2014年12月27日土曜日

変速したくなるのはどのタイミングか?

今日のサイクリングは物見山までのライドで荒川サイクリングロード、比企サイクリングロードを経由しての往復。走行距離は67.49km、走行時間は2時間57分、平均速度は22.80km/hだった。行きは向かい風、帰りは追い風といった状況で、ひたすら平地巡航をしていく感じ。

今さらながら、3年目にして気付いたというか、変速したくなるタイミングというのは、「勾配に合わせて変速する」というのは当然のことだけど、「脚の疲れを分散させるために変速する」ということが重要だと思い知った。疲れが出てこない早めの変速が重要で、疲れ切った後の変速では意味がない。

シフトチェンジを繰り返して、軽く回すことで踏み脚を休ませ、踏み脚を使うことで回転運動を休ませる、これの繰り返しがサイクリングロードではものすごく有効。今日の向かい風もなかなかのものだったけれど、一昨日の葛西臨海公園からの帰りの距離60km弱の向かい風(走行時間約3時間)では特にこういったメリハリが効いたと思っている。シフトチェンジの目安はケイデンスで、言ってみればケイデンスのメリハリをつけることで脚の疲れを分散することができると言えるのかも。

ケイデンスを90にして走行するのが合理的と言われているし、自分もそのとおりだと理解しているわけだが、サイクリングロードでケイデンスを90にして走るのが快適かと言われたらそうではないのかも。というのは、一定のケイデンスを維持して5分も走っていられないのが理由で、サイクリングロードのように起伏がほとんどないルートであっても、脚の使い方、走行速度、風向きなどの条件は常に変化しているわけで、90を意識していても、自然とケイデンスが80に落ちて行ったり、115にまで上がっていくようになってきてしまうんだよね。

自分の場合は、ケイデンスを90に維持するためのシフトチェンジではなくて、80~115といった幅を持たせるためのシフトチェンジといったところだな。ケイデンスが上がってきたらシフトアップ、下がってきたらシフトダウン、この操作を繰り返すことになる。ケイデンスを見ながらシフトチェンジをすることになるのだが、その逆もあって、わざとシフトチェンジをすることで脚の疲れを分散させていくこともある。1分間隔でシフトチェンジを繰り返すこともあるし、状況によっては数分になることもある。

ちょっと負荷を上げたトレーニングとして、程よい速さで走行したいと思えば、自分の場合はケイデンスは100ぐらいがちょうどいい感じになる。気付かないうちに115まで上がってしまうので、そういったところをシフトチェンジで調整していく感じ。

ケイデンスを100にして心地が良いのは、シフトアップの際に落ちるケイデンスが90に治まるのが大きいかと思う。ケイデンスを90にしていたら、シフトアップ時にケイデンスは80になるだろうから、せっかくのペダリングが少し重くなってしまう感じがするんだよね。まー、シフトチェンジをしないのであればケイデンスは90でちょうどいいんだけど、メリハリのないペダリングは続く感じがしない。

なんでこんなことを考えるようになったかと言えば、電動アルテグラを導入する予定ってのが理由で、電動だったらこのタイミングで変速を繰り返すんだろうな~って感じで走行していたから。向かい風もそうだし、追い風の時もそうなんだけど、しばらく変速はしなくてもいい時もあるんだけど、一定の感覚で脚を回していると、どうしても疲れが出てくるし、疲れが出てきた時にはすぐに変速をしたくなるのだけれど、ワイヤーのティアグラだとシフトチェンジを面倒だと感じてしまう。

ちょっとの疲れだったら変速によってすぐに回復するのだけれど、少し重たい疲れになってしまうとその回復もかなり時間をとられる。シフトチェンジを事前にしておくことで、疲れを予防することもできそうな感じがしている。それと加速の際のシフトチェンジの重要性を意識しているのも理由になるのかな。

ロードバイクで加速をする際は、シフトアップが正しいと思うのだが、車やバイクで加速する場合は普通はシフトダウンなんだよな。トルクをかけるんじゃなくて、回転を上げていくことでスムーズな加速につながるわけだが、ロードバイクの場合は実際どうなんだろうかと考えてみたりする。ケイデンス80~90で流している時に加速していく場合、シフトダウンをしないにしても最初はケイデンスを上げていき、ケイデンスが110ぐらいになったらシフトアップ、一旦ケイデンスが落ちて、速度とケイデンスを上げていったら、さらにシフトアップというイメージ。やはり回転系を重視した方が良い感じがしてきた。

サイクリングロードでのメリハリの話を繰り返してしまうが、ロードバイクは加速運動の繰り返しが基本ということに繋がるのだと思う。例え平地巡航で一定の速度で走っている場合であっても、脚の疲れ、風や路面の僅かな勾配などで、減速する要因に見舞われることが繰り返され、それを補うために加速をして一定の速度を維持していくイメージ。当たり前と言えば当たり前なんだけど、電動アルテグラを検討するまでは、これほどシフトチェンジを意識していなかった。

自分が変速したくなるタイミングを考えてみれば見るほど、電動シフトがその手助けをしてくれるような気がしてきた。













2014年12月25日木曜日

電動アルテグラ11速を導入することに

先週、ショップに電動アルテグラの注文をお願いした。コンポの乗せ換えは1月上旬の予定で、今回のアップグレードによって、シフトフィーリングの不満はかなり解消されるものと期待している。クランクもアルテグラにしようかどうか悩んでいたのだが、ショップからFSA SL-Kクランクがありますよということだったのでこれに決定。

