2014年3月29日土曜日

ソニーHDR-AS15は宣伝通りに使えない

今日はこの時期にしては気温が20℃を超える陽気で、半袖でも十分なほどのコンディション。荒川サイクリングロードで吉見総合運動公園までを往復し、ソニーHDR-AS15を使って撮影し、動画編集をやってみようと思っていたのだが、ここにきて、ソニーHDR-AS15の駄作ぶりがあまりにも目につきすぎたため、その内容を取り上げてみたい。前回のブログで乾燥剤で解決と書いてしまったが、それは誤りだった。原因はウォータープルーフの保護ケースであることに間違いないが、カメラ本体の性能もどうかと思えるようなものがある。保護ケースに入れてしまうと、録画ボタンしか操作ができないのは大した問題ではない。撮影した動画が曇ってしまうことの方が100倍大きな問題だろう。使用条件はロードバイクの速度で平地や500m前後の峠で起こるものであり、気温や気圧が急激に変化するような悪条件ではない。

1 外気温が高くても低くても、保護ケースのレンズは曇る。
2 動画撮影やデータ保存でカメラは熱を発する。
3 カメラが発する熱は無視できるものではなく、10分前後の撮影で曇ることもある。
4 20秒~3分程度の撮影であれば、カメラが発する熱が少なくなるため、レンズが曇りにくい。
5 保護ケースに入れて長時間の撮影はレンズの曇りで失敗に終わる可能性が高い。
6 保護ケースの曇りは、カメラ本体が冷やされると自然に取れる。
7 10分以上の撮影を考えるのであれば、保護ケースはロードバイクでの撮影に向いていない。
8 スキーや水中などのハードな環境で保護ケースが曇ってしまうのは、ある程度理解ができるが、ロードバイクでの撮影程度で曇るのは致命的。
9 撮影した動画が曇ったものかどうかが分かるのは、自宅に戻ってからパソコンを確認して初めて分かるもの。ロードバイクでの撮影中には走行に夢中になっていることもあって、走行中はまず確認できない。
10 せっかく撮影した動画が曇ってしまっていた時の残念な気持ちは耐えられない。楽しかったサイクリングは自宅で最悪なものになる(これが一番の不満というか、怒りに変わるところ)。
11 カタログには保護ケースをロードバイクに固定して撮影しているかのようなカットが使われているが、果たしてこれでちゃんと曇らずに撮影できたのか疑問(一人のユーザーとして、曇った動画を撮影する自信があるし、曇らなかった場合は単にラッキーだったとしか考えていない)。
12 そもそも、何故、水中で撮影するわけでもないにもかかわらず、ウォータープルーフを必ず使うことを前提としているのが理解できない。一緒に梱包されている理由が意味不明。雨や水中で使用するわけでもないのに、保護ケースを無理やり使わそうとするのがおかしい。本体そのままで装着できるようになっていないのが、まったくもって納得できない。
13 カメラの発熱が保護ケースに籠ってしまうため、カメラ本体も熱の影響を受けている可能性がある(撮影ボタンを押しても反応しないことがあったし、液晶画面を確認して撮影が始まったことを確認したのに、撮影できていなかったこともよくある)。
14 保護ケースの曇りは、撮影を台無しにするだけでなく、ソニー製品全てに向けられることになる。社内で十分なテストをしないまま市場に出そうとする会社なのだろう。
15 Full HDやスローで撮影する時はカメラの発熱が高くなるため、より曇りやすい。これだけの性能がありますなんて宣伝しながら、その性能を生かそうとすればするほど曇りやすいなんて、購入する前にどうやって知りえるのだろうか。
16 カメラ本体の性能だけを見ると高度な機能と評価されてしまうようだが、ロードバイクで使用するためには、保護ケースに入れて使うことが前提となっており、保護ケースを使った条件で評価しなければならないはず。かなりの確率で曇ってしまうはずなのに、その評価がカタログに全く記載されていない。
17 比較の対象とされるGoproの場合、保護ケースが密閉型と開放型の両方が梱包されているため、きちんと使い分けが考慮されている。密閉型の保護ケースしか梱包していないソニーHDR-AS15とは大きく違う点だし、これこそがソニーがGoproを超えることのできない差だと強く感じた。開発者も会社もアクションカメラの専門家ではないことがはっきりする点になる。

