2014年2月1日土曜日

2014彩湖での試乗会 その3 Mavicのホイール(エグザリット)が欲しくなった

今回の試乗会の参加目的の一つとなったMavicについて触れておきたい。もともと憧れというか「いいな」というイメージがMavicにはあったのだが、今回の試乗によってそれが欲しいという確信に変わることになった。今回試乗したホイールは次の3種類。
①Cosmic carbone SLE(ディープリム 重量:1620g 価格:¥199,500円)
②R-sys SLR C(ローハイト ペア重量:1295g 価格:¥225,750円)
③Ksyrium SLR(ローハイト ペア重量:1410g 価格:¥194,250円)

このMavicのホイールで共通していることは、アルミ+カーボンのクリンチャーで、ブレーキ面がエグザリット加工されているところ。試乗会では①はLookの試乗車で、②と③は自分のバイクに装着することになった。今のバイクはCannondale Synapse alloy 6 2012で、ホイールはLightning Alpine(ローハイト ペア重量:1330g 価格:¥52,500円)。正直なところ、自分のバイクには高価なMavicのホイールは猫に小判状態だし、Mavicのホイールに負けない軽さのLightning alpineで問題を感じていなかったので、それほどの期待を抱いているわけではなかった。

Mavicのホイールについては、数値上のスペックを見てしまうと割高に感じたし、エグザリットに至ってはブレーキ音がうるさいという意見も多く、自分の中にもそのような先入観が生じていたのは確か。見た目は黒でカッコいいということが店頭での印象だった。まー、高いホイールなんだから、それなりに走るだろうし、高価なものを買うという満足感が得られるのだろうと思っていた。問題は、自分のような経歴(ロードバイク歴1年半、総走行距離4,500km〈内Lightning alpineで3,000km〉)でその違いを感じられるのかということにあった。

結果は、十分に違いを感じることができたし、試乗したMavicのホイールはLightning alpineよりも走りの性能はトータルで上を行っているのは間違いないと確認できた。Lightining alpineよりも性能が上だと確認できたのは次の事項になる。
A・・・転がり性能がよい(コロコロと転がっていく感じがすごい)
B・・・スペック重量ほどの差を感じさせない(Cosmicがそれほど重くない)
C・・・ブレーキ性能が圧倒的に上(ブラケットポジションでも気持ち良くブレーキがかかる)
D・・・安定性があり、乗り心地がよい(タイヤとホイールの一体性能っぽい)
ちなみにLightning alpineに付けているタイヤはVittoria rubino pro3 slickで、そんなに悪いタイヤではなく、このタイヤに交換した時はスリックなだけに転がりが良くなったことを覚えている。ホイールとタイヤを合わせた価格はMavicと比べて圧倒的に安くなるのでコスト的には圧勝と言えるし、ホイール重量もほぼ同等というか1300g台なので違いはそんなに出ないものかと思っていたのだけれど、Mavicとの違いは乗ってすぐに分かるほど簡単なものだった。重量やネットの知識で知っていただけの自分が少し恥ずかしくなった。単に本物を知らなかっただけだったわけだから。先入観で抱いていたアルミスポークだと剛性が強いだとか、乗り心地が固めといった印象は特になかったな。ここで挙げた事項は、数値でのスペックで表されるものではないのだが、他のホイールと比較すれば間違いなく体感できる部分であって、ロードバイクの性能として重要なところにもなるので、数値スペックだけに囚われるのは良くないということを実感する。Mavicのロングセラーとなっている理由がこういったところにもあるのではないだろうか。

「転がり性能」については、Mavicのリムの真円度が非常に高いことが要因らしい。Lightining alpineだけでなく、エントリーモデルの完成車のホイールだって普通に見れば真円に見えるのだけれど、ロードバイクに装着して転がしてみると、これほどまでに自分の感覚で実感できるものとは思わなかった。人の目では判断できないほどのレベルで真円度が高いに違いない。別の試乗車でBora oneを試乗した時にはMavicほどにコロコロ転がる感じはしなかったので、とにかくMavicはよく転がるということがよく分かった。これはCosmic、R-sys、Ksyriumに共通していて、どれも転がる感覚は変わらない。おそらくMavicのホイールからそれ以外のホイールに変えた時にコロコロ転がる感覚は実感できるのではないだろうか。Mavic以上に転がるホイールが他にもあるのかということも気になる。

