追い風時の平地での高速巡航にも申し分はないので、これはオールラウンダー的なスプロケであって、激坂用というわけではないと思う。まー、自分の脚力レベルはこんなものということが前提になってしまうが、余裕のないギアで峠を走ることとは無縁になりそう。最後の一枚でひたすら登り続けるといったことは避けられるかと。
「ヒルクライムとダンシングでのギア比(50-34t, 12-30t)を考えてみる」の中で、12-30tのギア比を考察してみたことを思い出しながらの比較になる。この時は中間平をアウターでよく登ったものだなと過去の自分を振り返ることになるが、一昨日も同様な感じで重いギアで登っていく感じ。フロントはインナーにして、スプロケのギアは残り3、4枚残す状況だった。
ギア比がどうなっているのかということを見てみると、自分のバイクは、
フロント34-50t(真円リング)
スプロケ11-32t(11 12 13 14 16 18 20 22 25 28 32)
フロント50tのギア比 4.55 4.17 3.85 3.57 3.13 2.78 2.50 2.27 2.00 1.79 1.56
フロント34tのギア比 3.09 2.83 2.62 2.43 2.13 1.89 1.70 1.55 1.36 1.21 1.06
パートナーのペースに合わせて上っていく感じだったので、もう少しケイデンスを上げた方が脚の負担は少なかったのかもしれないと思えるぐらいに疲れたので、シッティングで中間平を登るのは、今のところ、ギア比1.70が限界というところになるということか。アウターで登りきった時はダンシングも使っていたので、それがギア比1.85で登れたということになるのかもしれない。
まー、何が言いたいのかというと、このギア比の間隔はどこに行っても違和感がないぐらいの繋がりで、登坂で負荷をかけたギア比で登ることもできるし、多少の登り坂であっても高ケイデンスで加速できるところが今まで使っていた10速(12-30t)と異なるというところ。そして、ようやく中間平クラスの登り坂でギアに余裕を残した状態で走行できるようになったということになったということかな。
中間平クラスで残りのギアが3、4枚残されているということは、ギアチェンジによって上手く脚の疲れを分散させることが可能となるわけで、ヒルクライムで大きな武器になると思っている。登り坂のペダリングは低いケイデンスが基本になるのだろうけれど、高ケイデンスも途中で入れておいた方が脚の筋肉の負担が分散されることになるわけで、ここで残りのギアがどのくらい残されているかが分かれ目になるのだろう。それと、余裕のある残りのギアというのは楽をするものではなく、自分にとっては「加速ギア」になるなと改めて思う。11-32tはオールラウンダーとも言えるし、加速重視のセッティング。車と同じだね。
脚力の向上によって、普通であればスプロケの最大歯数を少なくしていく人が多いと思うのだけれど、自分の場合はその逆を行っていることになる。でも、これは脚に優しいっていうのではなくて、ロングライドやヒルクライムでのペダリング戦略に幅が出てくることになるので、ギアの選択肢が多くなるということで、登りの速さに繋がると思っている。
やっぱりね、重いギアを使って低いケイデンスで登るのは、加速が悪いと言うか遅いだけのような気がするんだよな。スカイチームのフルームの登りを見ていると、高ケイデンスで走行していく方が躍動感があるし加速していく感じがするのは気のせいではないと思う。ただ、条件としてそれなりに踏める脚力が必要なことは確かで、高ケイデンスを維持するためにはそれなりのパワーが必要。自分はようやくそういった部分での入口に立ったということになるのかもしれない。
11-32tはパワーのある人が使うと、ロングライドやヒルクライムでの脚の温存に効果を発揮するのは間違いない。むしろ貧脚の人よりも恩恵があるのではないかと思えるぐらい。そして、高ケイデンスを維持できる人であれば、その効果はより高いものになり、ロングライドやヒルクライムの後半で差が顕著になるのではないかと思える。プロ並みの脚力を持っている人であれば違った視点になるとは思うけれど、一般人レベルでの話であれば、11-32tを使う人の方が有利だろうな。
平地巡航であっても歯数に不足を感じることはないし、踏むペダリングも回すペダリングも自在にできるので、平地であってもパワーのある人には恩恵があると思う。15t 17t 19tが使えないと言った意見もあるようだけど、この部分を気にするような人達はプロもしくはアマチュアトップレベルの人達であって、平均速度25km/h未満の一般レベルであれば気にするものではないだろう。
電動シフトを使っているのでシフトチェンジはストレスフリーとなっているので、ギアのつながりが悪い場合はすぐに不快に思うかと思ったんだけど、そんなことは全くなかった。巡航中にギアを重くしたい、軽くしたいといった時にちょうどいい感じで変速できている。15t 17t 19tが入ったところで、変化が少ないような気がするので、自分としてはこれがちょうどいい感じ。
平地でも、峠でも、どこでも万能にこなせるのが11-32tのような気がする。登りで負荷をかけたいと思えば、32tを封印してアウターで登りきれば良い話になるし、そのためにわざわざスプロケを変えていく必要もないだろう。ポタリングを楽しむような走りであれば、筋トレのような走行をする必要もなくなるので、オールラウンドなスプロケといったイメージ。フレームやホイールにオールラウンドな性能を求める人が多いと思うんだけど、スプロケでオールラウンドって言ったら11-32tしかないのではないかと。
ロードバイクのヒルクライムは耐えながらペダリングしていくわけだけど、マウンテンバイクの登りを見ると、もうそれはひたすら攻めていく感じの登り方。マウンテンバイクの登りを動画で見てみると、かなりの高いケイデンスで回していく感じで、ロードバイクでのダンシングとは異なるテクニックになるのだろう。ロードでこれをやると非効率的になるのかもしれないけれど、あの迫力は真似したくなるものがあるんだよな。
マウンテンバイクのトップレベルのライダーの走りなわけだから、遅い走りなわけがないと考えると、自分でも試してみたくなる。このペダリングはある程度の軽さが必要になると思うのだが、ダンシングで高ケイデンスを維持できていることを考えると、スカスカというわけでもなさそう。32tはマウンテンバイクのようなスプロケになると言われているが、実際にマウンテンバイクのような登りをしないとその効果は発揮されないのかもしれない。ロードバイクのヒルクライムのようなゆっくりとした登りではなくて、攻める走りをすると真価を発揮することになるのだろう。
白石峠や定峰峠クラスの距離だとマウンテンのような登り方は途中で息切れをしてしまうと思うのだけど、中間平クラスだったらこういった登りができるようになるのかもしれない。
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