2014年8月29日金曜日

ブエルタ2014第6ステージでのフルーム、コンタドール、バルベルデの走り

ブエルタ2014第6ステージを見ていて白熱した。フルームとコンタドールはツールドフランスを落車により棄権となってしまい、怪我からの復帰戦がこのブエルタになったわけだけど、この走りを見せられると二人を応援したくなるね。

それにしても、フルームはシッティングでひたすら進んで行く感じになるんだな。コンタドールのリズム感のあるダンシングも凄いと思うし、優勝したバルベルデの走りも凄かった。

理想のダンシングはコンタドール、理想のシッティングはフルーム、こういった気分でサイクリングを楽しむようにすれば、少しずつレベルアップしていくのかもしれない。


2014年8月25日月曜日

フレームとホイールのマッチングってどうなの?

「硬いフレームには柔らかいホイール」
「柔らかいフレームには固いホイール」

これらのフレーズはインプレなどでよく言われているものなので、そういうものなのかと思う一方で、物凄い疑念を感じなくもない。これが真実であるならば、普通の硬さのフレームには何が合うのかと思うし、普通の硬さのホイールには何が合うのかと思うから。何を目的にして、誰に対して、これらのフレーズが出てくるのかと思う。

レース系を求めるならば、速さ以外の性能が犠牲になってしまうのは当然だと思うし、コンフォート系を求めるならば、レース系の速さはないのは当然のことになるだろう。目的がレースになるのか、サイクリングになるのか、これをよく考えるべきで、混同してしまうのは良くないと思った。クルマだって、レース系は公道を走る上で乗り心地が悪い。そこまで行かずにスポーティ系であれば乗り心地は考慮されて設計されていて、これはロードバイクにも同じことが言えると思った。

嗜好の問題だとすれば、どちらを選ぶのも自由だし、好みを選択すればいいのではないだろうか。

結局、振動を軽減させるために、乗り心地を重視する意味での話であればなんとなく納得できるのだけれど、そうであれば、最初からコンフォート系のフレームにすればいい話になるし、そもそも選ぶ基準として固いフレームやホイールを選択することが間違っているのではないかと思えなくもない。

硬いフレームに乗りたいので、ホイールは柔らかいものにしたいというのはどう考えれば良いのだろうか。逆に、固いホイールに乗りたいので、フレームは柔らかくしようというのも同じで、そもそも、そういった性能を求めてフレームなりホイールなりを決めるわけだから、せっかくそういった性能を求めていたのに、ホイールなりフレームなりでその性能を調整しようと考えるのは何故なのだろう。

サイクリング用としてであれば、機材に拘るのは自由になるだろうから、何を選んでも問題はないと思うのだけれど、せっかくの高性能機材を生かそうと思うのであれば、それを追求していった方がいいような気がする。

レース用として考えるのであれば、プロはそのままスポンサーの機材を使っているわけで、自由に選べない立場となる。レース思考であれば、逆にどんな機材を使っても結果を出せるという考え方が必要になってくるのかもしれない。そりゃ、ハイエンドモデル同士の性能はそれほど差がないと思えるけれど、あれだけの種類のフレームとホイールの組み合わせを考えると、それなりに違いはあるのかと思える中で、選手達はそれぞれ頑張っているので、そんなに気にする必要がないのではないかと思う。石畳ステージはフレームとホイールの問題と言うよりもタイヤの太さと空気圧の方が影響が強いようだから、これは別なのかもしれないが。

コンフォート系の柔らかいフレームであれば、固いホイールの方が合うと思われているのだろうか。それとも、レース系の硬いフレームであれば、柔らかいホイールの方が合うと思われているのだろうか。

自分の考えとしては、バイクを選んだのが自分自身なわけだから、自分の身体をそのバイクに合わせることが必要ってことになるのではないかと思っている。レース系のフレームに乗り心地を求めるのもどうかと思うし、コンフォート系のフレームに硬さを求めるのもどうかと思うので、バイクを購入する前の事前情報で、どういった乗り方をしたいのかをある程度明確にしておく必要があると思う。

硬い、柔らかい、ではなくて、「普通」があってもいいと思った。普通に対しても硬いとか柔らかいと言った評価が付いて回ってしまうのだろうけれど、メーカーの考える普通を出せばそれで良さそうな気がする。

自分の場合、コンフォート系のアルミのエントリーモデルにコスミックカーボンを履かせているので、
「硬いフレームには柔らかいホイール」になるのか「柔らかいフレームには固いホイール」になるのか、どっちになるのかよく分からない状態。アルミだから固いフレームだと思うんだけど、一応、コンフォート系になっているわけで、コスミックカーボンも剛性はあると思うのだけれど、固いとも柔らかいとも思っていないというか、よく分からないのが実情。

まー、ロードバイク歴3年目だし、他のバイクにもそれほど試乗していないので、今のバイクの状態がどの程度のものなのかがよく分かっていないだけなのかもしれない。重要なことは、仮に体感で違いが分かったとして、今のサイクリングにどのような影響を与えるのかということに尽きるのだけど、それほどの影響を与える違いがあるのだろうか。

平地であれば、30km/h前後の速度で走行する限り、乗り心地が悪いとか、バイクの反応が悪いとかなんて考えたことはない。そういったことであれば、タイヤの空気圧の調整である程度は乗り味を変えることができるのだから。

問題は峠の下り区間。こういった場所では、タイヤの空気圧の調整だけでは困難なバイクのトータル性能が試されるような気がしてならない。高速域での振動吸収の加減やバイクコントロールの性能、路面が悪い区間であってもそれをものともしないような性能差が出やすいのではないかと。高速域での問題だけでなく、加減速での性能も重要になるのかも。スピードの出やすい勾配のある区間でのブレーキって総合的な性能が出やすいと思う。こういうシチュエーションでのフレームとホイールのマッチングというのであれば、なんとなく理解できなくもない。


写真はcannondale pro cycling より引用


2014年8月24日日曜日

ロードバイクの補給食を考えると、ダイドーのオレンジジュース(さらっとしぼったオレンジ)が最高かと思う

ここ最近の自分の脚力が何故増加してきているのかを考えてみた。ネットや雑誌等ではトレーニング方法やテクニックなどが紹介されているかと思うが、自分なりに考えた結論は、補給食の改善による効果が一番大きかったということ。

特に、ドリンクについて深く考えてこなかったので、スポーツドリンクでいいのではないかと簡単に考えていたぐらいだったし、疲れた時のコーラや炭酸系は美味しいとしか考えていなかったことが背景にある。好きなものを飲めばどれも同じように水分補給になると考えていたことが間違っていたような気がする。

勾配のきつい峠を含めたロングライドトレーニングによる効果で脚力が上昇したと思っているが、そのために、自分はきちんとした補給食を日頃から取るように心掛けていた。補給食といっても、特別な食べ物ではなく、「梅干し」と「にぼし」。毎日のママチャリ通勤でそれなりの汗をかくようになってきたので、「塩分補充タブレット」も欠かさず補給するようにしている。これによって、ロングライドの疲れがすぐ取れやすくなった気がしている。カルシウムとマグネシウムは汗によって失われるということなので、「にぼし」がこれを補充する食べ物になる。

補給食ではないけれど、帰宅してからシャワーを浴びた後に「筋肉痛用のスプレー」を使っていることも効果があるようだ。脚が攣ってから使うことにしたのだが、思いのほか、脚を冷やしてくれるというか、こんなに脚の筋肉に負担が掛かっていたんだなと実感させられるぐらい。日頃のケアが重要だとつくづく実感する。

ロングライドで重要な補給食となるのは、自分の場合はオレンジジュースだった。何故、オレンジジュースになったかというと、熱中症予防や失った汗の補充に関して調べてみると、クエン酸がキーワードとしてよく良く出てくるので、クエン酸が多く含まれている食べ物を日頃から摂取するように心掛ければいいのかなと考えたことに始まる。クエン酸を多く含むのは、柑橘系のフルーツで、グレープフルーツやオレンジに含まれているらしい。

実際、ロングライド後に食べるグレープフルーツは非常に美味しく感じるものだったわけで、なんでこんなに美味しく感じるのか不思議に思っていたのだが、大量の汗をかいた後ではクエン酸が不足していたということだったのだろう。いつもは丸ごと一つ食べるなんてことはなかったのに、大量に汗をかいてしまうと、その酸っぱさが病みつきになるくらいだった。

帰宅後に、グレープフルーツを摂取するのではなく、ロングライド時に常に摂取できるような状況の方が望ましいと思うようになり、2本目のドリンクの補充はほとんどオレンジジュースを選択するようになった。1本目は粉のスポーツドリンクを水に溶かして飲んでいるわけだけど、はっきり言ってスポーツドリンクは美味しくない。レモン味のスポーツドリンクであれば飲みやすいけれど、スポーツドリンクは味に飽きてきてしまうのが欠点。

