2014年3月19日水曜日

Mavic Fury shoes フーリーのインプレ

日曜日(3月16日)のロングライドは中間平までの往復で、走行距離114km、平均時速21.1kmとなった。中間平に初めて行ったのは、確か昨シーズンの冬だったと思う。初めて行ったときの登りの辛さは忘れることのない思い出になるし、中間平の峠道はちょうどよい指標になることもあって、今回のロングライドは色々と参考になると思って臨むところだった。

今回の装備はMavic cosmic carbone SLE、そしてシューズはMavic Fury。Cosmic carbone SLEについては、前回までのライドである程度感覚を掴めていたし、その前のLightning alpineホイールよりは重量が重くなったので、峠の上りは今までよりも負担が掛かるという認識を抱いていた。平地やちょっとしたアップダウンであれば問題はなく、Lightning alpineよりもよく転がって、スピードに載せやすいところが気に入っているのだが、中間平ほどの峠でどの程度の走行できるのかは気になっていた。ホイールの重量が増加したことで、今まで以上に体力を消耗させることになるのかなと。

Mavic Furyは形から入ったようなもので、ほぼ見た目で選んだシューズ。ロード用のSPD-SLでもないし、当初から使用しているシマノの初心者向けSPDシューズとそれほどの性能差があるなんて思っていなかった。MTB用のSPDになるのだから、気分的に良くなるだけであり、今のSPDシューズだってそんなに悪いものではないはずだと。

このシューズは高価な商品になるので、期待していたのはプラシーボ効果程度だったし、見た目以外は特に期待はしていなかったんだよね。速い人が履いていればそれだけカッコよく見えるシューズであって、自分がその恩恵を受けることはないと思っていた。ただ、ショップの店長さんにシューズの相談をした際に、Mavic FuryのレベルだとSPDといっても違うようなことを言われていたので、そうなんですかね、って思ってはいたんだよな。

ショップの店長さんにはシューズのサイズ合わせの際にも次のアドバイスをもらっていた。
①Furyには普通のモデルとMaxiモデルがある。
②シューズは立った状態で履き心地を確認するのではない。
③ペダルに置いた状態と立った状態では足のフィット感が異なる。
④店長さんの足は幅広になるが、それでもMaxiではなく普通のモデルで問題ない。
⑤シューズを履きこなしていくにつれて幅は拡がっていく。
⑥幅は拡がっていくが、爪先の形状は変わらないのでここがサイズ選びで重要になる。
⑦自分の足幅であればMaxiモデルではなく、普通のモデルで問題ない。
⑧このレベルのシューズになると足底が大変固く、入門用と異なる。

一応、それなりにシューズのことを調べていたつもりだったのだが、これだけのアドバイスをもらえたのは大きかった。この時はFuryがなかったので、Zxelliumでサイズを合わせてもらって購入することになった。ショップでのフィット具合は間違いなく自分の足に合うものだったからね。前提条件として、自分の足に合うものだったということは重要だな。

Mavic Furyは今回のロングライドで初のデビューとなり、その感想を並べてみると次のとおりとなる。
①踵を包み込む履き心地と足底の固さからくるシューズとの一体感がすごい。
②エルゴストラップによる足首の固定が絶妙。
③アンクリングが自然と改善される。
これは使ってみて、Furyは反則だなと思ってしまった。初心者用のSPDシューズとは完全に別物で、①と②はシューズを見てそうだろうなと予想はしていたけれど、③については想定外だった。

中間平の上り坂を今までよりも重いホイールで走ることになるわけだから、当然足への負担も大きくなるはずだった。登坂で足が辛くなってくるのはふくらはぎで、長い上り坂や斜度の強い坂になると、ふくらはぎにかなりのダメージが出てしまい、ギリギリのところで頑張ってみたところで、休憩していても回復はしにくい。何回か中間平を走っているわけだけど、ふくらはぎへの負担は決して小さいものではなかったし、今回もそれなりに覚悟はしていたつもりだったんだけどね。

アンクリングの改善については、良いペダリングをする上で欠かせない部分になるわけで、雑誌やネット等での情報を見ると、自分は下手くそであって、そこまでの境地に達するのにはまだまだなんだろうなと思っていた。そもそも、ペダリングで足首の動きを意識したところで、無意識で動いてしまうことが大きな問題になるわけだし、逆に意識をしてしまうと余計な力を使ってしまうところにも問題がある。あくまでアンクリングの改善は理想論だと思っていた。

