上江橋から吉見運動公園までの距離は約20kmで、県道を跨ぐ場所が3箇所あるだけとなっている。今回の強風によって、行きは向かい風を我慢しながらサイコンの速度表示の目安を20km/hにして進んで行くことになったのだが、風がより強くなる区間は17km/hぐらいに落ち込むほどで、油断をすると速度が維持できない状態。下ハンドルを苦手としている自分ですら、下ハンドルが楽と思えるほどだった。結局、行きのタイムは60分を切ることはできなかった。
それなりに頑張って走行したつもりで、風が強ければ強いほど、帰りのための脚力を温存していくイメージだったから、ここまでは予定通り。まだ踏める脚も残っているし、回せる脚も残っている。そして、運動公園で少し休憩を取って往路へ踏み出す。目標タイムは35分。今日のような強風で吉見運動公園を目指したのも、往路でのタイムアタックというか、高速走行のための良いトレーニングになるのが理由で、これをやりに来たようなもの。一応この場所は、ロードバイク購入一年目からのホームコースみたいなものになっているし、それなりに気合が入る。行きはパートナーの風除けになっていたんだけど、帰りは自分一人の世界に入っていくことになった。
結果は33分を切って、32分台となった。県道を跨ぐ場所で停車したことを考慮するともう少し速度維持を稼げたかもしれないが、仮に停車しなかったとしても、タイムは似たようなものだったかと思う(一応、停止中はサイコンのタイムは止まるようになっている)。最後まで追い込んだわけではないが、楽な走りというわけでもなく、区間ごとにペース配分をとりながら走行しないと高速の維持はできないし、呼吸も乱れてしまうのがタイムトライアルのポイントになるのだろうと思う(本当のタイムトライアルなんてやったことはないけど)。
それと、ロングライドであれば追い風だと楽になると感じるのに、タイムを気にした走りをする場合は、追い風が楽というわけでもなく、むしろ速度域が高いこともあって、気持ちは楽にならない。行きの向かい風であれば、無理をしないように余力を残していくんだけど、残りの往路ということもあって、余力を残さなくても良いという考えが支配的になり、結構本気で走ったりしてしまうことも楽にならない原因になるのかも。
結構それなりの速度も出ていたので、平均速度はどのくらいだったのかと見てみると、35.7km/hとなっていた。強い追い風、平坦なサイクリングロード、停止の少ない区間、これだけの条件が揃って、ようやく達成できた数値がこの平均速度ということになる。実際の走行時のサイコンのメーター表示はどのくらいだったかというと、40km/hを超えている感じで、最高速は48km/h近くになっていた。35km/hを下回る区間は本田エアポート付近で、この周辺は何故か追い風の恩恵が低くなる。停止や歩行者の近くで減速することになったので、そういったことが全くなければ平均速度はもう少し高かったのかもしれない。まー、リスクを冒してギリギリでっていうのは避けるべきだし、条件が良かったとしてもそれほど変わらないような気もする。
今回の強風が凄いと思ったのは、ブラケットポジションでも簡単に40km/hを超えていたところであって、35km/h程度で走っても無風であるかのような状態だったこと。平均速度35km/hの世界観というのは、こういう状態ということになるのだろうか。これでも十分早いと思っているんだけど、プロレベルの走りになると、平均速度は40km/hを超えていくことになるし、タイムトライアルになってくると50km/h前後という想像できない速度ということか。
もっと強い追い風がないと、自分の実力ではプロレベルの平均速度を体感できないということは分かったのだが、逆に考えてみると、平均速度35km/hを出せる人達というのは、サイコンメーター表示で走行中の速度は40km/hを超えているのは間違いないはずで、そういう世界を垣間見ることができたのは大きいかと思う。そして、そういった人達からすれば、35km/hというのはポタリングレベルといったところになりそう。