その点、オレンジジュースはスポーツドリンクほど味に飽きることがなく美味しく飲める。昨日の笠山峠でもそうだったんだけど、1本目のスポーツドリンク後に飲んだオレンジジュースは1.3L。本当に、この味が飽きないんだよね。酸っぱいだけでなく、甘さもあって、飲みやすくて、クエン酸も含まれているなんて、これほどロングライドに相応しいドリンクはないのではないかと思う。帰宅後にもオレンジのアイスを食べてしまえるぐらいだから、無理に飲んでいるわけでもないし、飲もうと思えばまだいける感じ。

自分の場合は、魔法瓶で冷えた状態のドリンクを飲むようにしているので、冷えたオレンジジュースを走行中に飲むとなおさら美味しく感じるんだよね。ぬるいドリンクだったら、全く美味しく飲めないし、疲れも溜まっていくような気がするので、もう魔法瓶を手放すことはできないと思う。念のため、粉のスポーツドリンクと予備の水を持っていくけれど、2本目はほとんどが自販機での補給。

自販機でドリンクを補給する時に、真っ先に探すのはダイドーの自販機。ダイドーは500mlのオレンジジュース缶が置いてあって、そのジュースは果肉成分が少し入っているので、ジューシーさが一際美味しく感じるんだよね。他社のオレンジジュースにはない部分なので、オレンジジュースを比較するとしたら、自分の中ではダイドーが最高と言える。ダイドーの自販機がなかった場合、他社の自販機でオレンジジュースを選ぶことにするが、ここでオレンジジュースがなかった場合は自分にとっては悲劇みたいな感じになるな。ダイドーの自販機は当たり付きの機能があるので、もしも当たってしまうと余計な荷物になってしまうと心配したりするのだが、今まで当たったことがないので単なる杞憂になるのかもしれない。

熱中症予防のタブレットやアミノ酸系のサプリを併用しているが、このオレンジジュースに代わるものはないのではないかと思う。特に、魔法瓶に入れた状態で、常に冷えたオレンジジュースが飲めるというのは、3年目にしてようやく気付いた結論になってしまうが、何故、1年目の初めに気付かなかったのかと思うぐらいに後悔。単なる水分補給でもなく、必要な成分を美味しく飲めるし、エネルギーにもなりそうな甘さもある。これを知ってしまうと、他に選択肢はなくなるのではないかと思った。

オレンジジュース全般に言えることになるのだろうけれど、特にダイドーのオレンジジュースはおススメ。これでロングライド後の変な疲れは抑えられると勝手に解釈している。きついトレーニングをするよりも、こういった補給食の方が物凄く重要になるのではないかと改めて感じる。オレンジジュースを超えるようなドリンクは存在するのだろうか。


















笠山峠に初挑戦。白石峠と同じくらいきつかった。

昨日は笠山峠に初挑戦することになった。結果は走行距離114.7km、平均速度21.3km/h。先週の猛暑で体調が良くないと思っていたのだけれど、なんとか完走することができたのは、脚の筋肉がそれなりについてきたことが大きいかと思う。

勾配が10%を超えるような場所を走行しても、登頂を諦めることはなくなったのだけれど、それでもキツイことには変わりがない。前回の白石峠は初挑戦ではあったけれど、車で何回か登っているし、ロードバイクでも2回ほど下っていたこともあって、コース自体はなんとなく頭に入っていたことが大きい。想定できないコースではなかったので、白石峠に対しては気持ちに少し余裕があったかと思う。

今回の笠山峠はコース自体が初めてになるので、残りはどのくらいで、どういった勾配の登り坂が出てくるのかといったイメージが全くなかった。ネット等で言われている白石峠と同じくらいのきついコースだという程度の認識しかなかったので、それなりの気持ちで走行していたつもりだったのに、きついコースにやられたという感じだった。このコースはキツイ勾配と緩い勾配の繰り返し。インターバルトレーニングみたいな感じと言えばいいのだろうか。

途中で、湧き水で身体を冷やすことができたのは大きかった。きつい登りを攻略するためには身体が冷やせる程度の気温が必要になる。前回の白石峠のときは23℃前後という低い気温に恵まれたので、夏の時期としてはベストな条件と言ってもいいくらい。今回の笠山峠では25℃前後。普通に走る分には問題のない気温だと思うけれど、笠山峠を走行するうえでは高い気温になってしまった。日陰を走る分にはなんとかなったけれど、日差しを浴びる場所になると27℃以上になってしまい、さらに条件がきつくなってしまった。

今回の笠山峠の走行で感じたことは、夏の時期にヒルクライムをする場合には、それなりの低い気温と日差しを遮る区間が重要だということ。こういった条件が整わない場合は、体力の消耗がより著しいものになるかと思った。前回の白石峠ではドリンクがある程度残っていたのだけれど、今回の笠山峠ではドリンクをほとんど飲み切ってしまっていた。気温が1~2℃異なるだけでドリンクの消費量が随分変わるわけで、それだけ身体のコンディションに大きく影響を与える要因だと思う。

笠山峠の良いところは、白石峠級の勾配があるにもかかわらず、車もロードバイク乗りも少ないところ。路面も白石峠より悪くはない。白石峠のような有名な場所よりも、こういった場所の方が落ち着いて走行できるので、機会があれば次も挑戦したいと思う。湧き水があるのも重要で、熱くなった身体を冷やすにはちょうどいい。

峠に慣れていない人あるいは脚力に自信のない人は、もう少し緩やかな峠でトレーニングをしてから挑戦してみた方がいいと思った。上級者のブログでは、笠山峠から二本木峠、白石峠を駆け抜けていくような書き込みがあるけれど、とても真似できる内容ではないと改めて感じる。自分には笠山峠を一回登ればそれで十分で、続けて別の峠を登る気持ちにはなれなかった。



2014年8月22日金曜日

白石峠に初挑戦。やっぱり白石峠はキツイ。

8/13に白石峠に初めて挑戦することになった。結果は走行距離108.7km、平均速度19.06km/h。それなりに準備をしてきたつもりであったが、やはりこの勾配と距離は体力を激しく消耗する。計測区間タイムは40分弱だったので、それなりの目安にはなったのだが、ここを30分で走りきる人達、あるいは22分で走りきるプロの凄さがよく理解できた気がする。

埼玉県民として、自走で行ける範囲に住んでいるロードバイク乗りとして、白石峠のような有名な場所は近いうちに攻略しなければならないと考えていたわけだが、土日の混雑の様子を見ると、とても休日に行く気にはなれなかった。最近の猛暑も行く気になれなかった理由の一つ。

たまたま8/13に休みをとることができて、天気も曇りだったこともあって、絶好の機会が到来したと考えて、早朝に出発して白石峠を目指すことになった。白石峠の入り口前の木の家の自販機で、コーラを補充し、そのまま峠の入り口に向かう。平日のお盆ということもあって、車の走行が全くなく、ロードバイクもほとんどいなかったので、交通に関しては走りやすい状況だった。

白石峠はネットのブログなどで言われているとおりで、序盤の勾配が本当にキツイ。中盤に入ってもキツイ勾配が出てくる状態で、周辺は霧に包まれるかのような環境になっていた。途中で、明らかに自分より速い人に追い抜かれたのだが、ああいった人達が30分切りをするようなライダーになるのだろうと思った。自分の場合は、序盤にスプロケ30tでひたすら進んで行く感じで、勾配のゆるくなる場所になっても、ギアを上げることがほとんどできなかった。

ペースを乱さないように、ひたすらペダリングを続けていく感じで、コーラを細目に飲んでいく状況だった。中盤辺りでコーラを半分以上飲んでいたような気がする。炭酸をヒルクライムのきつい状態で飲むのはちょっと失敗だったのかも。

霧に覆われていたので、山頂の方も雲に覆われているのかなと思っていたら、勝負平の橋の付近では路面が渇いていて、上空も晴れわたっている感じだった。勝負平からの残り2kmは勾配が緩やかになると言われているので、それを信じて上ってきたわけだけど、全く力が入らないし、ギアを上げても速度を上げていくことなんてできない状況。本当に、こんなところから加速していけるのか??って感じだった。勝負平から加速できる芸当を身に付けるのは、自分には無理そうな気がしたな。

