2016年1月24日日曜日

グラファイトデザインの事業休止のニュースをみて

グラファイトデザインの事業休止が発表されたので考えさせられたことを書いてみようかと思う。
http://cycle.gd-inc.co.jp/information/3557.html

グラファイトデザインのことは、2012年の夏にロードバイクを始める以前から知っていた。多くのプロゴルファーがここのシャフトを使用しているのだが、タイガーウッズが使っていたということが最大の宣伝であったような気がする。今はどうなのか分からないけれど。

ゴルフのシャフトと同じようにロードバイクのフレームも作っているのだろうかと思ったし、フレームの価格設定が目を引いていたような感じだったね。シャフトと同様の信頼性のおけるフレームだという認識はあった。

チームや選手の要望を受けて、グラファイトデザインはフレーム作りを進めていったのだろうし、その見た目もオーソドックスなロードバイクといったところで、玄人にも受けが良いのではないだろうか。しなりを生かした性能を全面的に押し出していたことで、様々な評価があったのだろうけどね。

グラファイトデザインは、日本のチームに機材を供給して知名度を上げていくことで、ロードバイクの世界へ進出していたわけだけど、今回のニュースを見る限り、あまり上手くいっていなかったということだったのだろう。

ロードバイクが売れ筋となるかどうかは、グラファイトデザイン自身が一番知っていたはずなのにと思う。シャフトが初心者や一般ゴルファーの目に止まるようになったのは、日本のプロゴルファーが使っているのではなく、世界一のタイガーウッズが使っていたということに尽きる。ロードバイクではそれが出来なかったということなのだろう。

ゴルフの世界だとタイガーウッズの話で営業ができたのだろうけど、ロードバイクでは厳しかったんだろうね。過去の有名選手によって勝利を重ねてきたコルナゴやピナレロのようなブランドと同じ土俵で勝負をかけるようなものだろうな。

フレーム価格が40万を超えていたのも、こういったトップブランドを意識していたような気がする。後になって廉価版のフレームを出してきたけど、焼石に水のような状態だったのかもね。自転車の売り上げ資料をみたことがあるけど、売れ筋商品は高額モデルではなくて、エントリーモデルが中心だから、これが売れないと厳しいだろうな。

トップ選手が自分の気に入った機材を自由に使えるのであれば、そこにグラファイトデザインが入り込む余地はあったのかもしれないが、まー、大手ブランドがトップチームと選手に売り込みをかけるので、相当難しかったんだろうね。

ロードバイクのフレームを見る限り、カーボン製品は台湾や中国がスタンダードであり、ロードバイクユーザーには知られていない下請けとなる製造メーカーが沢山あるわけで、カーボン製品を製造しているメーカーを知っている人なんて限られているし、こういった製品メーカーがロードバイクのメーカーとして一般的な認可を得られるケースというのは、ジャイアントとメリダぐらいで、トップブラントとしての資金的な体力がないと表に出てくるのは厳しいのではないだろうか。

ジャイアントもメリダは巨大な会社であるわけだけど、会社として全世界での営業やチームへの機材供給を続けてきて、ようやくトップブランドとしての成長してきたわけで、やはり、こういった形で続けていくことでブランドとして認知されていくのだろうと思った。

グラファイトデザインも同じようなことを考えていたのだろうけど、会社として全面的に表に出過ぎたことがマイナスになってしまったのだろうと思う。どこかのブランドあるいはメーカーとの技術提携あるいは、OEMとして続けていれば、少しは違った未来があったのかもしれない。

数年前と比べて、ロードバイクの人気は高くなっている時期に、こういったニュースを見るとロードバイクメーカーの競争も熾烈だなとつくづく思った。

個人的には、ゴルフのシャフトの値段の高さは異常だと思っている。使うカーボンの量も少ないし、形状も普通の棒のようだし、ロードバイクのフレームと比べて複雑な組み合わせがあるようにも見えない。グラファイトデザインとしては、40万のフレーム価格はゴルフのシャフトの延長上にあったのではないかと思えるぐらい。

ゴルフのシャフトは粗利の大きい分野であり、ここに中国や台湾のカーボンメーカーが参入して来たら、どうなるのだろうと思ったね。








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