今日は土手沿いの菜の花とからし菜が綺麗に咲いている状態で、これをずっと撮影していたはずだった。撮影時間は1時間半、帰り道では撮影するつもりがなかったのだが、何故か、撮影スイッチが入っていたようで、合計2時間近い動画になっていた。

撮影した動画は、行きの1時間半、帰りの30分、部屋の中での10分、合計3本となっていて、動画をPlayMemories Homeを起動させてパソコンにデータを取り込んでみると、2本で終了した形となっていて、行きの1本が取り込めなかった。取り込めた2本の動画を見てみると、吉見総合運動公園からの帰りで撮影された動画は画面が曇ってしまっている。途中で曇りが取れたようであるが、これほどの陽気の中で保護ケースのレンズが曇るとは完全に想定外。

それと、行きの1本目のデータを取り込めなかったPlayMemories Homeもはっきり言ってどうなの?復元とか一切やってくれないにしても、取り込めなかったデータがありますとか注意を喚起するようなメッセージは出てきてもいいんじゃないのか。このソフトはソニー製品ということでインストールしたのだが、データを取り込むときにしか使っていない。動画編集はMicrosoftのMoviemakerを使っていて、これで充分だと思っていたので、PlayMemories Homeを使うことはなかったのだが、ソニーの動画編集ソフトの性能についても、HDR-AS15と同様に不信感を抱かせてしまうな。

このカメラを使い始めるようになったのは今年の1月で、このときも曇りが発生してしまい、お菓子の乾燥剤を入れることでなんとか対応できていたので、これで問題は解決したものだと思っていたのだが、ソニーHDR-AS15はユーザーの工夫を簡単に足蹴にする性能を持っていたようだ。

今までソニーHDR-AS15をロードバイクのハンドルに固定して撮影してきたのだが、編集を楽にするために、撮影時間を短くして、短い動画を多く撮影するようにしていた。大体の撮影時間は20秒から3分程度。この程度の撮影の場合、保護ケースのレンズが曇ることはなかった。しかし、10分を超えるような動画を撮影する場合、乾燥剤を入れているにもかかわらず曇ってしまうことがあった。ただ、このときは曇ってしまう理由が冬の寒さによるものだと勘違いしていたため、こういう状態では仕方がないのかなと思っていたんだよな。

今日の陽気の中での保護ケースの曇りは、納得できるものではないし、今後も使い続けていく上で致命的であることを明確に理解できたよ。走行に夢中になるようなシチュエーション(速度の出る下り坂やハンドリングに気を使うような場所)では、10分前後の長時間撮影がどうしても必要になる。10分前後を長時間と言っていいのか迷うところだが、ソニーHDR-AS15を使うと曇る可能性が高い撮影時間なわけで、これがこのカメラでいう長時間になるはずだ。何回も言うが、曇る可能性があるカメラを使うことへのストレスは、趣味の楽しさを台無しにするのに十分な威力を発揮させるし、このカメラはその意味で大変な性能を持っていることを強調したい。

カメラの性能として、Wi-Fiや2時間以上バッテリーが持つといったことは、レンズが曇ってしまう可能性が高い限り、はっきり言って意味がない。長時間撮影したところで、曇った動画を見てもしょうがないのだから、撮影するだけ無駄。一番腹立たしいのは、この撮影を自分自身が楽しみにしていただけに、その曇った動画を見てしまうと、強い憤りを覚えるようになってしまうこと。ロードバイク使用時において、保護ケースのレンズの曇りはこのカメラの性能だということであれば、僅かながらも納得できるが、そんなことはカタログに一切書かれていない。

アクションカメラは機械としての性能だけではなく、使い勝手も含めた総合的な性能がなければ、比較する意味がない。手ブレ補正、Full HD、カールツァイスレンズ、映像バランスを評価したところで、レンズの曇りを撮影してしまうというのに、一体何の意味があるというのか。自分は、カタログの仕様表を見比べて、ソニーHDR-AS15を選んでしまったわけで、スペックだけを見て選んだことを後悔している。