そんな状態でなんとか白石峠に到着し、そのまま堂平山に向かうわけだが、もうこの時点で10km/hの速度を維持するのが難しいぐらい。日差しも強くなってきて、まだゴールは遠いなと思いながら進んで行くと、勾配が緩やかな区間に入ったところで、速度が15km/h近く出るようになる。このときほど、15km/hの速度がこんなに速いのかと感動したことはなかったと思う。今まで10km/hちょっとの速度で進んできたわけだし、勾配のキツイところになると5~6km/hにまで速度が落ちていたからね。

こんな感じで進んで行ったわけだが、ようやく天文台が見え始めて、ゴールに到達することができた。今回のサイクリングで堂平山に来たのは3回目になるわけだけど、過去の2回は定峰峠から上ってきたものであって、キツイ白石峠を避けていたんだよね。そういった背景があるので、今回の登頂によって、ようやく目指していた目標を達成したのかと深い感慨にふけることになった。

ちょっと感動したのは、山頂の景色で、周辺一帯が雲海の状態となっていたこと。1,000mにも満たない山頂でこのような景色を見ることができるとは思わなかったな。午前8時30分頃の状態だったから、こういった景色が見られたのかもしれない。

問題は帰り道だった。毛呂山による用事があったので、白石峠をそのまま下るのではなく、奥武蔵グリーンを通って下ることにしたわけだが、これが予想以上にハード。前回は鎌北湖から奥武蔵グリーンラインを登っていたので、白石峠から降りる場合は下り基調となるので、案外楽に進めるのではないかと簡単に考えていた。

早速、最初の難関が高篠峠。白石峠からは下るだけだと思っていただけに、この登りは精神的に応えた。それと、高篠峠に普通のチャリに乗っている高齢の方とすれ違った時は、自分はこんなに疲れているのに、何故、あの人は平気な顔をしてこの峠を走れるんだろう??って感じになったな。

なんとか苅場坂峠に到着して、そのまま下っていくことになったが、なかなか思ったように進んで行かない。下り基調なのに、速度が出しにくいし、ブレーキを握りっぱなしの下ハンドル状態は身体に応えてくる。前日の雨で路面に木の枝や石ころが転がっているのも、乗り心地を悪化させる要因となり、白石峠の登りよりも苦行となる帰り道となった。

もうね、奥武蔵グリーンラインは超人以外はお断りというイメージ。苅場坂付近でランニングをしていた人とすれ違ったけれど、あの人は間違いなく超人だろう。どこから走ってきているのか理解できなかった。鎌北湖に近づいてくると、ランニングをしている人達がチラホラ現れてくるようになる。この辺りをアップダウンをランニングするのは普通じゃない。登りでは、いつまでたってもランナーを引き離すことができないような状態だった。

途中でコーラを全て飲み切ってしまったことも、奥武蔵グリーンラインがよりハードになった要因だったのかもしれない。途中に自販機が全くないのは痛い。日陰ばかりだったので、なんとか鎌北湖に到着できたけれど、ドリンクの補給を軽視してしまったことは反省すべき点になった。

ロードバイク3年目で、週に一回のペースでそれなりの峠を走ってきたつもりだったけれど、やっぱり白石峠はキツイというのが率直な感想。走りきる自信はあるけれど、心の準備が自分には必要だな。毎回白石峠を走っているような人達は、こういった部分でメンタルが異なるのではないかと思う。そして、白石峠と奥武蔵グリーンラインのコンボは凶悪なルートに変貌することがよく分かった。

 
























ロードバイク乗りの心理について

<ロードバイク乗りは2種類に分けられる>

ロードバイクに乗り始めてから3年目となる自分が気付いたことを取り上げてみたい。今の自分が気付いた点は、ロードバイク乗りというのは、次の2種類に分類されるということ。
(1)レースを中心に考えている人
(2)サイクリングを中心に考えている人

そして、次の事項も重要な点になるかと思う。
・機材の性能
・機材の価格
・平均速度、走行距離などの指標の記録
・自分の経験と他者の経験との違い


<背景>

まず、自分の背景にあるものを言うと、ロードバイク購入前に参考にしたのはネットと雑誌が中心だった。購入前に気になったのは、ロードバイクの取り扱いや性能についてだったわけで、雑誌などの宣伝とネットでのユーザーのコメントを気にかけていた。購入後もしばらくは雑誌やネットの情報を参考にするようになったのだが、当初はロードバイクはこういうものなのかと、そのまま情報を受け入れていた。

ロングライドをするようになってからは、ペダリングスキルや身体トレーニングに関する情報収集が中心となり、機材についても気になってきた。これは誰もが経験する話になると思う。雑誌やネットでの情報も「なるほど」という感じで色々と参考にするようになった。行き先で見かける他者の機材が気になってくるのもこの頃だったかと思う。

ロングライドで峠を走るようになると、最初の疑問にぶち当たることになった。自分のバイクの性能は低いのではないか?という疑問。とてもじゃないけれど、勾配のきつい上り坂を何キロも走り続けることはできないと思ったし、これで、本当に10%以上の勾配を登る人達がいるのか??っていう感じ。


<ロードバイク乗りに対する疑問>

ここで問題になるのは、ネットの情報を探せば探すほど、自分の登った峠は大した勾配ではなくて、ロードバイク乗りであれば登れるのが普通であるかのように公開されている点。コンパクトクランク、スプロケ30tなんて必要とされていないかのような情報に影響されることになった。スプロケ30tについては「乙女ギア」なんて呼ばれていたりするし、ロードバイク乗りからすると忌避されているかのようなパーツに見えるぐらいに。ノーマルクランクやスプロケ25tが何かの基準になっているかの印象。

ディープリムが気になるようになってから色々と調べてみると、35km/h以上でなければ効果がないといった情報が多くて、脚力のある人でなければ使えないというコメントが多いことに気付いた。自分のような初級者には使えない代物なのかと思ったぐらい。エアロの効果に関してもポジティブな意見が多いわけではなく、横風や重量に関するネガティブな意見が多い。そして、乗り方に不慣れな初級者に対して警鐘を発しているような情報もある。

ハイエンドバイクについては、価格が100万近くすることもあって、自分からすれば単純に凄いなと思うわけだが、ロードバイク乗りの心理には「ハイエンドモデルに見合った脚力があるのか?」という疑問が常に突き付けられているようなイメージ。ハイエンドモデルに限らず、高額なホイールも同じような見方をされている感じを受ける。

今のラインナップには、いわゆるコンフォート系のモデルが揃っているわけだが、このコンフォート系に対してもネガティブな意見を持っているロードバイク乗りも多いようだ。こういった人達からはジオメトリーがどうのこうのという話が出てくるかと思う。本格的にやっている人達から見れば、理解できないモデルということになるのだろう。実際に、自分が乗っているキャノンデール・シナプス・アロイに遭遇したケースはほとんどないし、初心者も含めて、コンフォート系を選ぶ割合は少ないのではないかと思える。


<初心者が持つロードバイクへのイメージ>

色々な考え方があるので、様々な背景を元にしてそれぞれ初心者がロードバイクを購入するようになるものと思うが、某掲示板のQAを見ていくと、初心者が持つロードバイクへのイメージは次のようになるかと。
(1)速いスピードで走行できる。
(2)長距離を移動することができる。
(3)価格が高い。
(4)良い運動になる。

自分が購入する動機となったのは、ランニングが嫌なのと、遠出することで良い運動になると思ったから。何十キロ先まで自分の力で行くことができるのは、達成感があるものになるし、初期費用が掛かってしまう部分は仕方がないけれど、ゴルフやスキーと異なり、1回の運動は無料になるので、案外安く済むスポーツになりそうだと思っていた。

当初は、興味本位で始めるようなものだったし、いつまで続くか分からない状態だったので、エントリーモデルでいいかと思っていたわけだが、バイクの価格で悩むことになった。迷っていたバイクは、CAAD8、CAAD10、Synapse alloyの3種類。エントリーモデルでいいやと思っていたところで、CAAD10を持たせてもらったら、その軽さに感動してしまった。ただ、当時の考えとしては、20万円はあまりにも高すぎた。

価格を考えると、CAAD8かSynapse alloyの二択となり、コンポのグレードをティアグラに決めてみると、Synapse alloyの方が1万円安かったので、ここでSynapse alloyに流れていくようになった。今思うと、1万円の価格差をかなり気にしていたような気がする。色々と調べてみると、ロングライドと乗り心地を重視した性能と書かれていたので、これぐらいが自分にはちょうどいいかなという感じで購入を決めることになった。

