2014年12月1日月曜日

ホイールの空力の違いをどういう場面で体感しているのかというと。。。

Mavic cosmic carbone SLEを購入してからは、ほとんどこのホイールでサイクリングをしていたわけで、平地や峠を普通に走行するようになっていた。この前に使っていたのは、lightning alpineという軽量のローハイトのホイールで、ディープリムに切り替えた時の当時の印象として、走行安定感がよくなったということを記憶している。lightning alpineが安定感にかけるということではなく、ディープリムの方がスパッとした感じでまっすぐ走る感じが印象的だった。

久しぶりにlightning alpineに履き替えて、ここ最近のサイクリングを楽しんでいるわけだが、今感じているのは、やはりCosmic carbone SLEの方が空力に優れているのではないかということ。ただし、どの程度の違いになるのかと言えば、次のような感じになる。

平地で無風だと思いながら走行するも、25km/hの速度で風の壁を感じるようなシチュエーションを想像してみてほしい。少し草木がなびいている程度で、止まっていれば風があるのか分かりにくい微風の状況では、走行してみると案外向かい風の抵抗があったりするんだけど、これがCosmic carbone SLEだと壁を少し突き抜けるイメージがあって、lightning alpineになるとフワフワした感じで風にぶつかっていくイメージ。

ブラケットポジションと下ハンドルポジションほどの差があるわけではないけれど、感覚としてはこのぐらいの違いになるのかな。ホイールの空力の違いは向かい風の影響をどのくらい抑えられるのかということになるのではないだろうか。全面投影面積の違いはディープリムであってもローハイトであっても、それほど違いはないはずだけど、ホイールの回転が巻き起こす風はそれほど無視できないのではないかと、素人ながらに感じている。

というのは、部屋でスタンドに載せたロードバイクのホイールを回してみると、lightning alpineは極端に言ってしまうと扇風機のように周りに風を引き起こすことになり、近くに置いてあるビニールのレジ袋を動かすことができるほどだったのだけれど、Cosmic carbone SLEはそれがほとんどなかったことに驚いた。レジ袋をかなり近づけてみて、なおかつ相当回転を上げてみて、ようやく反応する感じ。明らかにlightning alpineとは別物。ホイールの回転によって風を巻き起こすエネルギーが無駄に消費されていくのだろうと感じた出来事だった。

次に向かい風と体感風速の影響を考えてみたい。風速1m/sというのは時速に換算すると3.6km/hになるので、25km/hの速度で走る場合の相対的な風速は6.94m/sとなる。風速が7m/s近くになると、結構な風だと感じるようになるし、25km/hの速度というのはそういった向かい風の中を走る感覚になるのだろうか。35km/hの速度になると9.72m/sの風速となり、天気予報で言うと強風に近い部類。

ディープリムの効果については、ネットや雑誌などで「35km/h以上の速度でなければ、その効果を体感するのは難しい。体感できる人達はトップレベルの実力を持つものであって、普通の一般人の実力では体感できない。」と言われている。ここで考えておきたいのは、無風状態の35km/hと同じ向かい風はどのような条件になるかということ。単純に(向かい風の速度)+(走行速度)=(無風状態の35km/h)と考えてみると

風速  1m/sの場合は、走行速度 31.4km/h
風速  3m/sの場合は、走行速度 24.2km/h
風速  5m/sの場合は、走行速度 17.0km/h
風速  7m/sの場合は、走行速度   9.8km/h
風速  9m/sの場合は、走行速度   2.6km/h
風速11m/sの場合は、走行速度  -4.6km/h

実際は風速10m/s以上の日に走行することはないし、この単純計算もどうなのかと考えてしまうのだけれども、風速7m/sの状況は冬のサイクリングロードで実際に体験しているし、本当に10km/hの速度を出すのが困難なこともあったので、それほどの見当違いといった計算でもないかと思える。向かい風の状況によっては、遅い速度であっても35km/hを出しているのとほぼ同じ条件になることを考えると、「ディープリム=35km/h以上の速度でなければ効果がない」というのは少し捉え方を考え直してもいいのではないかと思える。風洞施設でのテストって、要は向かい風を発生させての試験になるのだから、速度というよりも向かい風対策になるのだろう。

では、どのくらいの風速の影響をディープリムは相殺できるのかということを考えてみたい。風速0.3m/s(1ノット)の微風は、走行中には体感しにくいレベルで、先に書いたとおり一瞬無風かと思ってしまうような状況になるかと思う。0.3m/sの風速を時速に換算すると1.08km/hであって、サイコンの表示を見てすぐわかるだけでなく、1km/hの速度域の変化は体感で感じられるということになるはず。

しかしながら、自分の体験としては、ディープリムで簡単に速度を1km/h上げることができるわけではなかったので、実際の感覚としては0.5km/h以下のレベルで速度が向上している程度。そう考えてみると、風速0.1m/sの向かい風程度であれば、これをディープリムは打ち消すことができるのではないかというのが結論。

数値にしてみれば、風速0.1m/s程度の向かい風にしか効果がないのかと思ってみたりもするのだが、身体で感じる風の感覚ではなく、向かい風の中を突き進むエネルギーの消費という観点からみた身体の疲れという点においては、この風速0.1m/sというのは案外無視できない状況になると思える。ホイールを空転させたときに、ディープリムであればレジ袋を近くに置いても風で吹き飛ばすことがないほど、無駄なエネルギーの消費を抑えるだけでなく、向かい風の中での抵抗も抑えることができるのが、ホイールの空力としての違いになるのだろう。

ホイールの効果については、回転運動による影響だったり、リムやハブへの重量配分の問題をキッチリ計算していくのは大変らしくて、理論的な結論を出すのが難しいようなので、今回の自分の考えが理論に当てはまらないのかもしれないけれど、部屋でホイールを空転させた時に直感した扇風機としての役割は素人ながら無視できるものではないだろうなというのが率直な意見。速度を上げれば上げるほど、扇風機効果も大きくなるわけで、巻き起こす風が抵抗になってしまっているのではないかと思えなくもない。ホイール周辺は乱流が発生しているのではないかと勝手に妄想しているんだけど、ホイールの空転による扇風機効果の比較実験を誰かにやってほしいと思った。

Cosmic carbone SLEは良いホイールだし、lightning alpineも同じように良いホイール。性格が大きく異なるホイールを所有しているわけだけど、どっちかに不満があるわけではなく、両方を使って満足している状況。両極端なホイールを使っているにもかかわらず、その差は案外許容範囲になってしまうんだよな。正直、剛性だとか、反応性がどうだとか、かかりが良いといったことをホイールに求めているわけでなく、扇風機効果としての違いや、ある程度の軽量化が重要になるのかなと思った。

lightning alpineの凄さは、cosmic carbone SLEから履き替えても、不満がそれほど出ないところになるし、cosmic carbone SLEの凄さは、ペア重量1300gのlightning alpineの軽量ホイールよりも重量があるはずなのに、その重さを感じさせないところ。速度的には区別できるほどの数値が表れるわけではないけれど、微妙に体感できる違いというのが、空力特性ということになるのかな。










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