フレームはsynapse alloy 2012で、これに電動アルテグラ、FSA SL-Kクランク、Mavic cosmic carbone SLEホイールが組み込まれることになる。CAAD10完成車の電動アルテグラのような組み合わせと言ってもいいのかもしれない。まさか、エントリーモデルのバイクにこれほどのパーツを組み合わせるようになるとは思っていなかった。。。

10速電動アルテグラが割安になっているということだったので、当初は10速アルテグラでもいいと思っていた。自分のバイクは10速のティアグラなわけで、パーツ交換が必要最小限になるし、電動シフトさえ導入できればそれで十分だったんだけど、11速電動アルテグラとの価格差を検討してみると、それほど割安ということではなく、逆に11速電動アルテグラの優位性に目が行ってしまったとしか言いようがない。

もともとは電動アルテグラを導入するつもりはなく、本来は2台目のカーボンフレームの購入を検討していたはずだった。カーボンフレーム選び、これは本当に難しいと言うか、簡単に結論が出てこない。自分の使用用途とフレームの性能、価格や満足度(デザイン、耐久性、所有欲を満たすかどうか等)を考えれば考えるほど、迷宮入りしてしまう状態。

そんな中でWilier GTRでほぼ決まりだったんだけど、ドグマF8とスーパーシックスの試乗によって電動シフトの良さを知ってしまい、フレーム選びではなく、コンポのグレードアップを考えるようになってしまった。フレームは色々あって物凄く悩まされるのだが、電動シフトの場合は最安という条件を設定すれば、アルテグラの一択のみ。信頼性、使い勝手、性能を見ても不満はない。どのフレームを選んだとしてもコンポは電動しか考えられなくなってしまった。電動シフトを試乗しなければ、こんなことにはならなかったのに。。。

それと、電動アルテグラの完成車価格を考えてしまうと、完成車ごとの購入をそう簡単に決断できる金額ではないことも理由の一つ。結局、電動シフトの導入を考えてみると、完成車で購入した方が割安なのは確かなんだけど、総額で考えてしまうと高すぎるのが問題。エントリーモデルやミドルグレードの完成車に電動アルテグラが存在していれば、購入の視野に入っていたのかもしれないのだけど、そんな完成車は存在しないんだよな。だったらコンポだけの購入でいいやという結論になった。後から2台目のフレームを導入したとしても、移し替えすればいいわけだし。

電動であれば10速よりも、やっぱり11速を選んだ方がと良いと思えるのも大きい。電動は自然とシフト操作が増えていくので、変速段数が多い方が走行時のシチュエーションに柔軟に対応できるだろうし、変速回数が増加しても手の負担はほとんどないと言っていいくらい。むしろ、12速、13速が電動で出てくるようになると、ワイヤー式との差がさらに拡がっていくような気がする。上ハンでもシフト操作ができるようになるのも長所で、ワイヤー式だと上ハンで変速できないのは仕方がないと思っていただけに、この機能だけでも十分に価値があると思った。スプリンタースイッチは自分には縁のないものなので取り付けすることは今後もなさそうだけどね。。。

電動アルテグラの導入で迷っていたのはWilier GTRのデュラMix完成車。これはワイヤーのデュラが装備されている完成車になるので、割安でデュラエースの性能を手に入れることができるかと思う。「電動アルテグラ」か「ワイヤー式デュラエース」か、これで悩む人も多いのではないだろうか。価格が近いこともあって、自分もこれで結構悩むことになったのだが、決め手になったのは自分の試乗体験だった。やはりネットや雑誌のインプレよりも自分の直感で決めた方がいいだろうし、可能であればどちらも試乗をしてからの方がいい。

カンパニョーロであってもシマノであっても、電動シフトはワイヤーとは明らかに別物。電動アルテグラは電動シフトのラインナップの中では一番安いモデルになるのだけれど、だからといってワイヤーと比較できるかと言ったら、それは別々にして比較した方がいいんじゃないのと思うぐらい。電動シフト同士の比較なら適切にできるだろうけど、電動とワイヤーを比較するのはちょっと違うだろうなと。ブレーキレバーも電動とワイヤーでは構造が異なるので、これも比較する対象ではないだろうと思う。いくらワイヤー式デュラが優れていても、構造からくる電動のブレーキレバーの軽さとブレーキタッチ感覚は近づくことはあっても同じにはならないだろうから。

ワイヤー式で一番なのはデュラエースで間違いないと思う。ただし、自分の中ではワイヤー式であれば、ママチャリに装着されているグリップシフトが一番操作しやすいというのが正直な感想。ママチャリのグリップシフトを侮ってはいけないと思う。当初は、クロスバイクで見かける指でカチカチするシフトの方がいいなと思っていて、グリップシフトはちょっと、、という感じだったんだけど、毎日の通勤で慣れてくると、もうこれじゃないとダメというか、他に変わりはあるのかと言った感じになる。指の操作よりも手首を軽く動かす方が自分には合っているみたい。夏も冬も、手袋をしていても、どんな状況であっても、操作感は変わらず、ちょいとグリップを捻るだけ。

グリップシフトがロードバイクに装着できるかどうかは置いておくとして、あれだけ自在にシフトできるのはワイヤー式では他にないと思う。多段シフトも簡単だし、感覚を掴めば一段階変速も自由自在に操作できる。グリップシフトに慣れちゃうと、自分のバイクのティアグラのシフトは何でこんなに面倒なんだって感じになってしまうぐらいによく出来てる。グリップシフトの操作感と比較できるくらいに簡単になったのが電動シフトという位置づけになるのかも。