乗り始めた当初は、購入前のロードバイクのイメージのとおりだということを実感できていたわけだが、公道で他のロードバイク乗りを見比べていくにつれて、(1)と(2)のイメージが実際の自分の実力と、ネット等の情報で得られたものとかなりの開きがあることに気付くことになる。最初は50kmを走行するだけでもハードな運動だったし、これでもロードバイク乗りを名乗ってもいいのかなと思っていたのだが、100kmのロングライドを余裕でこなしている人達を見てしまうと、(1)と(2)はイメージしていたものと違ったんだなと感じた。

結局のところ、自分がママチャリに乗る時と比べて、速度が出やすいし、長距離もこなせるということが真実だった。ロードバイクに乗ったからと言って他者よりも速くなるわけではない。ここに、ネットや雑誌でみてきたことと大きな違いがありすぎると思ったな。だって、ネットでは40km/hの速度は簡単に出せるとあるし、ユーザーのコメントや記録を見ても、それぐらいは出せそうな気がしてくるような情報が多いから、自分もそういった感覚に陥りやすくなるのではないかと思った。


<ネットで見かけるロードバイク乗り上級者の共通事項>

確かに、自分の実力が不足していたことは間違いないが、ネットで見かける内容では、「平均速度〇〇で100~200km走行してきた。〇〇峠のタイムは◇◇で、いつもより乗れていなかった。反省点は~~」と言った内容が多いように思える。タイトルもそうなんだけど、自虐的な言葉を使っているケースが多いように感じる。

「これではまだまだ足りない」とか「誰誰さんはもっと速かった」とか「出力はこのぐらいしか出せなかった」とか「次はもっと上を目指したい」とか。彼らはブログ上で「上級者」という言葉を用いないので、当初はロードバイクに乗ればこれが普通の数値かと思っていたんだよね。そのうち自分も近づくレベルになるのだろうか、なんて思ってた。明らかな初級者のブログと見分けがつかなかったんだ。初級者のブログでは、走行距離や平均速度をあまり載せていないので、余計に判断がしにくかった。

1年目はそれほど有名な峠に行っていたわけではないので、ネット上の話はよく分からないものだった。だから、これらのブログに示された平均速度と走行距離がとんでもないことに気付くことはなかった。しかし、2年目になって、それなりに勾配のある峠に行くようになると、それがオカシイ数値だとようやく気付くようになった。自分がやっと登れるような峠を簡単に登れる人達は普通じゃないと強く思うようになったわけだ。

ネットで見かけるロードバイク乗りの共通事項として、自慢をするような内容は一切なく、常に自分に妥協しない姿勢。こういったブログに感化されてしまうと、平均速度が25km/hでも遅い部類になるだろうし、巡航速度も30km/hが余裕でなければ普通じゃないと言った考えを持つようになってしまうのではないだろうか。機材への拘りも普通じゃないのだが、何故か、ハイエンドモデルについては自分の実力を卑下するかのような発言ばかりで、「このバイクの性能に見合う実力が必要」とかね。

速度に関しての実態としては、平均速度25km/hというのは、走行時のサイコンメーターが30km/h前後であるような状態でひたすら走り続けて出てくる数値。信号などの停止がある場合には、さらに走行時のサイコンメーターの数値を高くする必要があるので、市街地で平均速度25km/h以上を出そうとするのであれば、サイコンメーターでは35km/h近くの数値を出す必要があると思える。「信号で停止がなければ平均速度は上がる」なんて言っている輩もいるようだが、平均速度を上げるのはそんなに生易しいものではない。信号停止による休憩によって、サイコンの計測が止まるだけでなく、体力が回復することを忘れている。実際にサイクリングロードを休みなしでひたすら走る時の辛さを噛みしめれば、信号停止の有難さが重要だと思えるはず。

3年目の自分の実力としては15分間であれば、なんとか30km/h以上の速度を出せるといったところ。ただし、向かい風の場合はこの速度を維持できないし、逆に追い風ではどうなのかと言えば、15分間も維持できるルートが荒川サイクリングロードしか存在しないので、一般道ではどうなのか分からない。荒川サイクリングロードですら、県道を跨ぐ時に停止するわけで、周回路でない限り、他にはそんなルートはないのかも。向かい風や追い風、登り基調や下り基調による影響が反映されるので、普通に走っていてサイコンの速度が30km/h以上になったときに感じるのは、今は追い風なのかなとか、下り基調なのかなと言った感じになる。逆に普通に走っているのに30km/h未満の場合は、向かい風か登り基調になるわけで、サイクリングロードにしろ、峠を目指すロングライドにしろ、要は理想的な平坦で無風の状態なんてあり得ないということをつくづく感じる。そういう理想的な状況というのは屋内でしか存在しないのではないだろうか。

サイクリングロードでの平均速度と、峠を目指すロングライドの平均速度は別物になるので、両者は比較の対象とすべきではないと考えている。ところが、上級者の峠を含むロングライドでは平均速度が25km/h近いものになっていて、これって、要は自分がサイクリングロードを駆け抜けるペースで峠を通過していく感じになるんだよな。自分から見れば、異次元の世界。

ロードバイクの購入を検討している人を含めて、初心者にはこういった上級者のブログが少なからず影響を与えていると考えている。そして、こういった指標が少なからずロードバイク乗り全体の心理に影響を与えていることになっているのではないかと。

自分が思うのは、こういったレベルの人達は、サイクリングなんてレベルではなくて、レースに出ることを前提にした人達だということ。そうでなければ理解できない。だって、理想としている数値が高く設定されているし、満足することがないわけだから、これって要は競技選手の考え方ってことになるのではないかと思うね。

厄介なのは、こういったレベルの話とレースに出ない輩が、サイクリングを中心に考えている人に色々と話をしてくることになること。レースを目的にしているのであれば、目標としている数値は達成できる数値ではダメだろうし、常に目標は高くなると思うが、それをサイクリングに当てはめてしまうと、何の話をしているのか分からなくなるんだよな。こういったところで、話を分けることができない人が少なからずいることに対して、ロードバイク乗りの心理が隠されているのではないかと感じる。


<機材の性能とその人の実力が折り合う必要性があるのか?>

自分の考えとしては、最初に挙げた2種類のロードバイク乗りによって、次のとおりになるのかと考えている。
(1)レースを中心に考えている人 → ハイエンドモデルを更新し続けて乗った方が良い
(2)サイクリングを中心に考えている人 → 何に乗っても自由

レースを中心に考えれば考えるほど、機材に妥協する必要はないと思うし、バイクの性能を引き出せないなんて考えも必要ない。毎年購入する必要もないと思うけれど、2~3年で乗り換えた方が安心できるのではないだろうか。実力に折り合っていないのであれば、そもそもレース用のバイクに乗れる資格はないとも思えるので、実力に折り合っていないなんて考えることはないと思う。どちらかというと、コストの方が問題になるのかと思う。

サイクリングを中心に考えている人であれば、何に乗っても自由だし、レース用のハイエンドであっても、エントリーモデルであっても何も問題はないと思っている。価格帯についても、その人にとって無理のないモデルを選べばそれでいいわけで、機材の性能どうのこうのについて、深く考える必要はないのではないだろうか。実力があってもなくても特に関係のない話になるだろう。運転経験の少ない人がフェラーリやポルシェに乗っていいのと同じ。安全に乗るのであれば問題はないと思う。

問題は、レースを中心に考えているかのような人。こういった人達がロードバイク乗りには一定数いるような気がしてならない。何故かというと、最近、口論となることがあったのだが、サイクリングを中心にしている自分と意見があまりにもかけ離れすぎていたから。何に乗っても自由という発想はあるようだが、何かと注文を付ける言動になるようだ。「その程度の峠なら~」とか「巡航速度〇〇は軽いだろう」とか「コンパクトだからな」とか。

結局、レースを中心にして、実際にレースに取り組んでいる人であれば、サイクリング思考の人にそんなことは言わないだろうし、サイクリングを中心にしている人同士であれば、機材はなんだっていいんじゃないのってなるし、両者で口論になることはないと思われる。しかし、レースを中心に考えているかのような人達は、素人がハイエンドモデルに乗っていることに違和感を感じるようで、実力に見合ったバイクに乗っていないと黙っていられないようだ。それが、例え、サイクリングを中心にしている人達であってもね。

実力に見合ったバイクが必要なのか?って話になると、自分は全くそう思わない。ハイエンドモデルであっても、エントリーモデルであっても、なんでもいいし、金銭に余裕があるのであれば、むしろイエンドモデルの方がいいのではないかとさえ思っている。まー、実際に自分がハイエンドモデルを購入することになると、盗難や小キズの心配が増えるので、飾っておくだけになってしまうような気がするので、なかなか手を出せないでいるわけだが。


