電動シフトのメリットは、「変速回数が自然に増加すること」であり、これは非常に重要だと思った。自分は電動シフトを否定していたわけではないけれど、ワイヤーで十分だと思っていたし、物欲の対象になるものではないと思っていただけに、このメリットは想定外だった。
ピナレロドグマの電動スーパーレコード、キャノンデールスーパーシックスの電動アルテグラを試乗してみて思ったのは、ボタンを押して変速を繰り返すようになっていたこと。試すような変速というわけではなく、路面の状況や脚の状況に合わせて細目に変速していく感じで、自然と無理のないギアを使っていくようになる。試乗は実際の路上の方が分かりやすいし、普段も走る街中のルートであれば、変速回数の変化に気づくと思う。店内でのローラーや狭いスペースでの試乗だと、シフトレバーのクリック感覚でしか比較できないのかもしれない。
電動シフトは、少し脚に負担が出てきたなと思ったらすぐに変速していく感じ。ワイヤーだとちょっと様子を見ながら変速していく感じで、変速せずに一気にいっちゃえと思うようなシチュエーションなんだけど、電動だとそれがない。街中での試乗だったので、路面の悪いところだったり、ゆるやかな勾配が出てくる場面があるわけだが、いつも通りの乗り方だとおそらくほとんど変速せずに走行していたかと思えるような普通の道路で、こういった細かい変速を自然とするようになるとは想像できなかった。
路面状況に合わせて細目に変速していくのは、ロードバイクの基本的なことになるし、実際、自分もそのとおりにやっているつもりだったんだけど、電動シフトの試乗によってそれがまだまだ不十分だったということに気付く。電動シフトは、そのシフト感覚によって細目に変えていきたくなる何かがある。ボタン形式によるクリック感覚、スムーズなギア変速、こういったもののバランスがとれて、「変速回数が自然と増加すること」に繋がるのだろう。これって、脚を休ませることに直結することになるから重要な事柄になるのは間違いない。
やはり、ワイヤーによるレバーを押し倒す変速というのは、ボタンと比べてしまうと非効率ということになってしまうのだろうか。ネットや雑誌での先入観と試乗したことによる自分の感覚の違いに戸惑うな。シフト操作が簡単になるというのが電動シフトの長所になるのはそのとおりなんだけど、「自然とシフト操作が多くなり、路面の状況に合った変速を繰り返すようになる」というのが電動シフトの最大の売りになるのではないだろうか。電動シフトは上級者よりも自分のような初級者に合っているような気がしなくもない。「変速回数が自然と増加すること」は何気に凄いことだと思うようになった。
2台目のバイクを考えて、色々と情報を集めているのだが、今のバイクにも電動シフトを載せることはできるのだろうかと考えてしまう。Synapse alloyとcosmic carbone SLEの組み合わせは、2つの短所(重量が重い、高速下りでの安定感に欠ける)を除けば、乗り心地はいいし、平地での巡航やちょっとしたアップダウン、峠での走行では特に大きな不満はない。この2つの短所も、重量についてはトレーニングになるし、下りは速度を落とせばいい話になるので、素直に受け止めることができている。ロングライドや峠でこの装備で困ったこともないし、ハイエンドバイクに試乗した後にもかかわらず、自分のバイクに乗ってみて意外とSynapse alloyの良さを実感できるんだよな。。。
2台目の電動シフトは当然として、今のバイクにも電動を搭載したくなる。考えてみればシフトレバーって重要なパーツになるんだよな。ブレーキタッチだけでなく、変速回数にも影響してくるので、ロードバイクを楽しく操っていく上では、手の感覚になじむ方が良いに決まっている。身体の感覚に直結する部分になるので、ここは良いパーツを使いたくなってくるのは当然なのかも。。。ティアグラでもいいやと思っていたし、アルテグラやデュラエースは上級グレードのロードバイクでなければ意味がないと思っていたんだけど、今の自分のバイクに取り付けたくなってしまった。電動シフトによって、指先の負担を減らせすことがこれほど快適だったとは。
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