チェーンやスプロケの変速性能がどうのこうのっていうのではなく、単純に手のシフト操作をアップグレードしたいわけで、それを考えると自分の中では「電動アルテグラ>ワイヤー式デュラ」になるんだよな。本当は、電動105、電動ティアグラが欲しいんだけど、今のラインナップにはそれらがないので諦めるしかない。エントリーモデルの快適さに電動シフトの快適さを加えたかっただけなので、アルテグラより下のグレードでも電動シフトであれば十分に満足できる性能になるのではないかと思っている。シマノには電動シフトを広く普及させるために頑張ってほしい。

まー、エントリーモデルのアルミフレームの性能をどこまで高めることができるのかを今回のアップグレードで確認できると思うので、これで満足することになるのか、それともフレームの購入が視野に入ってくるのか、その時はその時で悩むことになりそうだ。ただ、synapse alloyのフレーム性能は乗り続けていけばいくほど、不思議と自分を満足させてくれてしまうんだよね。高級コンポと高級ホイールにエントリーモデルのフレームという組み合わせになるんだけど、意外とこれに嵌まってしまっている。

白黒のマットブラックのデザイン、乗り心地、楽なポジション、高い耐久性、どれも好みなんだよなー。synapse alloyに乗り続けたいから電動アルテグラを載せようと考えたわけだし、ホイールも試乗会で意外とマッチすることが分かったから購入に至った経緯がある。案外、このバイクが自分に一番合っているものになるということか。高級バイクの試乗後にsynapse alloyを乗っても、そんなに悪くないというか、乗り心地が良いと思って自分のバイクに満足してしまうほど、synapse alloyは良くできてると思う。エントリーモデルで、ここまでパーツを交換したくなるバイクになるとは当初は想像していなかったんだけど、ここまでやるようになってしまった。。。






葛西臨海公園へのサイクリング

今日は荒川サイクリングロードで葛西臨海公園まで行ってみた。走行距離は117.4km、走行時間は5時間17分、平均速度は22.16km/h。葛西臨海公園に初めて行ったのは一年目の秋で、100kmロングライドへの初挑戦だったのを思い出す。当時は下流に向かう往路では追い風が気持ちよかったんだけど、復路の向かい風に心も身体も疲労感でいっぱいだったんだよな。

今日の天気でも北風が吹いていたわけだけど、出発時はそれほどの強い風ではなかったので復路の向かい風もなんとかなるだろうと思っていた。葛西臨海公園に着くまではやや追い風で順調に到着したのだが、休憩後は北風が強くなってきたようだった。平日ということもあって、土日と比べたら人はほとんどいない状況。

3年目の今では何回もロングライドをやっているし、それなりに脚力を付けてきていると思っているのだけれど、さすがに復路60km弱がずっと向かい風という状況というのはメンタルに響いてくる。荒川の下流には行くべきではなかったのかもといった後悔の念が多少出てくる状態で23km/h前後の速度で走行することを心掛けることにした。

今回の同行者となるロードバイク歴1年目のパートナーの脚力に合わせていくつもりだったのだが、60代前後と思われる夫婦からトレインの誘いがあったので、渡りに船という感じで一緒にトレインを組むことに。1kmごとに先頭をローテーションということになっていて、自分が先頭を交代することになって後ろに戻ろうとすると、老夫婦の奥さんが既に脱落していて、自分のパートナーも脱落寸前。トレインの誘いはありがたかったけど、ちょっと無理のある速度だとこういうのは難しい。その後はパートナーと二人で淡々と走行していく感じになった。

それにしても、あの老夫婦の乗っていたバイクはどちらも良い値段になるだろう。どちらも電動アルテグラだったし、フレームはサーベロ。ああいった良いバイクでサイクリングをした方が楽しそうな印象を受ける。自分もいずれは良いバイクを買う日が来るのかもしれないな。

今回のライドで自分の脚力と体力がそれなりに向上していることを実感できたので、日頃の食事の効果が出ていることを改めて考えるようになった。サイクリング時は補給ドリンクだけでなく、冬でも塩分タブレットも欠かさないようにしているし、毎日のように蜜柑と煮干を食べているのも効果が出ている気がしている。疲れが残りにくくなったし、身体が寒さや暑さに耐えられるようになったのはクエン酸とカルシウム、カリウムなどを日常から補充するようにしているからだろう。

久しぶりの葛西臨海公園も悪くはないと思った。帰りの向かい風は修行のような走行になるけれど、逆に言えば、これを耐え忍ぶ体力と精神力が身に付くとポジティブに考えた方がいいのかもしれない。2~3%の勾配がずっと続く感覚なわけだから良いトレーニングになるんだよな。









2014年12月15日月曜日

2台目最有力候補はwilier gran turismo R

価格、性能、所有欲、これらの項目をバランスよく満たすロードバイクを探すのは簡単なことではない。探せば探すほど良いモデルを知ることになるのだが、冷静になって考えると迷うケースがほとんど。性能は良いんだけど価格が問題だったり、デザインの好みが出てきてしまうことになり、決め手に欠けてしまうものが多い。まー、それだけ自分の注文が細かすぎるということか。

そんな中で、最有力候補になったロードバイクは何かというと、Wilier Gran Turismo R。フレーム価格は21万円、105完成車は26万円、アルテグラ完成車は29.3万円、デュラエースMix完成車は37.3万円。フレーム価格も手頃といえるのだけれど、完成車で購入した方が圧倒的にお得。




