ディープリムホイールは、風の影響を受けやすく、走り出しは重め。これらのことは雑誌やネットで色々と指摘されているので、そのとおりなのだろうと思っていたし、そのとおりだとすれば、自分には必要のないものなのだろうと思っていた。今の自分のバイクはSynapse alloyでホイールはLightning Alpineという軽量なやつ。このバイクで峠やロングライドをこなしているので、それなりに性能を把握しているつもり。こういった条件の自分のバイクと試乗車を比較していくこととなる。ロードバイク歴1年半、週一のペースというか月に数回のライド、ここまでの総走行距離は4,500kmの初心者の意見が参考になるかどうか分からないがインプレをしてみたい。
試乗会の時の風は、冬の荒川としてはやや弱めだが、追い風や向かい風を結構感じることのできるコンディション。ディープリムについての自分の評価は次の通りとなった。これは雑誌などでイメージされていたものでは感じられなかったことであり、やはり自分で乗ってみないとその感覚は分からないんだなと実感(雑誌などで伝えていることが間違っているということではない。)。
①重さや風を感じることなく、普通に走れる。
②巡航時の安定感が増している。
③乗り心地は普通。
④カーボンホイールのブレーキは普通に効く。
⑤エグザリットはブレーキがすごく効く。
⑥普段乗りに使ってもいいと感じた(天気のいい日に限る)。
晴れていて風が弱めで、彩湖のような平地であれば全く問題なく使えると思った。ネガティブなものは感じなかったな。風の強い日はやめておいた方が無難な感じでこれは雑誌などで伝えている通りになるのかな。というか、問題は別のもので、こういったディープリムホイールになると、周りに負けられない気持ちが強くなってしまうということにある。ハイエンドのフレームよりもディープリムは見た目で分かりやすいので、こういったバイクを追い抜いていくのは気持ちがいいと思うし、逆に追い抜かれてしまった自分は気持ちにスイッチが入る感じになる。カッコいいんだけど、標的にされやすくなるので、速さで周りを納得させなくてはならない気持ちになるのはディープリムならでは。別の視点でとらえると、普段からディープリムを履けば常に真剣勝負のような走りになるので、高い目的意識を持ってトレーニングできるようになるのではないだろうか。これは自分にはできないことだけどね。
印象的だったのは、Cosmic carbone SLEの方がBora oneよりも重量があるはずなのに、それほどの重さを感じることはなかったというところ。むしろ、Cosmic carbon SLEは転がりがよくてコロコロとよく転がってくれる。乗り心地に固さがあるわけではないが、ホイールの回転によるブレは感じさせない。Bora oneも当然ブレがあるわけはないんだけれど、Cosmic carbon SLEと比べてしまうと、そこはカーボンホイールによるプラスチック感というものが僅かにある印象。金属製のアルミの方が精密加工ができてそうなイメージになるのだろうか。重量スペックだけでは分からないものがあることを実感した。
フレームに関しては、どちらも素晴らしいとしか言いようがない状況で、乗ってすぐに心の中でニヤついてしまった。ただし、フレームの評価は長距離を乗らなければ分からないと思える。彩湖一周程度だとこんなものだと思うが、直感としては、これらのフレームを手に入れても後悔することはないということだろうか。値段は別としてね。これらのフレームで疲れがどのくらい出るのかはなんとも言えないな。比較バイクが今のSynapse alloyというアルミフレームになるので、試乗車のカーボンバイクが固いという印象はなかったし、逆に考えると、シナプスアロイってそれなりに快適だったんだなと思った。カーボンほどではないけれど、アルミなりに快適性を持たせているわけで、まー、自分のバイクの性能を試乗車は教えてくれた感じがする。快適性は試乗では評価しにくかったけれど、はっきりとわかりやすかったのはバイクの重量。彩湖の周回路でちょっとした登坂があるのだが、そういったところでバイクの軽さを感じることができた。TIMEもLOOKもどちらも軽いので、ディープリムを履かせてもトータルの重さで言えば、それほど重くなっていないのだろう。Synapse alloyは重さがあるということだけがネガティブな点。価格で言えば文句を言うわけにはいかないのだが。それと、試乗したTIMEやLOOKのようなバイクはウェアや装備もレース仕様にすればするほど性能を発揮してくれるのに対し、Synapse alloyは頑丈さとラフな装備で楽しめるといったところで、バイクとして区別されていることを実感できたのは大きい。やっぱりTIMEやLOOKにSPDペダルで乗っちゃダメだろうな。SynapseはSPDでもいいんだろうけど。
TIMEにはカンパニョーロ、LOOKにはシマノの電動アルテグラが付いていたので、この2つについても感想を述べたい。結果としては、どちらも自分のバイクのティアグラとは全く異なるものなので、使い方に慣れが必要だったということ。ティアグラに慣れすぎてしまったため、カンパニョーロの変速ボタンが突起物に思えてしまったし、電動アルテグラのレバーの押し具合の感覚がワイヤーのものと全く異なるものだったので、こちらにも違和感を感じてしまった。ワイヤーに慣れすぎてしまうと、グイッとレバーを思い切り倒す感覚になってしまうため、電動のちょっと押す感覚では変速できていないのではないかと思ってしまうのが原因。まー、どちらも高級品なのでそれに慣れていないだけと言えるのだが。
去年は大手業者のイベントでDura ace 9000の試乗車に乗った後に、自分のバイクに乗って帰宅したのだが、そのときは自分のバイクとの性能があまりにも違いすぎて、気持ちが沈んでしまったことを思い出す。ハイエンドの試乗で問題になってしまうのは、自分の今のバイクをネガティブに見てしまうことにある。今回はどうかというと、そういったことにはならなかった。おそらくSynapse alloyとLightning alpine、そしてQ-ringsの組み合わせが程よいバランスになっているのかもしれない。それなりに性能は上がっていたと実感できた瞬間でもあるし、ひょっとしたら次のバイクを考えられる時期になったのかもと思ってしまった。もちろん、TIMEもLOOKも乗り慣れてくれば、間違いなく今より良い状態で走れるようになるはずなので、自分のバイクと比べられるものではないということも理解している。Synapse alloyは、気軽に出かけられる楽なポジションのバイクという方向性に限定すれば、ハイエンドに負けないということだけなのだから。
今回の試乗車のようなTIMEやLOOKを乗りこなすためには、より低い前傾姿勢を維持できる体力をつける必要がある。今の自分にはそれがないので、Synapseの方が乗りやすいと感じてしまうだけなので、こういったハイエンドバイクを乗れるようにするためには、もう少しハンドルを下げていって鍛えていくしかないようだ。それにしても、これだけのモデルになるとハンドルが結構低いんだけど、案外乗れてしまうんだよな。ハンドルを下げるだけで前傾姿勢をとれるように体を自然に鍛えることができるようになるのだろうか。ハンドルがこれだけ下がっているとサドルとの落差が出てきて見た目はカッコいいな。脚の長さに自信はないのだが、サドル高さを自分に調整された状態の試乗車を見ると、サドルが高く見えるので玄人っぽく見える。こういうことが分かったのも今日の収穫になった。
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