<何故、レースとサイクリングを混同する人がいるのか?>

「ロードバイク=レース」と考えている人は、これから始めるような人達にはそれほどいないと思える。東日本大震災をきっかけにして、自転車愛好家が増えてきたことが背景にあると思うが、今のロードバイクのブームは健康志向で始めている人がほとんどのような気がするんだよね。自分もそうだったわけだし。このことに合わせて、メーカーも初級者向けの機材を準備してくるようになって、ちょっと昔には考えられなかった機材が増えてきているわけだ。

昔はノーマルクランクだったわけで、スプロケも25tぐらいで大きいと言われていたことが、ネットや雑誌で知るようになってくると、今の機材と昔の機材では明らかに差があったのだなと思う。この時代からロードバイクに乗ってきた人達は「ロードバイク=レース」だったのだろうし、一般人向けではないこともあって、限られた中でしか市場がなかったと思える。

確かに、一昔前のロードバイクであれば、どのモデルに乗っても、自分のような脚力では乗りこなせないし、乗りこなすようなものにはなっていない仕様だと思う。それに乗っているだけで、一般人ではなく、ちょっとしたレベルの人だろうなと想像はできる。タイヤも今よりも細かったようだし、クリンチャーモデルもなかったのではないだろうか。チューブラーなんて、ますます一般人向けではないわな。

レースに参加していなくても、ロードバイクに乗っているだけで、レースを語れるような気分にさせてくれたのが、当時の状況になるのではないかと想像している。でなければ、「実力に見合った性能のバイク」なんて考えも出てこないと思う。

<ロードバイクの仕様の変化>

自分が思うのは、一昔前のロードバイク乗りは、ロードバイクに乗っているだけで特別であることを感じていたのではないだろうかということ。例え、レースに出ていなくても、乗りこなすだけで普通ではないと思える。当時の状況を考えると、ロードバイクよりも速い自転車なんてなかっただろうから。今よりもロードバイク人口が少なかったわけだから、より特別な感じを受けていたのかもしれない。

時代が変わって、誰にでも乗りこなせるような仕様のロードバイクが安価で登場してくるようになると、ロードバイクは特別なものではなくなってきたわけだ。昔のロードバイクの概念とは異なるロードバイクの登場に対して、昔から乗っている人達は何か感じるところがあるのだろう。

でもね、自分から言わせてもらうと、サイクリングに必要な機材を選ぼうとしたら、ロードバイクが選択肢になったわけで、元からレースなんて考えていないし、ノーマルクランクやスプロケ25tが標準装備だったとしたら、サイクリングが苦痛になるだけで、ロードバイクを楽しむことなんて出来なかった。

今のティアグラからスプロケ30tがようやく登場することになったようで、それまでは最高でも28tだったようだ。昔からロードバイクに乗っている人は凄いんだなと思ったりもしたのだが、ある程度の実力がつくようになった3年目にして感じるのは、本当に当時の仕様で色々なところに行けたのだろうかということ。


<行き先を絞れば、ノーマルクランクでもスプロケ25tでも問題はない>

3年目の自分は、コンパクトクランク50-34t(Q-rings)とスプロケ(12-30t)の装備であれば、埼玉県内のどの峠であっても登れる自信がある。タイムはひとまず置いておくとして、無理をせずに登っていく感じでね。コンパクトクランクと30tのスプロケが必要になるのは勾配のキツイ峠であって、平地であればこの組み合わせは必要でもないのかもしれない。ただ、サイクリングで色々な場所に行こうとすれば、必ずこういった峠に出くわすわけなので、平地であってもこの組み合わせに問題はないし、ノーマルクランクに変えようなんて微塵も思わない。

おそらく、1年目の自分であっても平地であれば、ノーマルクランクでも問題なく乗れたと思う。自分の住んでいる場所は平地だし、多少のアップダウンも勢いで行けるだろうから、それで問題はなかっただろうという気がするんだよね。問題は、白石峠級の勾配のある登坂。こういうところは本当の上級者しか走れなかったのではないかと思う。だって、自分が免許を取りたての頃に、車で白石峠やグリーンラインの林道を走ったことがあるわけだけど、ロードバイク乗りは全然見かけなかったから。今よりロードバイク乗りが少なかったのかもしれないが、たまにみかける人達は競輪選手のような感じだったので、普通のロードバイク乗りが来るような場所ではなかったんだろう。

結局のところ、行先を絞れば、ノーマルクランクの昔の仕様であったとしても、誰でも乗れるものだったのではないかと考えている。これで白石峠をクリアしているような人であれば、それは別の話で、その人は本当に実力のある人。白石峠にほとんど行かずに、平地や標高の低い峠ばかりに乗っている人達は、今の自分の実力とそれほど変わりがないのではないかと思っている。


<ロードバイク乗りには中年以上が多い>

おそらく、ノーマルクランクの時代を経験している昔ながらのロードバイク乗りは、当時の状況と今の状況を比較して、現実を直視していない人が一定数いるのではないかと思っている。プロと同じ仕様のギア比のバイクを乗りこなしてきた自負があるのかもしれないが、それはそういった仕様で毎週のように白石峠のようなところに行ってきた人達が持つものではないかと思っている。

遠出してきたことやキツイ峠を完走してきたことに対して、サイクリングを中心に考えている人にはそれで充実感が得られるはずだし、このことを話し合うことで色々な意見交換ができるわけだが、この昔ながらのロードバイク乗りにとっては、このことが納得がいかないらしい。「ロードバイク=レース」という妄想があって、機材のウンチクやタイムが遅くなることについて、他者にも同じレベルで求めてくるような人達がいるのではないだろうか。

そうでなければ、30tのスプロケを貧脚仕様だといか乙女ギアなんていうことはしないだろう。サイクリングを中心に考えている自分からしてみれば、目的地に達することが目的であって、機材の条件縛りが目的になるなんてことはない。だから、自分で扱いやすい機材の仕様にすることに何の問題もないし、自虐的に貧脚だなんて思うこともない。そんなことを考える必要はないんだよね。サイクリングを楽しむためにはさ。

自分としては、踏むこともできない仕様でロードバイクに乗っている方がおかしいと思う。平地限定とかそういう問題ではない。例え、平地仕様だとしても、最低限、どんな場所でも踏めるような実力がないと話にならないのではないかとね。

上級者気取りになるのもいいけれど、人の機材にあれこれ言ってくる奴には碌な奴がいないと思えるのはまさしくこの部分からきていることであって、ノーマルクランク時代から乗っているような人達に多いような気がしてならない。大体、今の時代に初心者が完成車で買うようなバイクは、そもそもコンパクトクランクであることがほとんどだし、ノーマルクランクなんて、フレームセットで買うような人向けにしか思えないからね。中年であっても、今から始めるような人達であれば、そこまでノーマルクランクに対して特別な感情はないと思えるので、機材に対する思い込みはこういった中年に多いような気がするな。


<ロードバイク歴の長い人の意見は参考になるか?>

今の機材と昔の機材の仕様が大きく異なると思うので、機材に関しては参考程度に聞くぐらいがいいと思っている。よく聞いておいた方が良いと思うのは、過去にトップレベルに近い経歴であって、現在の機材にも精通しているような人。トレーニングの仕方や機材の性能の違い、メンテナンスの方法について非常に為になるかと思う。

ただ長く乗っているような人は、悪いけれど、参考にしない方がいいと思う。サイクリングにも否定的になるだろうし、レース向けの話だったり、過去の機材はどうのこうのっていう自慢だか何だか分からない話になるだろうから。

レースで上を目指しているような人達は、本当の意味で、そういったレベルだった人の意見をよく聞いた方がいいと思う。それと、一緒に走ってみて、速くて強い人であれば、そういった人からも貴重な意見が出てくるのかもしれない。


<ロードバイクのトレーニングはどうあるべきか?>

機材に関しての話を追求していくと、結局はエンジン次第になるのではないかということになる。そうすると、どういったトレーニングをすれば実力を上げることができるのかといった話になるかと思う。ここで、雑誌やネットで調べると、LSDだったり、ケイデンスがどうのこうの、心拍数がどうのこうの、効率の良いペダリングとは何か、とか色々な情報にあふれているので、自分で試したり影響を受けてくることになるかと思う。というか、自分が実際そうだったので、人のことを言える立場ではないんだけどね。

自分の結論は、トレーニング理論は特に覚える必要がなくて、次のことを実践すればそれでいいと考えるようになった。
・キツイ勾配のある峠を繰り返し走る
・ロングライドを続ける
・適切な補給食の摂取

強くなるためのトレーニングはこれだけで十分だと思っている。バイクコントロールに関しても、峠の下りで自然と身に付くし、アップダウンのある峠であれば、自然とLSDみたいなトレーニングになる。強度が足りないと感じられるようになれば、タイムを縮めることに考えをシフトすればいい。登りも鍛えられるし、高速域でのバランスのとり方も鍛えられる。平地ではできないことなんだよな、これって。