自分の狙いはデュラエースMix完成車。これはチェーンとスプロケがアルテグラらしい。この組み合わせで十分満足できそうだし、価格が40万円以下っていうのは他を探しても見つかりそうもない(通販を除く)。究極的な軽さを求めているわけではないけれど、ブレーキタッチはデュラエースのシフトとブレーキをセットで使った方が良いのは間違いないし、これらのパーツだけでもデュラエースに変えておく価値はありそう。最初から完成車でミックスされているのは得点が高いよ。

アルテグラモデルも105モデルも十分魅力的になるのだが、2台目のロードバイクに求めているのは絶対的な所有欲と性能であって、ハイエンドまでは行かないにしても、それなりのパーツを装着させたくなってくる。GTRよりも上のモデルの方が性能は良いのは間違いないはずだけど、そこまで価格になってしまうと、使い倒す消耗品として扱えなくなってきそうだし、これぐらいがちょうどいいんだろうな。

GTRの実物をショップで何回も見てきているのだが、グラフィックとデザインの全体的な格好良さは他のブランドのバイクと比べて劣るものとはなっていない。何回か見続けていくたびに気に入ってきたのはホワイトカラーのフレーム。蛍光色のロゴとホワイトカラーがよく合っているんだよな。そういえば他のバイクで白地に赤というデザインは割と普通に見かけるんだけど、蛍光色はあまり見かけないなと思う。

電動シフトの良さを知るまでは、このバイクで決まりのようなものだった。電動シフトを知ってしまうと、機械式デュラエースであったとしても電動シフトがずっと気になってしまうだろうから、ワイヤーに限って言えば、GTRが所有欲を満たすということになってしまうことになるのだろうか。



2014年12月13日土曜日

電動シフトのメリットは「変速回数が自然に増加すること」

電動シフトのメリットは、「変速回数が自然に増加すること」であり、これは非常に重要だと思った。自分は電動シフトを否定していたわけではないけれど、ワイヤーで十分だと思っていたし、物欲の対象になるものではないと思っていただけに、このメリットは想定外だった。

ピナレロドグマの電動スーパーレコード、キャノンデールスーパーシックスの電動アルテグラを試乗してみて思ったのは、ボタンを押して変速を繰り返すようになっていたこと。試すような変速というわけではなく、路面の状況や脚の状況に合わせて細目に変速していく感じで、自然と無理のないギアを使っていくようになる。試乗は実際の路上の方が分かりやすいし、普段も走る街中のルートであれば、変速回数の変化に気づくと思う。店内でのローラーや狭いスペースでの試乗だと、シフトレバーのクリック感覚でしか比較できないのかもしれない。

電動シフトは、少し脚に負担が出てきたなと思ったらすぐに変速していく感じ。ワイヤーだとちょっと様子を見ながら変速していく感じで、変速せずに一気にいっちゃえと思うようなシチュエーションなんだけど、電動だとそれがない。街中での試乗だったので、路面の悪いところだったり、ゆるやかな勾配が出てくる場面があるわけだが、いつも通りの乗り方だとおそらくほとんど変速せずに走行していたかと思えるような普通の道路で、こういった細かい変速を自然とするようになるとは想像できなかった。

路面状況に合わせて細目に変速していくのは、ロードバイクの基本的なことになるし、実際、自分もそのとおりにやっているつもりだったんだけど、電動シフトの試乗によってそれがまだまだ不十分だったということに気付く。電動シフトは、そのシフト感覚によって細目に変えていきたくなる何かがある。ボタン形式によるクリック感覚、スムーズなギア変速、こういったもののバランスがとれて、「変速回数が自然と増加すること」に繋がるのだろう。これって、脚を休ませることに直結することになるから重要な事柄になるのは間違いない。

やはり、ワイヤーによるレバーを押し倒す変速というのは、ボタンと比べてしまうと非効率ということになってしまうのだろうか。ネットや雑誌での先入観と試乗したことによる自分の感覚の違いに戸惑うな。シフト操作が簡単になるというのが電動シフトの長所になるのはそのとおりなんだけど、「自然とシフト操作が多くなり、路面の状況に合った変速を繰り返すようになる」というのが電動シフトの最大の売りになるのではないだろうか。電動シフトは上級者よりも自分のような初級者に合っているような気がしなくもない。「変速回数が自然と増加すること」は何気に凄いことだと思うようになった。

2台目のバイクを考えて、色々と情報を集めているのだが、今のバイクにも電動シフトを載せることはできるのだろうかと考えてしまう。Synapse alloyとcosmic carbone SLEの組み合わせは、2つの短所(重量が重い、高速下りでの安定感に欠ける)を除けば、乗り心地はいいし、平地での巡航やちょっとしたアップダウン、峠での走行では特に大きな不満はない。この2つの短所も、重量についてはトレーニングになるし、下りは速度を落とせばいい話になるので、素直に受け止めることができている。ロングライドや峠でこの装備で困ったこともないし、ハイエンドバイクに試乗した後にもかかわらず、自分のバイクに乗ってみて意外とSynapse alloyの良さを実感できるんだよな。。。

2台目の電動シフトは当然として、今のバイクにも電動を搭載したくなる。考えてみればシフトレバーって重要なパーツになるんだよな。ブレーキタッチだけでなく、変速回数にも影響してくるので、ロードバイクを楽しく操っていく上では、手の感覚になじむ方が良いに決まっている。身体の感覚に直結する部分になるので、ここは良いパーツを使いたくなってくるのは当然なのかも。。。ティアグラでもいいやと思っていたし、アルテグラやデュラエースは上級グレードのロードバイクでなければ意味がないと思っていたんだけど、今の自分のバイクに取り付けたくなってしまった。電動シフトによって、指先の負担を減らせすことがこれほど快適だったとは。






