになるはずなので、カーボン素材の良さは十分すぎるほど理解されているとは思うんだけれど、フレームそのものについては、技術革新によって、ひょっとしたら変わる要素が残されているのかもしれない。

技術の革新というのは、レースや一部のハイエンドモデルで培われるものだけというわけではないはず。大量に製造されているエントリーモデルの製造技術の革新によって、ハイエンドモデルが影響を受けることも十分にあり得るのではないかと思える。いつの間にか、大量生産品の性能がトップモデルと変わらなくなってしまって、トップモデルの価値観が性能だけでは維持できなくなってしまう事態が来るのかもしれない。

今のロードバイクの状況を考えてみると、エントリーモデルはアルミ、中級モデル以上はカーボンという棲み分けができているわけだけど、一部のカーボンフレームにはエントリーモデルに迫る勢いの価格設定もあるし、S-WORKS ALLEZのようにアルミフレームであっても上級モデルになるものも出てきている。このような状況では、アルミとカーボンのどちらが優勢になるのだろうか。

自分の考えとしては、エントリーモデルは今後もアルミフレームであり続けると思うし、エントリーモデルの影響力はかなり大きいと思われるので、この意味ではアルミの優位性がしばらく続くのではないかと思っている。アルミによる成形の自由度が上がってきていることも、しばらくエントリーモデルがアルミであり続けることの要因にもなるのではないだろうか。

同じように、ハイエンドモデルはカーボンフレームがしばらく続くことになると思う。ただし、エントリーモデルがカーボンフレームになるかと言えば、それはちょっと難しいような気がする。カーボンは軽量なフレームを作るのに適しているのであって、エントリーモデルに要求される頑丈さを求める場合には、価格が跳ね上がってしまうことが問題なのだと思う。重くて頑丈で高価なカーボンフレームなんて誰も欲しいと思わないだろうから、アルミフレームの代わりは務まらないのではないかと。10万円以下のカーボンフレーム完成車の登場は想像しにくい。10万円以下のアルミフレーム完成車なら今のラインナップにあるし、改良も年々進んできているんだけどね。

カーボンの性能が生かされるのはハイエンドのレース機材の中であって、その世界ではカーボンが絶対的な存在になるのは間違いない。どういった環境でどの素材が優れているのかといったことが重要になるんだろうなと思った。まー、アルミvsカーボンなんて色々と議論尽くされているのだろうから、今更自分が考えたところでどうにもなるものではないんだろうけれどね。

ママチャリで考えてみると、この世界ではアルミもカーボンも入り込む余地がほとんどなくて、スチールの優位性が際立つ結果となっている。確かに、使い方や耐久性などを考えれば考えるほどアルミやカーボンよりもスチールが一番いいと当然のように思えてくるから、頭の中で自然と自転車の区分けがなされていることに対して不思議なものを感じるな。素材の優位を判断するためには、自転車のどの範囲をカバーすべきかが重要であり、このことが直接的にリンクしているはずなのに、こういった根本的なことを忘れて考えてしまっていた気がする。

ママチャリを通勤で使用している自分の意見としても、ママチャリに求められる性能はアルミやカーボンでは実現が難しいのではないかと。アルミやカーボンでも耐久性の高いママチャリを作成できるのだろうけれど、スチールの頑丈さには敵わないだろう。コストを考えたら、とてもじゃないけれど普及のしようがない。ロードバイクの範囲では、アルミとカーボンがそれぞれ混在しているのが現在の状態と言えるのかもしれない。ママチャリのように、いずれはアルミかカーボンによる独占状態になっていくのだろうか。

ホイールを調べてみて思ったのは、カーボンとアルミがミックスとなるホイールの存在。シマノのデュラエースはアルミリムをカーボンでラッピングしているし、マヴィックのホイールもアルミリムとカーボンスポークを使い分けているので、フレームも同じように素材をミックスさせてみるのも悪くはないんじゃないかと思った。強度が必要な個所には金属のアルミ、剛性を落としても問題のないところはカーボンという形でね。パイプと繋ぎ目をカーボンとアルミにしていたフレームもあるけれど、もっと洗練された方法で素材をミックスさせれば、もっと良いものができそうな気もしなくもない。ただの素人のアイディアになるので、そんな簡単にできることではないはずだけど、期待をしてもいいのではないかと思った。