自分が脚力に自信をつけるきっかけとなったのは、1回目に二本木峠を登った時に帰りの途中で両足を攣ってしまい、途中でリタイアしたこと。このときは補給が失敗したこともあって、これ以降はきちんとした補給を摂取するように心掛けている。失った汗を補充するのは水分だけではダメで、塩分チャージのタブレットやオレンジジュースがいいようだ。クエン酸やカルシウム、マグネシウムが必要だということを理解してからは、毎日梅干しを食べるようになったし、これによって、翌週までに疲れが残るようなことはなくなった。このことで、翌週での峠の含めたロングライドを無事にこなすことができるようになり、毎週続けられるようになった感じ。サイクリング時の補給だけじゃダメで、日頃の補給が重要ということがよく分かった出来事になる。

今よりももっと強くなろうとする場合は、単純に走り込みの量を増やすだけ。週一回のペースを二回にするだけで、かなりの実力が身に付くと思っている。ただ、そこまで走り込みをするメンタルが今の自分にはないので、現状維持が良いところになるのかな。

問題は、こんな単純なトレーニングで十分なはずなのだが、出回っている情報は違うようだ。色々と理論に基づいたトレーニングをネットや雑誌で紹介されているし、ブログなどを見ると、そういったトレーニングで今日はどうだった、こうだったといった話が出てくるので、最初はそうなのかなと思っていた時期もあった。そのためには、サイコンを買い直してログを取ったり、心拍数でのトレーニングも考えないといけないのかなと思っていたんだよな。

平地ばかりを走っていたり、ローラーでのトレーニングが中心になるのであれば、こういったトレーニング理論は重要になるのかもしれない。だけど、往復100kmぐらいの距離でキツイ勾配のある峠のルートが選べる環境に住んでいるのであれば、そんなことをする必要はないと思っている。

トレーニングについても、機材と同様に色々とウンチクを持っている人は多いと思うし、ロードバイク乗りの心理から見ても、非常に重要な要素になるのではないかと思うだけに、こういったところで深い議論となって話は平行線になることも多くなるのかもしれない。

自分が感じているのは、LSDどうのこうのなんて話はトップレベルの選手に当てはまるようなことであって、サイクリングを中心に考えているような人達には、キツイ勾配の峠を繰り返すだけで十分ということを強く言いたい。こういうトレーニングって、ネットや雑誌で見る限り、それほど主張されているわけではないみたいなんだけどね。でも、自分の経験からしてみれば、峠に通うようになってから太腿の筋肉が付いてきていることを実感できているし、平地でのトップスピードも明らかに上がってきている。平地での走り込みではここまで行かなかったと思うよ。

自分の考えを繰り返す言うことになるが、一番良いトレーニングは峠を含めたロングライドであって、これを実践するためには、とにかく今の実力で完走できるギア比でなければならないということ。この意味で言えば、貧脚用スプロケなんて言葉もいらないし、乙女ギアなんて言葉も出てくるはずがない。実力がついてから、スプロケを変えていけばいいし、そもそも、サイクリングであれば12-30tで十分というか、これがしっくりくる。こういった装備に対して、貧脚だなんてことを言う人がいるのであれば、その人の実績を逆に知りたくなる。

レースレベルの人がサイクリングレベルの人を批評しているのであれば、そもそも筋違いになるし、だったら32tを使用しているフルームやコンタドールに同じことを言えるのかと思っちゃうんだよね。facebookやtwitterを利用すれば本人にメッセージが届けられるのだろうから、直接伝えてほしいと思っているし、どんな回答が出てくるのか教えてほしい。フルームやコンタドールは過酷なレース専用の話に限定しているからといった変な条件付けもあり得ないな。そりゃ、タイムトライアルでは32tは使わないだろうけれど、レースでの選択肢に32tのスプロケを考慮して戦っているわけだからね。あれだけの長距離を走るわけだから、脚の負担を少しでも軽減させる意味で32tは重要なギアになるはず。彼らのようなアスリートで使うギアになるのであれば、一般人にはもっと大きいギアでもいいんじゃないのかと思えなくもない。個人的には34tぐらいあってもいいと思っている。

レースに参加しているのであれば、スポーツの残酷なところで戦っているわけだから、勝つために必要な機材を整える必要があるはずで、それが32tのスプロケに表れていると思うんだよな。そして、実際にそれで大きな実績を残しているわけで、これは否定のしようがない大きな成果になる。ただ、こういったことも、昔ながらのロードバイク乗りには理解できないことになるのかも。


























2014年8月11日月曜日

ハイエンドモデルで気になるのはLOOK 795

LOOKから新たに登場するハイエンドバイクが気になる。そのモデルは795。特徴はステムがフレームと一体化した外観で、今のモデルで言うと675に近い形となっている。特徴的な外観だけでなく、エアロ化したフレームなどの最新テクノロジーが満載されている感じ。

ネットで調べてみると、このデザインに対して好意的な意見よりも、否定的な意見が目立つような気がしてくるが、自分の感覚で言うとこのデザインは大いにアリ。キャノンデールのマウンテンバイクのレフティを初めて見た時のような印象と同じで、周りの自転車がどれも同じように見えてくる中で、非常に個性が光るものなのではないかと感じる。

デザイン論は好みだろうし、昔のデザインの方が~~~っていうのであれば、新型にそれを期待するのは違うような気がする。全く同じデザインで出しても新鮮味がないんだし、デザイン造形の自由度が高いカーボンバイクにそんなことを求めるのはなんだかね。トラディショナルなスタイルを求めるなら、それは既に製品として販売しているのだから、それを選べば十分なのではないだろうか。回顧主義的な意見でこのバイクを語っても何も答えは出てこないんじゃないかと思う。トラディショナルを追求するとしたら、おそらくそれはクロモリであって、カーボンフレームにはトラディショナルなスタイルはまだ当てはまらないだろうから。他のエアロフレームを見ると余計に、カーボンフレームのスタイルというのは進化が続いていく感じがするからね。795もその過程の一つになるのかもしれない。

自分としては2台目を考え始めているので、まー、本当に買うようになるかどうかは別として、色々なメーカーのハイエンドモデルを見てくると、どれも似たような形のバイクに見えてきて、どれを買っても結局はそんなにデザインの差はあまりないのかなと思うようになっていた。エントリーモデルからハイエンドモデルまで、それほどデザインに差があるわけではないのかなと考えていたわけだが、LOOKに関しては違うと言えるようだ。LOOKのステム一体型のフレームはどのメーカーとも比べようがないデザイン。

ショップの試乗会で675を試乗していたことも好印象を受ける要因の一つ。写真やカタログで見るよりも実物はカッコいいのが印象的だったし、自分のシートサイズに合わせた状態の試乗車を改めて見てみると、自分の身長サイズであっても十分にカッコよく乗りこなせそうな気がしてくるんだよな。

Cosmic carobone SLEとの組み合わせも素晴らしかった。LOOKとMavicは相性が良いんだろうなと試乗会の時に感じたわけで、Cosmic carbone SLEを手に入れた今の状況であれば、フレームをLOOKにしても悪くないというか、それが正解なのではないだろうかと深く考えさせられてしまう。

ロードバイクのデザインはほとんど固定化されてきているのではないかと感じていただけに、675と795のデザインはあっと言わせる迫力がある。最初は675が異質なのかなと思っていたのだけれど、ハイエンドモデルでステム一体型を出してくるとは想像できなかった。

キャノンデールのスーパーシックスは、本当に正統派といったデザインになると思うし、この形が自分が昔から見てきたロードバイクの王道というか、そのものといったバイクになるのだろうけれど、昔ながらのデザインが今もそのまま受け継がれていることに違和感を覚えてくるようになってしまうと、むしろ、675や795のデザインが正当な進化なのではないかと思えるようになってくる気がしなくもない。

本来であれば、キャノンデールからこういったデザインのバイクを出して欲しかった。キャノンデールって、結構色々なデザインを出してきたんだよな。すぐに消えてしまうデザインも多かったけれど、バイクの可能性を探っていくかのようなデザインは見ていて新鮮だったし、きちんとした性能を持っているものがほとんどだったかと思う。回顧主義や保守的な考えに陥ることなく、デザインの可能性に挑戦し続けていく姿勢は高く評価したい。

ロードバイクの愛好家の中で評価の高いブランドというところに魅力を感じているわけではないし、歴史のあるブランドに魅力を感じているわけでもない。LOOKの場合は、ただのデザインに留まる会社ではなく、性能も評価した上での製品化であって、独自に進化していくところに惹かれてしまうのかなと思った。こういったメーカーの考え方には共感してしまう。