「スペック重量ほどの差を感じさせない」については、1330gのLightnig alpineという軽量ホイールに乗っているわけなので、ホイールが重たくなったらその影響を感じやすいはずだったのに、Lookの試乗車に付いていたCosmicはそんなことを感じさせなかった。Cosmicは踏み始めがそれほど重くはない。KsyriumはLightning alpineよりも重いはずなのだけれど、転がりと前に進む切れ味が鋭いので逆に軽さを感じるほど。R-sysはKsyriumよりも切れ味がマイルドになっているが、転がり感覚は同じように感じた。マイルドなのはスポークがカーボンであることによる違いらしい。Lightning alpineはどうかというと、Mavicと比べてしまうと転がりも切れ味もイマイチで軽さだけのホイールになってしまう。ただこれは、Mavicの転がりと切れ味が良すぎるからであって、Lightinig alpineが悪いわけではない。

「ブレーキ性能が圧倒的に上」については誰も異論がないと思われる。ネガティブな文句を言われているのはブレーキ音のことで、とにかく大きい音がするということと、ブレーキシューを慣らしておく必要があるというもの。試乗して分かったことは、ブレーキ音なんて全く気になるレベルではないということ。この程度の音は自分には気にならないレベル。すべての通行人が注目するほどの音がするのかといったら、そんなことはない。敏感な人がなんだろうと振り返る程度だと思った。彩湖では周りに色々な人がいたわけだけど、ブレーキ音で注目された感じはしなかったし。自転車が来たという程度で見る程度だったんだろう。自分のLighitnig alpineは雨の走行をしていることもあって、ブレーキシュー(シマノR55C)から音が聞こえてくる始末なんだけど、エグザリットはこの音とレベルは同じくらいな感じがした。音を気にする人は雨の日をあまり走ったことがない人なのではないだろうか。普通のアルミホイールでブレーキリムが消耗してでこぼこになってくれば、エグザリット程度の音なんて普通だと思えるよ。エグザリットのメリットは高度なブレーキ性能にあるわけだし、これほどの性能であれば峠などの下り坂でもブラケットポジションでのブレーキで充分にスピードコントロールできると思った。この性能だけでも充分に欲しいと思える理由になるんだよね。

「安定性があり、乗り心地がよい」についてはタイヤとリム幅に理由があるような気がする。ホイールをSynapseに履かせてもらった時に、ブレーキレバーを上に挙げたままの状態で渡されたので、最初は下ろし忘れたのかなと思ってレバーを下げたら、ブレーキシューがリムに干渉してしまうことに気づく。ここで、リム幅がLightining alpineよりも広いことがすぐに理解できた。タイヤはMavicのものが装着されていて、指で押すと少しつぶれる感じだったんだけど、乗り味はコロコロと転がる感じなのでちゃんと空気は入っているわけで、この時はなんでなのか分からなかった。帰宅してからMavicのホームページを確認すると、「タイヤのエア圧を選ばず性能を発揮」という文言を発見。空気圧が低くても、それを感じさせないホイールというわけか、なるほどね。転がりを求めようとすると空気圧を高めにしないといけないんだけど、そうすると乗り心地はかなり悪くなるわけで、自分の理想としては空気圧低めで転がるホイールがあればなぁと思っていたんだけど、それがMavicだったわけだ。自分の求めていたものが目の前にあったんだな。タイヤとの一体感も重要な感じがするな。というのは、TIMEの試乗車のBora oneで初めてチューブラータイヤを初めて体験することになったんだけど、このときはチューブラーがいいというのはなんとなく分かった。ただ、Mavicのホイールとクリンチャータイヤの組み合わせは、これに負けていないというか同等という感じ。

週末にロングライド(100km~150km程度)で、荒川サイクリングロードだけの日(50km程度)もあるし、峠に行くこともあるのが今の自分の乗り方。ちゃんと乗れるときは毎週になるけれど、乗れなくなるときは月に1回程度になってしまうこともある。こんな使い方で、求めているのは乗り心地の良さとブレーキ性能。平地や短い下りであればブレーキ性能は普通でもいいんだけど、長い下り坂を下ハンドルでブレーキしなくちゃいけないことについては違和感をずっと感じている。下ハンドルじゃなければ強いブレーキをかけれないのはちょっとおかしい。サイクリングロードでもがくために下ハンドルになるのは分かるけれど、下り坂で下ハンドルになると、自然と加速されることになってますますブレーキをかけなきゃいけない状況になることに納得がいかないんだよ。握力を増せばいいとかそういうことではなく、下り坂でスピードが出るような場所は、どんな人もスピードを殺すために下ハンドルにしているわけで、なんというか、本来であればスピードを出すために下ハンドルを使うわけでしょ?下ハンドルでの走りを鍛えていくことも必要なんだろうけれど、100km超のロングライドを楽しむために乗っているわけなので、下ハンドルでキツイ思いはなるべくしたくない。あくまでもがいて本気を出す場面で下ハンドルを使いたいわけなんだよ。下り坂は本気を出す場面ではなく、安全に下りたいところ。これを解消できるのはディスクブレーキだと思っていたし、Synapse alloy 2014はそれを実現してくれているので、これだったら今の使い方で不満はないんだろうなと思っていた。そして、Mavicのエグザリットはリムブレーキのロードバイクに対して、そのブレーキ性能の恩恵を与えてくれるわけなので、ここに自分が欲しくなる理由が入っている。

