2021年12月27日月曜日

今の時期にロードバイクを買うべきか?(価格の高騰、UCI規格によるフレームの見直しなど)

新型コロナウイルス感染症の影響により、世界経済がこれまでになかった状況に陥っている現在、ロードバイクも価格の高騰に見舞われている。

今年の前半に、楽観的予想で貿易が回復しているかのような見解を示していた学者や研究者の意見は何だったんだ?というレベル。ガソリン価格を含めて、大きな変動要因を抱えた状態が続いていることは明白。

一部の湯沸かし器は、パーツが輸入できなくなっているとも聞く。自動車の生産にも支障をきたす事態になりつつあるようだ。

シマノのパーツも例外ではなく、工場の稼働停止の影響により、品不足に拍車がかかってきている模様。ショップによると105のペダルを今注文しても、入荷するのは7月と言われているらしい。店に並んでいる商品は、いつでも補充可能というわけではないようだ。

スペシャライズドの価格見直しは、ショップに寄せられているようで、1万円のタイヤは1~2割程度の価格が上がる見込みとのこと。完成車の価格も見直しの対象になっているらしい。タイヤですら値上りになるのだから、全てのパーツが値上りすることになるのだろう。

各メーカーの工場が停止しているだけでなく、輸送に使用されるコンテナの単価が上昇していることもあって、これまでのような輸入コストとは別次元になっていることも影響しているようだ。

緊急事態宣言などで遠出ができなくなったこともあって、身近にできる運動ということでロードバイクの人気が上昇してきているとのことも品不足に拍車をかけているのかもしれない。

一部のロードバイクモデルの注文では、2023年以降とも言われたとの話もある。店長によると、昔のオーダーフレームのように、注文してから手元に届くまでに日数を要する事態らしい。

価格の高騰は、今だけの話になるのか?少し待てば、経済が回復して、価格も戻るのではないか?自分は経済の専門家ではないが、素人的に考えられるのは次の事項

(1)新型コロナの影響以前も、ロードバイクの価格は年々上昇していた。

(2)ディスクブレーキ化によって、ロードバイクの価格は、より高価なものに。

(3)米中関係を見る限り、中国製で低コスト化を実現する見込みは薄い。

(4)現地工場の正常稼働もしくは別の生産国での工場の稼働は1年以上先。

まー、総合的に考えれば、価格の高騰はしばらく続く。経済回復がいつの時期になるかという課題に応えられる人はいないと思う。楽観的に捉えるか、悲観的に捉えるかで、どの時期に回復するとしか言えないだろう。

普通に考えれば、ここまでネガティブな条件が揃ってしまうのであれば、今の時期にロードバイクを買う必要性は低い。日常生活に必要な物資に注視すべきで、趣味にコストをかける時期ではない。

UCI規格のフレームの見直しも、今の時期に買うべきではないという判断になる。エアロフレームについては、これまでになかった形状で開発が進むだろうし、現状の形状は過去のものになってしまうのは明白。

こういう背景がある中で、自分はロードバイクの購入に踏み切った。しかも、ハイエンドモデルとも言えるような代物に手を出すことになった。

UCI規格の見直しで、今のフレームは過去のものになるし、価格が高騰している現時点で、何故、購入に踏み切ることになったのかは以下の理由による。

(1)欲しいのはエンデュランス系のロードバイク

今後もレースに出るつもりはないし、出るとしてもイベントもしくは草レースで、転倒の危険があるような走行するつもりはない。レースポジションに拘ってタイムや重量を気にしてしまうと、自転車の楽しみが無くなる気がするのが大きな理由で、レースをするためにロードバイクを買うつもりはない。レースで生計を立てていないし、アマチュアレースに参加する意欲があるわけでもない。自分はレースに参加する立場ではなく、観戦する立場。サイクリングロード、林道、全国各地の観光場所を走行してみたいというのが自分の欲求。ゆるポタ(ちょっと速い程度)の健康的な走りを求めているわけで、自分に合っているのはエンデュランス系のロードバイクというのが分かっている。最初の1台目からそうだったわけだし。ただ、ある程度の走りの軽快さが欲しいので、グラベルバイクにするつもりはない。

(2)新たなUCIフレームは高価なものになる(素人的な考え)