ハイエンドモデルではない675であっても、プロチームで使用されているくらいなのだから、ステム一体型のデザインはトップレベルのライダーにも支持されているのだろう。ステム一体型となることで、トップチューブとダウンチューブの三角形が大きく取れるようになるので、結果として通常のステムのフレームで見れば、1サイズ上のフレームの性能を手にすることができるのではないかと思える。

自分の体格に合ったサイズを選ぶのが基本なわけだけど、可能な限り、フレームの三角形が大きい方が良いような気がするんだよね。身長の大きい人ならこんなことで悩む必要はないけれど、自分のように普通の身長であっても、フレームの三角形が大きく取れるバイクを選べるようになるのは大きな魅力になるかと。


 
 
 
 

2014年8月10日日曜日

トレーニングは田舎の林道が一番良いと実感

昨日のライドは鳩山町の物見山、越生町のクスノキを目指すものとなった。走行距離は81.7km、平均速度は23.3km。台風の影響で昼前には雨が降りそうな感じだったけれど、なんとか大降りの雨を避けることができた。昨日のライドでは雨を避けるため、なるべく早く帰ることを心掛けていて、距離よりも強度を考慮したサイクリングになったので、ロングライドと言える距離ではないが、結構疲れが残る充実したものになった。

自宅から自走で走りやすい場所で、距離もそれほど遠くない場所と言ったら、越生か都幾川になる。今まであちこち走行しているわけだけど、この辺りの走りやすさと、自宅からのアクセスという面では他に比べるところは無くなってしまう。越生の梅林近辺やときがわ町を基準にしてしまうと、鳩山町の物見山が悪く見える環境になってしまうのは仕方がないのかも。

越生の梅林付近は最近走るようになったのだけれど、飽きさせないコースと少ない交通量、走りやすい舗装路、どれをとっても申し分ないところだと思う。弓立山も良いルートになるかと思うが、越生梅林の良いところは、あちこちと林道と生活道路がつながっているところにあると思う。目的地を適当に決めても、それとなく試される登坂が出てくるし、下り坂も本当に気持ちが良い。奥武蔵グリーンラインまで足を延ばさなくても、一人でブラブラ走行するには一番良い場所になるかと思う。

鳩山の物見山と越生の峠を登った後は、入間川サイクリングロードで帰路についたわけだけど、以前と比べて、平地の走行で維持できる速度が増してきたような気がする。最後の荒川サイクリングロードに合流する上江橋までの土手上で、なんとか35kmの速度を維持できるようになったのは、毎週続けている峠での走行の成果なのかと感じる。これは、峠を走りこんでいなかった1年目、2年目では出せなかった速度。

トレーニング理論やペダリングスキル、バイクの性能、色々と向上させるべき課題は出てくるわけだけど、ロードバイクのトレーニングって、そんなに難しく考えるものではないと思えるようになった。峠での走行を続けているだけで自然と体が鍛えられていくようになることが分かってくると、これで十分に楽しめるものだと思えるんだよな。

峠を上りきったという充実感は、平均速度やケイデンス、心拍数などの数値で評価できるものではないと思う。交通量の少ない田舎の静かな林道を駆け抜けていくことがロードバイクの一番の魅力であり、リラックスしてストレスフリーで走ることが心身の健康に役立つことなのだと実感している。この魅力と充実感は、ハイエンドモデルであろうが、クロスバイクであろうが、同じだと思えるんだよな。逆にいうと、この環境こそが、ハイエンドなもので他に変えられないのではないかと思ってしまうぐらいに。

自走で行ける往復100km以内の距離で、交通量の少ない林道でそれなりの峠があるところ、この条件であれば、それほど無理なものではないし、継続していくことが可能かと思う。登り坂で負荷をかけたトレーニング、下り坂では車体コントロールのトレーニング、平地では巡航のトレーニング、目的地を越生の梅林とすることで、これらの全てが可能となる。越生町がちょうど良い距離にあって幸せだと思った。










2014年8月7日木曜日

3年目の自分が欲しいと思う理想のロードバイクはCAAD10 disc

やはりというか、ロードバイクは奥が深い乗り物だとつくづく感じるようになってきたのは、本気で2台目のロードバイクを考えてみると、まだまだ悩むことになりそうな気がしてくるから。

今の自分の思考を整理してみると、
・ハイエンドモデルのカーボンバイクが一番良い選択になることを理解している。
・重量が軽いバイクが役立つことを理解している。
・登りに強いだけでなく、下り坂でのコントロールがしやすいバイクを求めている。
・空力性能は普通にあれば十分だと理解している。
・平地の走行であれば、エントリーモデルで十分だと理解している。
・ディスクブレーキモデルが充実してきていることを把握してきている。

これらが自分の理想となるロードバイクのヒントになる。

ハイエンドモデルの魅力に抵抗するのは簡単なことではないし、これが最新のロードバイクの性能だということを考えれば、特に悩む必要はないのだけどね。やはり、一番気になるのはディスクブレーキモデルが台頭してきていることに尽きる。

今日、ショップの店員さんにディスクブレーキモデルのロードバイクについて、話を聞かせてもらう機会に恵まれたので、そのアドバイスを含めて、少し整理してみたい。店員さんによると、ディスクブレーキモデルについては次のとおりとなった。

・CAAD10のリムブレーキモデルとディスクブレーキモデルの重量を比べると、若干ディスクブレーキモデルの方が重い。同じモデルを比較すると、ディスクの方が重くなるようだ。
・ディスクブレーキモデルには、太いタイヤを履かすことが可能だが、あくまでロードバイクとしてのタイヤであって、27,28ぐらいの太さが限界。
・シクロクロスのような28よりも太いタイヤではフレームと干渉してしまう恐れがある。
・マウンテンバイク用のディスクホイールを履かすことが可能。しかし、マウンテンバイク用はもともとが太いタイヤ用であり、ホイールの幅がロードバイク用よりもあるので、全てのマウンテンバイク用のホイールが適合するわけではない。
・マウンテンバイクの29インチ、27.5インチのホイールを履かすことは可能であるが、ホイールの幅の問題もあるので、シクロクロス用のディスクブレーキ用ホイールを選択した方が無難。
・ホイールの取り外しについては、リムブレーキの方が楽。ディスクブレーキの場合、ローターとパッドの調整が少し面倒。
・油圧式のディスクブレーキであっても、油は密閉されているので、バイクを多少ひっくり返した状態にしても問題はない。車で10時間程度運ぶ程度なら問題はないとのこと。1日中ひっくり返しておくのはお勧めできないらしいようだが。
・富士山の下りぐらいであれば、ローターの摩擦によってブレーキが効かなくなるということはないらしい。ローターが熱をもってしまい、ブレーキが効かなくなる状態が仮に発生するとなれば、リムブレーキでも相当な熱を発生する事態になるとのこと。
・レースの集団になると、ディスクブレーキモデルに課題はあるが、プライベートで走行する分には全く問題はないのではないか。

まー、取り扱いについてはリムブレーキの方が楽であることは間違いないようだ。ディスクブレーキにも色々と課題があるのかなと考えさせられるのだが、マウンテンバイク用のホイールを履かすことが可能という点は、新たな知見が得られたように思う。

店員さんによると、Cannondale syanpse のモデルにMavicのcrossmaxを履かせたデモ走行があったとのことで、フレームのエンド幅が135mmであれば、マウンテンバイク用でも履かせることが可能ということに魅力を感じる。

今のバイクの性能に満足できない点があるのは、下り坂での性能であって、今までは単に強力なブレーキが欲しいと思っていたわけだけど、それだけではないということに気付くと、ここで一気にブレーキディスクモデルへの期待に火が付くようになってしまう。

下り坂では太めのタイヤを履かせたくなる。速度を求めているわけではないし、安全に下りたいというのが一番なわけで、路面が悪くてもグリップが失われないような性能が欲しいと思っている。そして、ハンドルにガツンとくる振動を極力無くしていきたい。

平地での乗り心地であれば、カーボンフレームでの振動吸収が役立つのかもしれないが、下り坂での手にガツンと来るような嫌な振動は、23cのタイヤだと限界があるのではないかと感じている。25cあるいは27cぐらいのタイヤで下り坂を行くと、随分と気持ちよく走ることができるようになるのではないかと想像してしまう。