Cosmic carbone SLE、R-sys SLR C、Ksyrium SLRはペアで価格は約20万円となっている。Lightning alpineを購入する際は色々と情報を収集して、自分に合ったものを買ったつもりだったし、ホイールに20万円はちょっとどうかしてると思ってたのに、今は違う考えを持つようになった。よく言われているのは、エントリーモデルの10万円台のアルミのロードバイクを買うと、二台目には高価なカーボンのロードバイクを買うようになるということ。過去のブログでも書いているけれど、ロードバイクをグレードアップさせるためには、高価なカーボンフレームに行くしかないと思っていたけれど、今回のMavicの試乗によって、高価なカーボンフレームを買うよりもエグザリットのMavicのホイールを買った方がいいのではないかと思えるほどの心境の変化となった。イベントに出ることはあっても、レースに出ることはないだろうし、高価なカーボンバイクを買ってしまうと、今のSynapse alloyに乗らなくなってしまいそうで、だからといってロングライド程度で高価なカーボンバイクを投入するのも気が引ける。今の乗り方ならばSynapse alloyで充分なんだし、Mavicエグザリットの組み合わせによって、さらに走りが良くなるのであれば、増車させる理由なんてますますなくなる。増車させる費用を考えると20万円というのは妥当なように思えてくるようになった。まー、これほどまでにMavicに惚れ込んでいるということになるのかな。Synapse alloyのフレームが自分の想像以上に良いものだったということを再確認できたことも、増車する理由がなくなってしまうな。まー、このレベルのホイールはどんなフレームであっても走りは良くなるのだろうけどね。

今回の試乗でSynapse alloyに合うのはKsyrium SLRということが分かったんだけど、ロングライドで疲れが残りにくいと言われているR-sysも捨てがたい。Synapse alloyで良い具合に乗り味が向上することになるので、他のエントリーモデルであっても結構合いそうな感じはするな。アルミフレームであっても、カーボンフレームであってもMavicは相性が良さそうな気がする。LookにCosmicは悪くはなかったからね。自分はタイヤの選択肢がクリンチャーの一択なので、クリンチャーになるとMavicのエグザリットしか購入対象は存在しなくなる。これ以上のブレーキ性能、乗り心地と安定性、転がりを併せ持つクリンチャーホイールはなかなかないんじゃないの。あるとしたらMavicが出す新製品になると思われる。特にブレーキ性能は断トツだろうから、エグザリットに慣れてしまうと他のホイールに乗せ換える気がしなくなっちゃうのではないだろうか。

余談として、Mavicのメカニックさんと色々と会話をしていると、隣のLookの店員さんがMavicが好きなようで話に加わることとなって、話がさらに楽しいものとなった。白石峠に行くときのブレーキの問題を質問すると、Lookの店員さんの方が詳しく話してくれる状況。なんでも白石峠のトップタイムを持っているのは、今日の講習の先生となった田代さんとのことで、田代さんは昔からMavicを愛用しているとのこと。二人とも自転車好きのサイクリストのようで、好感の持てる方々だったのが印象的。どちらかというと、販売者としてではなく、Mavicの愛好者としてこれらのホイールについて説明してくれる感じが見え隠れしてしまうので、純粋なサイクリストなんだなと感心してしまうぐらいにね。メカニックさんが言っていた通り、数値スペックには表れない部分がMavicのホイールにはあると言っていたことを今回の試乗で体験できたのは大きな収穫だよ。それから、Mavicのメカニックさんが凄かったのは、試乗に際しては、ホイール交換だけでなく、ブレーキシューも交換が必要なため、結構な手間がかかってしまうものになっていたのだが、その手際の良さと快くホイール交換に応じてくれる姿勢に感心してしまった。こういった対応は自分も見習っていきたい。






















0 件のコメント:

コメントを投稿