新たなUCIに合わせたフレーム形状がどのようになるのか気になるところだけど、予想されているのはTTバイクの要素が追加されていくのではないかということ。TTバイクのような形状になっていくのは理解できる。ただし、初期開発コストが上乗せされることになるし、本来TTバイクは高価な部類なわけで、創成期の新たなフレーム完成車の価格が安くなるはずがない。1年目は試行錯誤のような出来栄えになるだろうし、各メーカーが競うことで最適解の形状が出来上がるのだろうけど、完成までには数年待つ必要があると思う。

(3)UCIレースと関係性の低いグラベルバイクのフレーム形状は今後も大きく変化しない(素人的な考え)

一方で、グラベルバイクは変更が加わるとしても、UCIルールの影響は少ないと思える。2022年モデルのスペシャライズドCruxを見る限り、オーソドックスな形状を踏襲しているのが分かるし、奇抜な形状が求められているわけでもなさそう。UCIルール変更となるこのタイミングで、こういった形状のフレームを出すくらいなのだから、素材やコンポーネントは進化していくのだろうけど、フレーム形状については、これが一つの最適解とメーカーは考えているのではないだろうか。

(4)シマノのデュラエースとアルテグラが今年モデルチェンジしたばかり

コンポーネントが刷新されたばかりなわけで、数年はこの仕様が標準になることを考えると、1年2年待ったところで、変化はないと思われる。シマノのパーツの供給不足が深刻化すると、需要と相まって、来年以降の価格に影響が生じるのではないかと考えてしまう。

(5)2年待っても、価格は低下しないという判断(素人的な考え)

正直なところ、ショップの店長に現状を聞くまでは、そんなことないだろ?という感じだった。パーツを注文すれば、1~2週間もあれば店に届くことになると思っていたし、店頭に並んでいる2022年モデルの完成車を見る限り、品不足になっているとは思えなかったから。ただ、ネットを調べてみると、コロナ禍による影響で、今年の初めの頃から品不足を指摘している自転車屋が幾つか出てくる。1年待つという選択肢もあったけど、1年後の価格を考えてみると、価格が安くなる予測もある一方で、価格が上昇する可能性もある。個人の見解になるけど、1年後のロードバイク価格は全体的に上昇しているのではないかと予想。

(6)今の店舗に在庫している物を買った方がお買い得(素人的な考え)

たまたま、ショップの壁に飾られていたフレームが自分の身長に適合するもので、ショップのオリジナル完成車として販売できるという説明を聞くことになったのがきっかけ。スペシャライズド・ルーベ2022モデル(アルテグラDi2完成車¥90万円)と比較しても、遜色のない価格帯。Di2を外したくなかったので、旧モデルの11速Di2で組んでもらうとどうなのか、12速アルテグラDi2はどうなのか?といったことを相談してみると、答えは出たも同然という状況だった。

冷静に考えると、自転車に100万円以上も支出するのは馬鹿げていると思う。自転車で生計を立てているわけでもないし、レースをしているわけでもない。既にロードバイクを所有している中で増車する理由も見つけにくいんだよね、普通に考えると。

ただ、生涯の趣味としてのロードバイクの魅力、ストレス発散や健康管理としての機材という視点で見ると、この3台目のロードバイクが自分の中では集大成であり、最後のロードバイクになると思うと、中途半端なものでいいのか?という議論が自分の中で沸き起こるんだよな。

結局、100万円がどういう価値を持つのかということに行き着く。リムブレーキでは不満だったブレーキ性能は油圧ディスクで満足できるし、サテライトスイッチを含めてDi2は外せない選択肢。コンポーネントが刷新されたばかりなので、この規格は数年で大きく変わることはない。6年前のディスクブレーキ創成期の完成車(Tarmac SL5 disc)の価格が98万円だったことを考えても、自分が欲しいと思う理想的なバイクの価格は簡単に値下がりしないというのが分かり切っているわけで、コロナ禍による価格上昇が見込まれる現在のことを考えてみると、購入に踏み切ることになった。

まー、今の時期にロードバイクを買う判断は正常ではないと思う。気分的な勢いを整理してみただけであって、本当は様子見した方がいいに決まっていると思うから。来年以降の価格の値上げを考慮すると、今の時期の購入で値上げ分は損することはないだろうという素人的な判断にすぎないんだよな。

それにしても、油圧ディスクブレーキDi2の低価格化はいつになったら実現するのだろうか。

 


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