2014年3月4日火曜日

アルミ vs カーボン S-WORKS ALLEZとS-WORKS TARMAC SL4 DAを比較すると

スペシャライズドの次のラインナップが気になった。これらを見比べてみると、シルエットはほとんど同じに見えるので、素材を変えた同じ形のバイクと言ってもいいのかな。
・S-WORKS ALLEZ アルミフレーム 価格:65万円
・S-WORKS TARMAC SL4 DA カーボンフレーム 価格:88万円

アルミフレームと言えば、エントリーモデルに多く見られる安価なフレームと思っていたのだが、このALLEZはとても安価とは言えない価格となっている。さすがにハイエンドモデルのカーボンフレームの価格を上回ることはないけれど、中級のカーボンモデルよりも価格は上なわけで、アルミフレームについて色々と考えさせられるようになった。

自分のバイクはCannondale synapse alloyというエントリーモデルで、普通のアルミフレームになるわけだけど、よくよく観察してみると、フレームのパイプの形状がなだらかな曲線となっていて、太さも場所によってそれぞれ工夫されており、うまく加工されている感じを受ける。パイプの繋ぎ目の溶接痕もそれなりに滑らかだし。アルミは固い金属なのに、ここまで自由に成形できるものなんだと毎回洗車する毎に感じていた。

カーボン繊維であれば、成形の自由度は金属よりも高いし、金属では難しい造形も可能なわけで、これこそがカーボンフレームの優位性だと思っていたのだけれど、アルミでも成形の自由度が高まってくるとカーボンフレームの性能に迫ることが可能だということなのかもしれない。

開発予算を惜しまずにアルミとカーボンを使って、どちらが性能の良いフレームを作ることができるようになるのかが気になる。まー、当然、フォークはどちらもカーボンになるはずなので、カーボン素材の良さは十分すぎるほど理解されているとは思うんだけれど、フレームそのものについては、技術革新によって、ひょっとしたら変わる要素が残されているのかもしれない。

技術の革新というのは、レースや一部のハイエンドモデルで培われるものだけというわけではないはず。大量に製造されているエントリーモデルの製造技術の革新によって、ハイエンドモデルが影響を受けることも十分にあり得るのではないかと思える。いつの間にか、大量生産品の性能がトップモデルと変わらなくなってしまって、トップモデルの価値観が性能だけでは維持できなくなってしまう事態が来るのかもしれない。

今のロードバイクの状況を考えてみると、エントリーモデルはアルミ、中級モデル以上はカーボンという棲み分けができているわけだけど、一部のカーボンフレームにはエントリーモデルに迫る勢いの価格設定もあるし、S-WORKS ALLEZのようにアルミフレームであっても上級モデルになるものも出てきている。このような状況では、アルミとカーボンのどちらが優勢になるのだろうか。

自分の考えとしては、エントリーモデルは今後もアルミフレームであり続けると思うし、エントリーモデルの影響力はかなり大きいと思われるので、この意味ではアルミの優位性がしばらく続くのではないかと思っている。アルミによる成形の自由度が上がってきていることも、しばらくエントリーモデルがアルミであり続けることの要因にもなるのではないだろうか。

同じように、ハイエンドモデルはカーボンフレームがしばらく続くことになると思う。ただし、エントリーモデルがカーボンフレームになるかと言えば、それはちょっと難しいような気がする。カーボンは軽量なフレームを作るのに適しているのであって、エントリーモデルに要求される頑丈さを求める場合には、価格が跳ね上がってしまうことが問題なのだと思う。重くて頑丈で高価なカーボンフレームなんて誰も欲しいと思わないだろうから、アルミフレームの代わりは務まらないのではないかと。10万円以下のカーボンフレーム完成車の登場は想像しにくい。10万円以下のアルミフレーム完成車なら今のラインナップにあるし、改良も年々進んできているんだけどね。

カーボンの性能が生かされるのはハイエンドのレース機材の中であって、その世界ではカーボンが絶対的な存在になるのは間違いない。どういった環境でどの素材が優れているのかといったことが重要になるんだろうなと思った。まー、アルミvsカーボンなんて色々と議論尽くされているのだろうから、今更自分が考えたところでどうにもなるものではないんだろうけれどね。

ママチャリで考えてみると、この世界ではアルミもカーボンも入り込む余地がほとんどなくて、スチールの優位性が際立つ結果となっている。確かに、使い方や耐久性などを考えれば考えるほどアルミやカーボンよりもスチールが一番いいと当然のように思えてくるから、頭の中で自然と自転車の区分けがなされていることに対して不思議なものを感じるな。素材の優位を判断するためには、自転車のどの範囲をカバーすべきかが重要であり、このことが直接的にリンクしているはずなのに、こういった根本的なことを忘れて考えてしまっていた気がする。

ママチャリを通勤で使用している自分の意見としても、ママチャリに求められる性能はアルミやカーボンでは実現が難しいのではないかと。アルミやカーボンでも耐久性の高いママチャリを作成できるのだろうけれど、スチールの頑丈さには敵わないだろう。コストを考えたら、とてもじゃないけれど普及のしようがない。ロードバイクの範囲では、アルミとカーボンがそれぞれ混在しているのが現在の状態と言えるのかもしれない。ママチャリのように、いずれはアルミかカーボンによる独占状態になっていくのだろうか。

ホイールを調べてみて思ったのは、カーボンとアルミがミックスとなるホイールの存在。シマノのデュラエースはアルミリムをカーボンでラッピングしているし、マヴィックのホイールもアルミリムとカーボンスポークを使い分けているので、フレームも同じように素材をミックスさせてみるのも悪くはないんじゃないかと思った。強度が必要な個所には金属のアルミ、剛性を落としても問題のないところはカーボンという形でね。パイプと繋ぎ目をカーボンとアルミにしていたフレームもあるけれど、もっと洗練された方法で素材をミックスさせれば、もっと良いものができそうな気もしなくもない。ただの素人のアイディアになるので、そんな簡単にできることではないはずだけど、期待をしてもいいのではないかと思った。







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