新製品が出たこともあって割引されていたのも購入した理由になるが、簡単に曇ることが分かっていれば、そもそも購入候補に入ることはなかったし、買うこともなかっただろう。これほど重要な情報を隠していたわけだから、騙されたというのが正しい。曇るアクションカメラなんて使い道がないだろう、はっきり言って。曇りはアクションカメラの性能の全てを台無しにしているのは間違いない。

今は新型HDR-AS100vが登場していて、このカメラだと保護ケース無しで取り付け可能となっているのだが、今更こういったものを出されたところで、この自分の怒りが治まることはない。このシリーズはHDR-AS10から始まっていて、HDR-AS15であっても、それなりに改良する機会はあったはずなのに。HDR-AS100vの性能を売りにすればするほど、HDR-AS15を含めた以前の機種が駄作であることを認めているようなもの。

保護ケースの曇りは冬の時期は仕方のないものだと考えていたし、暖かくなれば乾燥剤無しでも普通に使えるようになると考えていた時期が懐かしくなる。今さら、Goproや他のカメラを買いなおす気力もないので、追加でスケルトンフレームを購入することになるが、雨や雪だったり水中での撮影をすることのない自分には、最初からウォータープルーフケースなんて必要がないんだよな。あくまで、ハンドルに固定するために使っているだけ。これしか使い道がないのに、この保護ケースのために撮影をことごとく邪魔された怒りは治まることがない。

例えるなら、仕事でワード文書が最後に保存されていなくて、最初からやり直すようなもの。ただし、ワードの場合、保存ボタンを押し忘れていたり、保存しないままパソコンを放置してしまったりするのが原因であって、こういうのは大体が自分のミスなので、自分を責めることにもなるが、やり直しそのものに気持ちが切れることはない。

ところが、こういうのが仕事ではなく、趣味の世界での状況だったら話が違ってくるし、自分の努力ではどうしようもない状態であれば、本当にストレスになるだけ。ロードバイクもアクションカメラも趣味で取り組んでいるからこそ、趣味の世界を邪魔された気持ちは分かってもらえるだろうか。HDR-AS100Vで改良されているなんて話は自分には関係のないこと。

"It's a sony"って今でも通用すると思った。HDR-AS15は紛れもないソニー製品なのだから、これが"It's a sony"ということになるのだろう。今でも高い技術があると思っているのであれば勝手にそう思っていればいい。アクションカメラを始めたばかりの自分のような素人ですら、納得させることのできない状況なのは確かなのだから。宣伝によって過大なイメージを売りにしているということであれば納得する。

このことを契機として、ソニーの戦略が大体見えてきた感じがする。技術が通じたのは一昔前の話で、今は技術だけでは通用していないことが明らかになっているし、宣伝でこれをカバーしているのだろう。電池やオーディオなどで高い技術を示しているけれど、高度な技術と使い勝手を融合させるのは苦手なようだ。それどころかまともな使用テストを行っていないのではないかと思える。

開発者はレンズの曇りを過小評価して上司を納得させたのだろうか。それとも、上司はこの状況を理解したうえでこのカメラを市場に出したのだろうか。どちらに責任があるにしても、駄作が市場に出回ったことは確かで、この被害を受けるのが自分のような素人ユーザーになるのだろうな。使ってすぐに曇ることが分かるはずなのに、開発者も上司も知らないまま、これほどまでにカタログで載せてしまうのは、要は意図的だったのではないかと思えなくもない。

スケルトンフレームで曇り問題が根本的に解決するはずだが、だからといって、これで今までのことを擁護する気にはなれない。最初からスケルトンフレームがラインナップになかったのは、スケルトンフレームにもなんらかの課題があるのだろうから。この程度の部品なんてやろうと思えば、簡単に作れるはずなのに、最初のラインナップでは曇り止めシートしか対策がなかったわけで、このスケルトンフレームの製造が曇りのクレームによるものだとしたら、それはそれで、ソニーは対応製品を出したとも言えるのだが、クレームがなければ何もしなかったのかと思えなくもない。