Pinarello dogma f8を試乗

今日はピナレロドグマF8を試乗してみた。コンポは電動カンパニョーロ、ホイールはレーシングゼロ、タイヤはビットリアで、総額は100万円を超えるバイク。ビンディングは自分のMavic furyに合わせてもらい、SPDペダルを装着してもらうことになった。

試乗で感じたことは、これが最高級のバイクなんだなと実感できたことに尽きる。スピードメーターがないので実際の速度は分からないけれど、明らかに速度は出しやすいし、軽量にもかからわず走行安定感が抜群。シフトレバーも指に絡みやすいし、クランクの軽さもなんとなく分かる。スーパーレコードはやっぱりスゲーと思った。フレームの剛性や足に来る硬さというのはよく分からなかったけれど、乗りにくいなんてことはなく、慣れれば問題はなさそうで、全てが好印象。もうさ、最高級のバイクに乗れただけで満足してしまった。頂点に君臨するバイクに乗ってしまえば、ミドルグレードやエントリーモデルの違いを理解しやすくなりそうな感じ。これでネットや雑誌のインプレから勝手に妄想していた先入観から抜け出せたのかも。

その後、続けてショップの試乗車のスーパーシックス電動アルテグラを試乗することにしてみた。やはりスーパーシックスは良いフレームで、ドグマに乗った後にもかかわらず、残念な気持ちになることはなかったのはさすが。アルテグラクラスでも、ここまでハイエンドに迫ることができるということになるのだろう。




2台目のロードバイクとしてカーボンフレームのバイクを調べるようになってきてからは、仕事帰りにショップへ寄ることが多くなっていた。店員さんの話を聞くだけでなく、実物をみながら、それなりの知見を集めることにしていたのだが、カーボンフレームのグレードとしてどういったものを選ぶべきか、ミドルグレードがいいのか、もう少し背伸びをしてハイエンドにした方がいいのか、非常に悩ましいということが大きな課題。

ロードバイク乗りの人からは、「2台目のロードバイクを選ぶのであれば、それなりのグレードを選んだ方が後悔はしない」といったアドバイスを受けていて、そのとおりだと思う一方で、どこまで上のグレードを選べばいいのだろうかと考えていた中で、ドグマF8の試乗車が目に留まるようになったのが試乗の動機。

さすがに2台目の購入候補としてドグマが入ることはないのだが、店員さんに聞いてみると、近いうちに試乗車はショップからなくなるとのことだったので、今のうちに試乗をしておかなければと考えての試乗になったわけだけど、この経験は大きいと思った。上のモデルを知ることは重要だね、本当に。ネットや雑誌などのインプレで思い描くイメージではなく、自分自身の体験以上のインプレはないだろうから。

ブランドが異なってしまうが、ハイエンドモデルと、アルテグラモデルの違いが少しわかってきたような気がする。今回の試乗によって、自分の中で一つの結論として出てきたのは、自分にはアルテグラモデルでも十分すぎるということになるのだろうか。そして、新たな課題となったのが電動シフトの良さを体感してしまったこと。

電動シフトがこれほどストレスフリーになってしまうとは思っていなかったな。今のティアグラでもシフトに不満はなかったので、電動シフトはそもそも頭に入っていなかったんだけど、これは欲しくなる。試乗したのは15分程度で、街中を走行するシチュエーション。ママチャリやロングライドの帰り道に使っているような道路で、いつも通りに走行しているつもりだったんだけど、変速回数が頻繁になっていることに気付く。

電動シフトって簡単に操作できるから、走行に合わせてすぐに変速をしたくなっちゃうんだよな。これが効率の良さに繋がっていく感じはする。ワイヤーだと変速が面倒くさいと感じて、踏み脚を強くしてしまうのとは対照的。こういうのはロングライドでじわじわと効果が出てくるだろう。変速回数が電動とワイヤーだとかなり違う気がするし、これが電動シフトの長所になるのだろう。今のエントリーモデルのアルミフレームに可能であれば装着したいぐらい。







2014年12月9日火曜日

shimano wh9000 dura ace c24を試乗

シマノデュラエース9000c24を試乗した感想は「迷わずに最初にこれを買っておけば良かったな。。。」ということ。まー、1年目はどのホイールにすればいいのか分からない状態だったわけで、自分の実力もそれほどではなかったし、イメージする主な走行ルートがなかったからしょうがない。

当時はホイールで10万もするのかよ、って感じだったし、安価かつ軽量なLightning alpineでいいんじゃないのと思って、Lightning alpineを購入したのだが、ここにきて性能差をこれほどまでに実感させられるとは。synapse alloyと同価格のデュラエースを買っておけば良かったんだな。

今日のルートは雀川上雲線で、一昨日もここをLightning alpineで走っていたんだよね。もうさ、登りだけでなく、平地の加速、速度の維持、ペダリングのしやすさ、どれをとっても自分好み。タイヤはコンチネンタルを初めて経験したのだけれど、これも転がりとグリップがちょうどいい感じ。コンチネンタルのタイヤも欲しくなってきた。

ネットや雑誌でのc24のインプレでは、優等生だったり、良いんだけど特徴がないなんて書かれているので、面白さがないのかなと思っていたんだけど、そんなことは全くなかった。優等生とか、万能なんてインプレじゃなくて、これがベストってことになるんじゃないの?アルミのクリンチャーで言えば、これが良い基準になるだろうし、価格を見るとこれを上回るホイールを探すのは難しいような気がする。これ以上のものを求めるなら、カーボンかディープリムといった用途を分けた使い方のできるホイールを選ぶしかない。