イメージとしては、平均速度に+5km/h加えたものが走行時のサイコンメーター表示になるかと思っていた。実際は平均速度35km/hレベルになってくると走行時のサイコンメーター表示は+5~10km/hといったところで、ちょっと踏めば45km/hを出せる人でなければ厳しい数値ということになる。まー、ロングライドの平均速度が20~23km/hレベルの自分からすれば想像上の世界だったわけで、今日のような条件でその入口を見させてもらった感じ。ハードルなんて考えは無くなるぐらいの異次元レベルだった。
今日のような追い風の好条件であっても、1年目の自分では脚力とテクニックが不足していたので、平均速度35km/hに到達することはできなかったと思っている。条件さえ合えば、誰でも平均速度35km/hを達成できるというわけではなさそうだ。今日もそれなりに呼吸と脚の筋肉の使い方のバランスをとったつもりだったし、ケイデンスも90~120で速度変化に対応させていたのだから。ギアもトップを含めて5、6枚は使っていたし、ギアチェンジもそれなりに多くやっていたつもり。2、3枚のギアで一定速度で巡航なんて考えだったら、今日のような好条件であっても平均速度35km/hを超えるのは難しかったのかも。ペダリングスキルも重要で、いくつかのパターンがなければ脚の筋肉をバランスよく使うことはできないだろう。
距離20km、走行時間30分超という区間でも、こういったテクニックと脚力のバランスが必要となるのだから、これが1時間、あるいはそれ以上となると、より細かいバランスが重要となっていくのだろうと想像できる。タイムトライアルやアワーレコードというのは脚力に頼るだけでなくて、相当なテクニックが必要になるだろうと思った。
荒川サイクリングロードは単調なこともあってルートとしては飽きやすいとは思う。それでも、追い風による高速度域のトレーニングはここでしかできないということを考えると、これはこれで楽しく見えてくるからロードバイクは奥が深い。追い風だったら誰でも速度が出せると思っていたが、今日のことを復習して考えてみると、これは走り応えのあるルートであって、スキルとテクニックの両方が試されるだろうなと思った。
競技志向というわけではないので、安全かつ事故の無いように心掛けていきたい。やっぱりこれほどの高速域というのは、混雑しているところでは危険だし、今回の区間であってもそれなりに人がいるのだから、注意を怠ることはできないだろうな。見通しが良くて、人も少なくて、飛び出しなどの障害がないことが前提条件にあって、これらが一つでも欠けてしまうと無謀な走行につながりかねない。まー、今日みたいな追い風がなければ挑戦することはできないけどね。なんにしても1時間もタイムを気にした走りは自分には出来ないだろうから、今回のように30分ちょいの区間が自分の実力の限界だろう。それ以上はモチベーションがあがりそうもない。
それと、ポジション問題は大きいと思った。行きの向かい風で下ハンドルで漕ぎ続けられたのは、それほど心肺に負荷をかけていなかったから。帰りの追い風で下ハンドルを持ち続けられなかったのは、途中で呼吸が乱れてきてしまったことが原因で、上半身をある程度起こさないと心拍数がとんでもないことになりそうだった。下ハンドルは上半身の筋肉が必要になることは分かっていたんだけど、呼吸の乱れは今のところどうすることもできなさそうだ。下ハンドルの辛さはなんとなく分かっただけに、タイムトライアル用バイクのポジションは身動きが取れないので、どうやって対応するのか気になった。トライアスロンもタイムトライアルも、空気抵抗の削減では有効だろうけど、呼吸が困難になりそうなので、自分が乗っても大した違いは出ないのかも。あの姿勢でよく全力を出せるよな。しかも、持続時間も普通じゃない。追い風での30分で根を上げそうなのに、何時間も走り続けるわけでしょ。これは厳しすぎる。課題は心肺機能を維持できる前傾姿勢ということがよくわかったのだが、これって相当努力しないと難しいかもしれない。
写真は以下より引用
http://www.letour.fr/le-tour/2015/us/gallery.html
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