ところがだ。Mavic Furyは足との一体感によって、特にエルゴストラップのおかげになるのだろうけれど、自然と良いペダリングができるようになっている。そう感じるようになったのは、中間平の上り坂でふくらはぎがギリギリの状態になるなんてことはなかったから。これは、つまりはアンクリングが改善されて、ペダリングが上手くいくようになったということになるんじゃないかと。ダンシングの際もそうだったけれど、ふくらはぎへの負担が今までよりも減少しているのを実感できたんだよね。

今までのSPDシューズはペダルに固定しているだけであって、足首はユルユル状態だったのだから、これが劇的に改善されたことによって、自然と良いペダリングができるようになってしまったと言えばいいのだろうか。というか、アンクリングの改善はシューズのサポートがなければ不可能なのではないかと思った。SPD-SLのZxelliumの方がペダリング全体に対してより一層の効果はあるのだろうけれど、アンクリングに関わる性能についてはFuryはZxelliumと形が同じわけだから遜色はないと思える。

初心者用のSPDシューズを最初に買った場合に、次のシューズに何を選ぶべきか迷っているのであれば、足首を固定できるハイエンドシューズをおススメしたい。SPDとSPD-SLが別物だということは誰でもわかると思うけれど、SPDのハイエンドモデルとSPD-SLのミドルモデルであれば、おそらく前者の方が性能は上になるのではないだろうか。SPD-SLであろうが、スピードプレイであろうが、ペダリングを上手くサポートできないシューズだと性能を発揮しているとは言いにくいと思った。

正直、Mavic Furyは見た目で選んだわけであって、これほどの効果があるとは予想できなかったし、こんなに良いものだったのかと感心させられてしまった。少なくとも、アンクリングがどういうものかということを考えた場合、このシューズ以下のものだとふくらはぎへの負担が大きくなると思えるので、もう自分にはFuryしか選択の余地はないのかもしれない。これを知っちゃうと、もう戻ることはできないな。重要なのは自分のようなシリアスではない乗り方であっても、効果は絶大ということに尽きる。このシューズは上級者向けというものではなく、誰が履いてもその効果は分かるのではないかと思った。

今までのパーツ交換での効果の序列を考えてみると、
スプロケ大型化=Furyシューズ>楕円リング=ホイール軽量化
といったところか。いや、今までで一番の効果と言えるのかもしれないな。だって110kmのロングライドで峠を走ってみて、今回ほどふくらはぎの負担が減少したのは初めてのことだったからね。スプロケを12-28tから12-30tにした際に白石峠の傾斜を攻略できた時は、スプロケが一番だろうなと思っていたのだが、このシューズの性能もそれに近い感覚になるんだよな。

ペダリングが改善したことで、Q-ringsとの相性も良い方向に改善されているような気もする。Cosmic carbone SLEとの相性もいいし。ペダリングが良くなったことで、巡航時のふくらはぎへの負担も間違いなく減っているはずだし、スプリントを掛けた時の反応も抜群にいい。MTB用のFuryでこの性能があるのだからZxelliumはもっとすごいのだろうか。

初心者用のSPDシューズと比べて悪かった点は、少し歩きにくくなったということだけ。靴底が固いのが原因だと思うけれど、もともと歩くためのシューズでもないのだから、これはこれで納得はできている。ロードバイクのパーツ交換については色々と情報を集めることができると思うけれど、シューズについては不思議なことにそれほどのインプレはまだないんだよな。クリートが付けばどれも一緒だと思われているのかもしれない。

それにしても、良いペダリングをするためには、ペダルにシューズを固定するだけではダメで、シューズのサポートが不可欠だったとはね。Mavic Furyを買ったからこそ理解できたことだし、今までのシューズを使い続けていたら、ずっと分からないままだったのかもしれない。Cosmic carbone SLEを購入した勢いでついでに買ってしまったシューズなわけだけど、このシューズは一番のお気に入りになりそうな予感。もしも、一つしかパーツを選べない状態になったとしたら、迷うことなくこのシューズを選ぶだろう。それだけ重要なパーツだな、シューズってやつは。

後でショップの店長さんに話を聞いてみると、やはりシューズは一番重要なパーツになるとのことで、今まで使っていた初心者用のSPDシューズはそういうものだったということになるようだ。Furyはカーボンソールを使っていることも重要で、自分の足にフィットしていることも重要らしい。どうやらFuryは自分にとって当たりとなるシューズだったようだ。

 























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