そういえば、乗り味として硬いとか柔らかいなんてことは一切思わなかったな。しっかり感はcosmic carbon sleと似た感じで、自分のペダリングに合っているのと、エアロが結構効いているということならよく実感できたんだけどね。本当、これで必要十分という感じになる。アルテグラやrs81を考えているなら、一気にデュラエースにしちゃった方が幸せな気がする。






2014年12月7日日曜日

林道雀川上雲線を走る

今日は林道雀川上雲線へ向かうことに。走行距離は85.0km、平均速度は20.8km/hとなった。久しぶりに走る場所になるんだけど、やはりこの林道は走っていて楽しい。自宅からの往復で100km未満、それなりの登坂と稜線沿いのような景観を楽しめるところがいいと思った。

標高はそれほど高くはないので気負う必要はないが、登り応えのある傾斜、状態の良い路面、交通量がほとんどない、といった点は気に入っている。自分の場合、雀川ダムから登り、ときがわ役場の方へ下っていくルートで走行することになる。このルートでの下り坂は走りやすくてリズム感のある勾配が続くため、本当に気持ちよく下っていけるんだよな。

逆回りのルートで走行しているロードバイクは見かけるけれど、自分のように雀川ダムから回ってくるのは少ないのだろうか。雀川ダムから登った方が稜線沿いのように走行できるし、アップダウンを楽しめるからおススメだと思う。

1年目に初めてこのルートに連れて行ってもらったときは、結構キツイ傾斜だと感じたのだけど、それは今回も同様で、やはりこのルートは簡単に登らせてくれるわけではないということか。冬装備の重ね着、寒さによる動きの鈍さ、こういったことも影響してくると考えられるので、これからの季節はこのルートぐらいがちょうどいいのかもしれない。

寒さを目の前にしてしまうと、早朝に出発する気合もなくなるし、遅い午後ではなく昼頃には帰宅したくなってくる。そうすると、雀川上雲線は自走で行けるちょうどいいルートになるんだよな。白石峠や奥武蔵グリーライン級になると、登坂で汗を多量にかくことになるし、その状態で下りをするのは風邪をひきに行くようなものだろうから。

それにしても、林道雀川上雲線はあまり知られていないというか、もう少し人気があってもいいような気がする。色々なルートをそれなりに経験してきているけれど、雀川上雲線の走りやすさと楽しさは印象に残るんだよな。


2014年12月6日土曜日

彩湖のエンデューロを観戦


今日は彩湖で行われる大手ショップのエンデューロを観戦。自宅からの自走で走行距離は45.9km、平均速度は17.4km/hとなった。このくらいの距離がなんでもないと思えるようになってしまったと考えるべきなのかも。

このイベントは一昨年も観戦したのだが、この時は天候が曇りであまりよくなく、寒い北風が身体に応えたような記憶が残っていて、エンデューロを見るというよりも、試乗車とアウトレットを見るのが中心だった。デュラエース9000の試乗車を乗った後、帰りの自分のロードバイクの性能に落胆させられたんだよな。。。

今回は天気が良いこともあって、かなりの人が集まっていたようだ。エンデューロそのものに参加する人も多いし、観戦者もそれなりに多い。メーカーの出店も充実していて、買い物を楽しむこともできるので、色々と楽しめる感じ。それにしても、試乗車のレベルが高すぎ。コルナゴフェラーリ、ピナレロドグマ、他にも色々とあったけれど、これだけのハイエンドモデルに試乗できる機会はあまりないだろうな。

試乗コースが狭いので本来の性能を引き出す走りは難しそうだと思う。でも、それなりにハイエンドモデルの良さを実感できるようになるので、これはこれでアリだろう。自分は一昨年のこともあったので、試乗しないことにした。まー、買う気がない状態で試乗してもしょうがない。

試乗車のハイエンドが気になっただけでなく、来場者の高級バイクが結構目につく感じがしたな。みんな良いバイク乗っているんだなーって感じ。ホイールもそうだし、費用が幾ら掛かっているのか、自分の知識でなんとなく割り出せてしまうのだが、50万を超えているようなバイクが少なくない。もちろん実際にはエントリーモデルも多いはずなんだけどね。

コスプレも結構見かけたのだが、こういう面でもロードバイクは人気になっているのだろうか。若い女の子も結構見かけたので、老若男女を問わず人気が広がっている感じがしなくもない。

ブリヂストンアンカーの選手が会場に来ているのを見かけたんだよな。最初はアンカーのジャージを着ている参加者かと思ってたんだけど、ショップの店員がスナップを撮っていたので、おそらく現役の選手。2人で来ていたようで、練習の途中で立ち寄ったのかもしれない。バイクを見てみると、アンカーのハイエンドのフレームだったんだけど、意外だったのはホイール。デュラエースなんかではなく、それよりもっと下のグレードっぽい。アルミの練習用ホイールになるのだろう。この組み合わせがますます本物の選手なのだろうなと思わせる。身体や日焼けの状態から見てもちょっと違って見えたからね。

今日の収穫は、ロードバイク愛好家はどんなバイクに乗っているのかということを確認できたことに尽きる。2台目としてハイエンドのバイクとホイールを考えているのだけれど、今回のイベントで色々なバイクと乗り手を見てしまうと、そんなに拘る必要はないような気がしてきた。ミドルグレードでも充分な感じがするし、ハイエンドって案外持っている人達が多い印象だったんだよね。自分のそういった中の一人にそのうちなるのだろうか。それと、アンカーの選手のバイク装備を見る限り、そこまで拘らなくてもいいような気がしなくもない。フレームはハイエンドだとしても、ホイールはそこそこで問題ないのだろうな。でも、自分の場合、ただでさえ機材に頼ってしまっているのだから、高級機材への魅力に抵抗するのは難しいので、堂々巡りになってしまうな。









