日曜日(2/23)にCosmic carbone SLEで走行してみたので、そのレビューをしてみようと思う。この日は雪が所々に残されているコンディションだったので、雪の影響が少なそうな入間川サイクリングロードを走行。本当は都幾川や小川町周辺に行きたかったんだけど、まー、こういうのは仕方がないな。
Cosmic carbone SLEでポジティブなところを上げると、
①見た目の迫力
②よく転がる
③まっすぐ進む走行安定性
⑤高速でのさらなる走行安定性
⑥よく効くブレーキ
⑦乗り心地が良い
⑧「重い」というよりも「普通」の重量
ネガティブなところは何があるのかというと、何を上げればいいのか分からない。多くの人が重さをネガティブな点として取り上げると思われるが、自分にはこれが普通の重さなんじゃないかと思う程度で問題なし。横風に注意する必要があるのもネガティブなところだと思うが、ビルなどの谷間の突風でない限り、不意を突かれることはないと思う。特別な強風時は別として、普段の荒川の強風ぐらいなら問題なさそうだな。
横風の影響は、自分の体重とロードバイクの重量が関係しているのではないかと思う。自分の体重は66kg、ロードバイクは装備を含めて10kg程度となり、このぐらいの重量であれば、風で飛ばされにくいのかも。逆に、風の影響を受けやすい人は体重が軽い人なのかもしれない。体重60kg以下、ロードバイク重量が7kgの人がいるとしたら、自分とは10kgも違うわけで、それだけ横風の影響を強く受けやすくなると思える。身長174cmで体重66kgというのは、ちょうどいい体重のようなので、これ以上体重を落とすつもりはないな。ガリガリ体型はちょっと抵抗があるし、健康体でいるのが本来の目的なのだから。
ロードバイクの重量はこれで充分。ボトルを含めた装備はなんだかんだで1kg近くなってしまうのだから、6kg台のバイクにしたところで結局装備の重さが加わるわけで、競技者でない限り、重量に拘るのは良くないと思った。登坂がつらいけれど、そういうのはスプロケ12-30tで対応できているし、時間はかかっても登ることはできるわけで不満はない。まー、どうせ上りは何を使っても楽になることはないと割り切ってるからね。それよりも、下りや平地の安定性を楽しむことを自分は選びたい。
Cosmic carbone SLEは、こういうホイールと思って購入したわけで、ネガティブなところが嫌いになってくるような印象はない。どちらかというと、ネガティブだと思っていた部分は先入観であって、普通のレベルだったという感じ。スペックやネット等での情報を鵜呑みにしていたということを実感する。2014モデルは、何世代か前のCosmic carboneとは別物になるのではないかと思った。過去のモデルよりも明らかに重量は減少しているし、ハブの回転もスムーズなわけで、これのどこが悪いと言えるのかが分からない。過去のモデルに乗ったら違いが判るのかもしれないな。ホイールは重いと感じる重量ではなく、普通と感じる重量であって、エントリーモデルの付属ホイールよりも軽いのは明らかなわけで、重さを強調する必要はないと思う。自分の使い方では、普通の重さで問題はないのだから。
Cosmic carbone SLEの走行安定性は、これまでに感じたことのないもので、これは向かい風であってもそうだったし、多少の斜め向かい風であっても直進安定性の感覚は変わらない。これがディープリムというものなのかという感じだった。そして、時速30kmからの加速もこれまでに味わったことのない感覚。だからといって、時速30km以下でディープリムの恩恵はないのかというとそうではないと思える。真っ直ぐに走ろうとする転がりの感覚は時速30km以下でも感じることはできるわけだから。
ディープリムによって速度が上がるといったことは考えていなかった。その理由は、最初の付属のホイールから軽量ホイールとなるLightning alpineに変えた時に速度は全く変わらなかったから。そりゃ、スプロケが同じで人力も変わらないのであれば、そんなに速度が変わるものでもないでしょ。変に速さに固執する必要はないと思う。ディープリムだからと言って、こういった幻想を抱いていなかったので、自分には関係がなかったのかも。ただし、走行の安定性はローハイトのホイールとは異なるのは確かだと思えるので、こういった部分を体感できるかどうかで違いを感じることになるのではないだろうか。
ディープリムに変えただけで速度が今までよりも2km、3kmも上がるなんてことはないんじゃないのかな。まー、こういった部分は100km走行をしてからでなければ評価はしにくいのかも。今回は50km程度の距離しか走っていないので、速度の違いは分からなかった。ただ、身体の感覚で言えば、そんなに速度は上がっていないだろうなと。