スケルトンフレームはカメラが剥き出しの状態になるため、カメラの故障が起きやすくなるのかもしれない。保護ケースに入れておけば、外界からのダメージを軽減できるようになるのだろうが、曇ってしまうようになるわけで、肝心な撮影データを犠牲にしてカメラを守ることを選択したということになるのだろう。何故、ウォータープルーフのような保護ケースが最初からついてくるのが理解できなかったのだが、カメラの保護を重視したのであれば、それなりに理解はできる。

しかし、アクションカメラで重要な点はカメラ本体ではなく、撮影する動画にあることに気付いていれば、最初からスケルトンフレームを標準装備にしていたはず。おそらくは、カメラを消耗品扱いにしきれなかったため、保護ケースを採用するようになったのではないだろうか。アクションカメラを長く使いたいと思うが、使い方を考えると消耗品と考えた方が自然。最低限の耐久性が必要だと思うが、撮影がアクション中であるわけだから、落としたり、踏んでしまったり、ぶつけたりするのは覚悟の上なんだよ。HDR-AS15は過剰な耐久性を売りにして、撮影動画を台無しにしてしまう性能だったわけだ。開発者が本質をどこに捉えていたのか気になるな。スキーや遠出で貴重な動画を撮影した人が、曇ってしまった動画を自宅で見た時のガッカリ感と不満は、自分のものとは比較にならないかも。

まー、カタログでロードバイクに使えるように写真を載せているのに、スケルトンフレームが後出しになるのは理解に苦しむ。自分はあくまで最初のカタログをみて判断したし、カタログの写真のとおり、保護ケースにカメラを入れて使っていたわけだから、宣伝を信じて買ったんだよ。これは誰にも否定することはできない。100歩譲って、自分の使い方が悪いのだとしたら、素人の自分に使いこなせないようなカメラを、カタログでさも簡単に使えるように見せる宣伝の方が悪いだろう。あのカタログの写真を見て購入を判断した人は多いと思うよ。疑い深い自分ですら、その宣伝に騙されたわけだからね。Goproのように開放型の保護ケースが最初から梱包されていない時点で、今の自分だったらこんなカメラを買うことはしない。初心者であれば購入対象になるのかもしれないが、仕方がないと諦める人よりも、レンズの曇りで後悔した人は多いはずだ。

スケルトンフレームがなかった当初は、ユーザーはどういった対応をとっていたのか気になる。自分だったら、カメラを投げつけたくなるし、壊したくなる衝動を抑えるために返品か売却をしていたのかも。正直、趣味で使う道具として、これは最悪の部類。気に入らないものなのに、使わざるを得ない状態というのもなんだかね。自分は物を大切に使いたいタイプなので、余程のことがない限り見切りをつけずに使うようにはしているのだが。こんな衝動に駆られるのは初めてだ。

物を買う際にはそれなりに下調べや同類の物と比較するし、たまに外れはあるにしても、仕方がないと思わせる程度の失敗であって、過剰な宣伝に騙されるようなことは今まではなかった。まさか、アクションカメラで曇ってしまうのが普通の状態だなんて思いもしなかったよ。これがソニーへの信頼があったから失敗の原因になるのかな。価格が高いか安いかが問題ではない。カタログだけでなく、一般的な使い方をしてこれほどまでに裏切られたのは今までの人生でもそうはない。

家電量販店で気軽に買える価格のアクションカメラであるにもかかわらず、ここまでユーザーを不満にさせるのは珍しいと思う。それと、このカメラをキッカケとして、ソニー製品を見る目が大きく変わってしまった。カタログのスペックだけでソニー製品を評価するのはダメということだな。カタログスペックは要注意ということになる。ここを消費者がみて購入する動機となるのだから。安心と信頼のソニーは自分の中では過去のものとなった。

ロードバイクでの撮影の楽しさを教えてくれたのがHDR-AS15であり、動画編集に際して使えそうなカットを選択していく楽しみを知ったのもHDR-AS15であり、苦労して撮影した動画が曇りでダメになることを教えてくれたのもHDR-AS15だった。こんな商品は他にないだろうな。






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