2014年12月3日水曜日

canyon Ultimate CF SLX

カーボンフレーム、コンポはアルテグラ、ホイールも少し良い奴で。。。こんな感じで2台目となるロードバイクを探しているのだが、やはりcanyonのバイクは候補として外す理由がなくなってしまう。円高であろうが円安であろうが、いつの時代であってもロードバイクのほとんどが輸入品になるので、同時期の他のブランドと比べてみても、価格の安さは一つ飛び抜けている感じ。

安かろう悪かろうなんてことは当てはまらないだろうな。プロチームに機材を供給しているメーカーになるのだし、その工場から直接届けられるのであれば、工場の職人の腕は信頼できると思える。

それにしても、キシリウムSLRが標準装備でこの価格とは。。。


欲しいと思うアクションカメラ

どこをどんな感じでサイクリングをしてきたのか、映像の記録をアクションカメラで行うようになってくると、今までのブログの文章やスマートフォンの画像だけでは物足りなくなってくる。アクションカメラの長所は走行中に気軽に撮影が可能な点であり、自分の視点に近い場所での画像が記録として残るところも大きい。
 
色々なメーカーからアクションカメラが登場してきていて、どれもそれぞれ特色を持っているので、サイクリングの記録を残したいと考えているのであれば、アクションカメラの使用をおススメしたい。ただし、実際の使い勝手や動画の編集作業は壁にぶつかるケースもあると思われるので、そういったことにもチャレンジしていく気持ちがあった方がいいのかも。まー、あくまで家電量販品のようなものだから、最初から完璧なものを求めるというのではなく、年々改良されていくと考えた方がいいのかもしれない。
 
バッテリー持続時間、撮影時間、撮影コマ数、撮影画素数など要素は、新しい製品が出るたびに改良されていくことになり、より綺麗な映像を撮影することができるようになるので、新しい製品の動向が気になってくるのだが、現在使用しているアクションカメラがダメになっているわけではないので、今のところは買い替えをすることはない。ただ、落としたりぶつけたりして、急に壊すこともあるので、いつでも買い替えができるように、最新の情報をそれなりに集めていたりする。
 
より綺麗な画像を求めているのかと言えば、そうとも言えるのだけれど、アクションカメラを使うようになって思ったのは、今まで考えられなかった視点による撮影をしてみたいという欲求が自分に芽生えてきたこと。ただのアクションカメラでは飽き足らなくなってきてしまっている。
 
自分ではたどり着けない場所で撮影が可能となるアクションカメラとして何かあるのかと考えていたところに、Youtubeの動画広告で知ることになったのが、parrotのminidrones。これほどのサイズで空撮もできるし、走り回ることもできるなんて、もう撮影場所を選ばない究極のアクションカメラになるのではないだろうか。ラジコンとしても楽しむことができるのも大きいが、自分としてはminidronesによって色々な視点で撮影ができるのが大きな魅力になる。
 
色々なブログで〇〇峠や〇〇山を登ってきたというのを見てみると、撮影ポイントが大方決まってくるようになるし、その構図も大体が似たようなものになってきてしまう印象があるのだが、ここを新しい視点で撮影したいと考えた場合にminidronesのようなアクションカメラが一歩先を行くのではないだろうか。
 
普通に欲しくなる玩具なのに、これほどまでにロードバイクに絡ませて使用することを想定するのは自分くらいしかいないのかもしれないな。。。でも、旅先でちょっとした全体像を撮影したいと考える場合、上空からの撮影というのは非常に魅力があるというか、どんな風景に見えるんだろうって好奇心が強くなるんだよな。
 

 

2014年12月1日月曜日

ホイールの空力の違いをどういう場面で体感しているのかというと。。。

Mavic cosmic carbone SLEを購入してからは、ほとんどこのホイールでサイクリングをしていたわけで、平地や峠を普通に走行するようになっていた。この前に使っていたのは、lightning alpineという軽量のローハイトのホイールで、ディープリムに切り替えた時の当時の印象として、走行安定感がよくなったということを記憶している。lightning alpineが安定感にかけるということではなく、ディープリムの方がスパッとした感じでまっすぐ走る感じが印象的だった。

久しぶりにlightning alpineに履き替えて、ここ最近のサイクリングを楽しんでいるわけだが、今感じているのは、やはりCosmic carbone SLEの方が空力に優れているのではないかということ。ただし、どの程度の違いになるのかと言えば、次のような感じになる。

平地で無風だと思いながら走行するも、25km/hの速度で風の壁を感じるようなシチュエーションを想像してみてほしい。少し草木がなびいている程度で、止まっていれば風があるのか分かりにくい微風の状況では、走行してみると案外向かい風の抵抗があったりするんだけど、これがCosmic carbone SLEだと壁を少し突き抜けるイメージがあって、lightning alpineになるとフワフワした感じで風にぶつかっていくイメージ。

ブラケットポジションと下ハンドルポジションほどの差があるわけではないけれど、感覚としてはこのぐらいの違いになるのかな。ホイールの空力の違いは向かい風の影響をどのくらい抑えられるのかということになるのではないだろうか。全面投影面積の違いはディープリムであってもローハイトであっても、それほど違いはないはずだけど、ホイールの回転が巻き起こす風はそれほど無視できないのではないかと、素人ながらに感じている。