エグザリットは本当によく効くブレーキ。入間市街地でちょっとした下り坂があったんだけど、ブラケットポジションで充分なブレーキがかかる。下ハンドルでブレーキをかける場面は全くなかったと言っていい。やっぱりこれぐらいのブレーキの効きが欲しいよな。というか、欲しかったんだな。
ブレーキの鳴きはよく聞こえるものなんだけど、自分はこの音が嫌いではない。逆に、歩行者に近づいた時の徐行の際に相手に気付いてもらえるので、これはこれで良い性能なんだと思える。笛を吹くような音なので、それほど不快な音にはなっていないのではないかと思える。歩行者に気付いてもらえるようになったことで、変な抜き方をしなくてもすむのは良い点だよ。
乗り心地はタイヤの性能のようだ。もちろん良いホイールに装着していることも重要なことなんだけど、ショップに話を聞いてみると、Mavicのタイヤの性能はかなり良いということで、コンパウンドも良いものを使っているのが要因らしい。この日は同行者がシクロクロス用のブロックタイヤで来ていたこともあって、途中でバイクを交換して乗り心地を比較してみたんだけど、さすがにブロックタイヤの乗り心地の良さには適わないはずなのに、比較が可能なくらいに、よく健闘していると思えるほどの乗り心地。
Mavicのタイヤはしなやかでシットリ感があるのが特徴。これが乗り心地に大きく影響しているのは間違いない。今までのVittoria rubino pro3 slickだと7bar以下にしないと固さが残る感じだったのに、Mavicのタイヤは8barであったにも関わらず、こちらの方が弾力があって乗り心地が良かった。やはり乗り心地はタイヤの性能が大きいということなんだな。この乗り心地で100kmを走行すると疲れが今までよりも軽減しそうな感じかな。
Mavicの乗り心地はPeugeot 106に乗っていた頃を思い出させる。このフランス車はいわゆるネコ足と言われていて、しなやかでシットリ感があると表現されていたかと思う。実際に運転してみて、確かにその言葉の通りだと当時は思ったな。これがフランス車の乗り味なのかと。こういう感覚を再びロードバイクで経験できるようになるとはね。Mavicもフランスの会社なわけで、これがフランスの乗り心地になるのかもしれないな。
試乗会でMavicのホイールを試していたこともあって、それなりに肌で感じた部分はあったんだけど、実際に所有してそれなりに走行をしてみても、当初に感じた感覚と違いはなくて、この乗り味は病みつきになりそうな予感。もうね、タイヤはMavicしか選択できなくなるのではないかと。しなやかさとシットリ感が自分の求めていた性能だったわけだから。各メーカーの特性が出てくるわけだけど、乗り心地は空気圧よりもタイヤのコンパウンドの方が重要ということが言えると思った。
見た目も性能だとするのであれば、Cosmic carbone SLEの見た目の性能はトップレベル。というのは、入間のアウトレットで多くの人がいたわけだけど、駐輪場に止めているときに他の人の視線を感じていたし、子供が注目しているのが分かるぐらいのインパクトがあった。駐輪場にはロードバイクを含めて色々な自転車が止めてあったし、そんな中で今までのSynapse alloyだったら景色に埋もれてしまうはずだった。自転車を知らない人も注目するぐらいの印象を与える存在感がこのホイールにはあると思えたな。もっとも、マットブラックのフレームだったから見た目の印象が一気に上がったというのもあるのかもしれない。本当に見た目の性能で言うならば、Cosmic carbone SLEは最強となるホイールの一つと上げてもいい。このホイールを装着するだけで、どんなエントリーモデルであっても、ハイエンドかのような迫力を身に纏うことになってしまうのがよく分かった。
このホイールは誰が乗っても問題のない性能だし、初級者の自分が使っても満足できる点がいいところ。上級者でなければホイールの性能を生かせないなんて考えは必要ない。これほどの所有欲を満たすホイールは他を探しても見当たらないわけだし、頑丈で耐久性があって、信頼性の高い製品ということであれば、なおさら初級者である方がより長く使えるからいいのではないかと思った。そもそもがアルミリムの最高峰のホイールなわけで、カーボンディープリムにも見た目の引けを取っていない。自分の信念としては、カーボンよりもアルミの方が日用品としての信頼がおけると考えている。カーボンは軽さを求める代わりにそのトレードオフとして、扱いにデリケートさがあるのは疲れちゃいそうなんだよね。
Lightning alpineのホイールと交互に使っていくつもりだったんだけど、Cosmic carbone SLEへの不満が全くない状況なので、Lightning alpineの出番は激減しそうだ。普通に使えるのは大きな魅力だし、自分のような週末ライダーだと雨天時の走行を避ければ、ホイールの消耗を抑えて長く愛用できるのは間違いない。