というのは、部屋でスタンドに載せたロードバイクのホイールを回してみると、lightning alpineは極端に言ってしまうと扇風機のように周りに風を引き起こすことになり、近くに置いてあるビニールのレジ袋を動かすことができるほどだったのだけれど、Cosmic carbone SLEはそれがほとんどなかったことに驚いた。レジ袋をかなり近づけてみて、なおかつ相当回転を上げてみて、ようやく反応する感じ。明らかにlightning alpineとは別物。ホイールの回転によって風を巻き起こすエネルギーが無駄に消費されていくのだろうと感じた出来事だった。

次に向かい風と体感風速の影響を考えてみたい。風速1m/sというのは時速に換算すると3.6km/hになるので、25km/hの速度で走る場合の相対的な風速は6.94m/sとなる。風速が7m/s近くになると、結構な風だと感じるようになるし、25km/hの速度というのはそういった向かい風の中を走る感覚になるのだろうか。35km/hの速度になると9.72m/sの風速となり、天気予報で言うと強風に近い部類。

ディープリムの効果については、ネットや雑誌などで「35km/h以上の速度でなければ、その効果を体感するのは難しい。体感できる人達はトップレベルの実力を持つものであって、普通の一般人の実力では体感できない。」と言われている。ここで考えておきたいのは、無風状態の35km/hと同じ向かい風はどのような条件になるかということ。単純に(向かい風の速度)+(走行速度)=(無風状態の35km/h)と考えてみると

風速  1m/sの場合は、走行速度 31.4km/h
風速  3m/sの場合は、走行速度 24.2km/h
風速  5m/sの場合は、走行速度 17.0km/h
風速  7m/sの場合は、走行速度   9.8km/h
風速  9m/sの場合は、走行速度   2.6km/h
風速11m/sの場合は、走行速度  -4.6km/h

実際は風速10m/s以上の日に走行することはないし、この単純計算もどうなのかと考えてしまうのだけれども、風速7m/sの状況は冬のサイクリングロードで実際に体験しているし、本当に10km/hの速度を出すのが困難なこともあったので、それほどの見当違いといった計算でもないかと思える。向かい風の状況によっては、遅い速度であっても35km/hを出しているのとほぼ同じ条件になることを考えると、「ディープリム=35km/h以上の速度でなければ効果がない」というのは少し捉え方を考え直してもいいのではないかと思える。風洞施設でのテストって、要は向かい風を発生させての試験になるのだから、速度というよりも向かい風対策になるのだろう。

では、どのくらいの風速の影響をディープリムは相殺できるのかということを考えてみたい。風速0.3m/s(1ノット)の微風は、走行中には体感しにくいレベルで、先に書いたとおり一瞬無風かと思ってしまうような状況になるかと思う。0.3m/sの風速を時速に換算すると1.08km/hであって、サイコンの表示を見てすぐわかるだけでなく、1km/hの速度域の変化は体感で感じられるということになるはず。

しかしながら、自分の体験としては、ディープリムで簡単に速度を1km/h上げることができるわけではなかったので、実際の感覚としては0.5km/h以下のレベルで速度が向上している程度。そう考えてみると、風速0.1m/sの向かい風程度であれば、これをディープリムは打ち消すことができるのではないかというのが結論。

数値にしてみれば、風速0.1m/s程度の向かい風にしか効果がないのかと思ってみたりもするのだが、身体で感じる風の感覚ではなく、向かい風の中を突き進むエネルギーの消費という観点からみた身体の疲れという点においては、この風速0.1m/sというのは案外無視できない状況になると思える。ホイールを空転させたときに、ディープリムであればレジ袋を近くに置いても風で吹き飛ばすことがないほど、無駄なエネルギーの消費を抑えるだけでなく、向かい風の中での抵抗も抑えることができるのが、ホイールの空力としての違いになるのだろう。

ホイールの効果については、回転運動による影響だったり、リムやハブへの重量配分の問題をキッチリ計算していくのは大変らしくて、理論的な結論を出すのが難しいようなので、今回の自分の考えが理論に当てはまらないのかもしれないけれど、部屋でホイールを空転させた時に直感した扇風機としての役割は素人ながら無視できるものではないだろうなというのが率直な意見。速度を上げれば上げるほど、扇風機効果も大きくなるわけで、巻き起こす風が抵抗になってしまっているのではないかと思えなくもない。ホイール周辺は乱流が発生しているのではないかと勝手に妄想しているんだけど、ホイールの空転による扇風機効果の比較実験を誰かにやってほしいと思った。

Cosmic carbone SLEは良いホイールだし、lightning alpineも同じように良いホイール。性格が大きく異なるホイールを所有しているわけだけど、どっちかに不満があるわけではなく、両方を使って満足している状況。両極端なホイールを使っているにもかかわらず、その差は案外許容範囲になってしまうんだよな。正直、剛性だとか、反応性がどうだとか、かかりが良いといったことをホイールに求めているわけでなく、扇風機効果としての違いや、ある程度の軽量化が重要になるのかなと思った。

lightning alpineの凄さは、cosmic carbone SLEから履き替えても、不満がそれほど出ないところになるし、cosmic carbone SLEの凄さは、ペア重量1300gのlightning alpineの軽量ホイールよりも重量があるはずなのに、その重さを感じさせないところ。速度的には区別できるほどの数値が表れるわけではないけれど、微妙に体感できる違いというのが、空力特性ということになるのかな。