それと、ロードバイクではリアブレーキをほとんど使わないと言う意見もあるようだが、下り坂で重要なのはバイクコントロールであって、このためにはリアブレーキの動きが非常に重要。平地ばかりを走っていると、リアブレーキをそれほど気にする必要はなく、フロントブレーキの動きが重要だと認識してしまうのかもしれないけれど、峠を下るたびに感じるのは、リアブレーキはフロントブレーキと同じくらい重要だということ。

ディスクブレーキモデルに期待しているのは、ブレーキの効きが良くなることだけではなく、フロントとリアのブレーキの両方でバイクを上手くコントロールできるようになるのではないかということに尽きる。

重量で考えるとリムブレーキの方が優位になるわけだけど、今の自分のエントリーモデルのバイクより軽ければ、それで十分だと思っているので、重量はそれほど気にしていない。7kg以下が理想といえるけれど、7kg台でも今のバイクと比べれば、十分に軽量化の恩恵を感じることができるだろうから。

そうすると、今のラインナップで、自分の理想は何になるのかと言えば、CAAD10 discの一択。synapse carbonのディスクモデルも悪くはないけれど、2台目もsynapseになるのはちょっとなぁと思うんだよね。ハイエンドのディスクモデルだと価格の面で躊躇してしまうし、ある程度の軽量モデルで長く使えそうなものとしたらCAAD10の実績と価格は高く評価できるんだよな。ちょっと本気でCAAD10 discを考えるようになってしまった。

マウンテンバイク用のホイールが装着できるのであれば、自分が想定しているホイールはただ一つ。それはクランクブラザーズのホイール。これが最強の組み合わせになるかと思う。









2014年8月5日火曜日

初心者に向けたアルミのエントリーモデルの良い点

ロードバイクのフレームには、カーボン、アルミ、クロモリといった素材があるので、初めてロードバイクの購入を考えている人には、どういった素材が良いのか気になるところだと思う。ネットや雑誌を調べていけばいくほど、それぞれの長所と短所が整理されてくるようになると思う。

アルミのエントリーモデルを購入して3年目となる自分の感想をここで述べていきたい。一言でいうと、ある程度の脚力が付けば、エントリーモデルで十分ロードバイク生活を堪能できるということ。

まず、アルミのエントリーモデルのネガティブな点をあげるとしたら、次の事項になるかと。
①重量が重い
②乗り心地が良くない
③コンポーネントのグレードが低い

アルミのロードバイク生活1年目の自分の感想としては、
・前傾姿勢に慣れるのが大変
・峠での脚力不足の露呈
・乗り心地はタイヤの空気圧が重要であることを実感
・座り方、パッド付ショーツで乗り方が変わってくる

3年目に突入した今の自分の感想は、
・前傾姿勢に慣れると100km超でも特に問題なし
・峠を走行し続けることで脚力が自然に身に付く
・脚力を付けることで、どの場所でも走行できる自信が付く
・タイヤの空気圧、サドルの座り方を調整することによって乗り心地が悪いとは感じない

1年目の時も今も、ネットや雑誌で言われていたネガティブな点はそれほどデメリットだったというわけではなかった。これはフレームの素材によるものではなく、自分の身体に関する課題というべきもの。むしろ、脚力と身体のバランスが付いてくれば、克服できるものといえる。

乗り心地がアルミだと悪いと言われているが、100km程度の距離であれば、それほどダメージはないのではないかと思う。ただ、200kmになると話は違ってくるということは想像できる。このぐらいの距離になるとカーボンの方が身体にやさしいのは間違いない。でも考えてみると、全くの初心者であれば200kmというのはまだ考える必要がない距離だと思うんだよな。

200kmって、10時間近く、言ってみれば、ほぼ1日中走り続けるような距離だということを頭に入れておくべき。サドルに日中は座りっぱなしになるわけだから、それがアルミであろうがカーボンであろうが、辛いことに変わりはないと思う。そこまで身体を痛めつけたいというのであれば、カーボンではなく、むしろ、アルミで鍛えた方がいいような気がしてくる。同じ姿勢を10時間も続けるようなライドは何に乗っても辛いのではないかと思うんだよね。

そこまでストイックにやるのではなく、100km程度の距離であれば午前中に走りきることができるわけで、身体に無理な負担を掛けない程度のトレーニングになるかと。競技をやる人でなければ、そもそも200kmなんて走る必要がないし、趣味で走行をするにしても、毎回200kmなんて身体が持たなくなるのではないかと思うんだよな。

クロスバイクやランドナーで険しい峠を登る人達を見かけると、アルミのエントリーモデルであっても普通に登れるのではないかと思えてくることも重要。結局、その人の脚力と精神力が峠の登頂や距離を延ばすことに繋がることに気付くと、アルミフレームであっても何の問題もないのではないかという気持ちになってくることがある。

レースやイベントに出る場合には、タイムを少しでも削っていきたいという欲求が機材に反映されることになるのだろうけれど、初心者でどこまで趣味として続くか分からないような状況であれば、手始めにエントリーモデルのアルミを選ぶのが無難なのではないかと思うんだよな。

自分がロードバイクに初めて乗って気付いたことは、前傾姿勢と脚力を身に付ける必要があるということだったし、ロードバイクに求める性能というのは、最初の1台を乗らないと分からないのではないかとつくづく感じる。行き先や速度の出し方を考えていくうちに、自分に合ったロードバイクの性能が見えてくるものだと思う。

自分が求めていた性能というのは、どんな峠でも登っていけるような性能のバイク。これは登り坂が苦手だったということの裏返しであって、今もこの気持ちに変わりはないのだが、今のバイクでほとんどの峠を上りきることができてしまうようになると、本当にその性能が今の自分に必要なのかと考えさせられる。

200kmの走行も可能と言えば可能だけれど、距離を伸ばしたいという欲求は今のところなくて、午前中のライドで十分満足しちゃっているんだよな。結局、走りたい場所は今のアルミのバイクで十分に達成しているわけで、完成車としての価格13万分の楽しみは十分に堪能しているのではないかと思えてくる。

カーボンであれば、乗り心地や所有欲を満たすことになると思うけれど、今のバイクの外観はお気に入りになるので、他のカッコいいバイクが欲しくなるというわけでもない。身体を鍛えられるロードバイクであればそれで良いと思うようになってくると、アルミのエントリーモデルであってもその最低限の条件を満たすことは可能。不満が出てきたとしても、パーツのアップグレードでカバーできるところは多いし。

まー、最初からカーボンバイクを買った方が良いという意見もそのとおりだと思うけれど、アルミのエントリーバイクは、ロードバイクはどういうものなのかということを知る意味では低コストで済ませられることが一番の魅力になるのだろう。レースや200km以上の距離を想定したバイク選びは一般向けだとは思えないからね。そこまでの深みにハマる人とそうでない人で、アルミのエントリーモデルの考え方が違ってくるような気がするな。

キャノンデール乗りの自分としては、エントリー向けのCAAD8がおススメ。他のブランドの同価格帯のエントリーモデルでも問題はないと思うし、十分にロードバイク生活を楽しむことができるようになるのではないかと思っている。

これで不満を感じるようになるのか、当初の目的に合ったものになるのかは、その人の用途次第だろう。行く先々でクロモリやクロスバイクを見かけると、アルミのエントリーモデルであっても、ハイエンドモデルであっても、どうでもよくなってくることもあるからね。結局、自分自身がどこまで満足できるかということになるのだと思う。






















2014年8月4日月曜日

奥武蔵グリーンラインをロードバイクで走る

土曜日に奥武蔵グリーンラインを初めてロードバイクで走行することになった。本当は、奥武蔵グリーンラインでマラソン大会が行われていることを以前から知っていたこともあって、先週の開催にあわせて観戦をしようと思っていたのだが、猛暑のため観戦を断念していた。さすがに、先週の早朝5時で気温が27℃を越えている場合は、身体が持たない。マラソン大会に参加する人達は本当に鉄人だと思った。あのような状況でランニングをするのは想像を絶する。

一昨日、土曜日の気温は早朝であれば涼しさを感じられるぐらいで、午前中の走行であればなんとかなりそうな感じだった。ここ最近のヒルクライムで脚力がついてきたことを実感できるようになったこともあって、奥武蔵グリーンラインの走行もクリアできるだろうと簡単に考えていた。自走ではなく毛呂山町まで車を出すことに決めたことも、そのように考えた理由の一つ。そして、マラソン大会で走る人もいるようなコースなわけだから、ロードバイクであればそこまで過酷ではないだろうとも考えていた。

スタートが毛呂山で白石峠辺りをときがわ方面に向かって帰ってくるルートで走行したわけだが、走りきった感想としては、これまで走行してきたコースの中でもかなりの上級者向けという感じ。登り区間が長いだけでなく、勾配が10%を超えるところがあるし、アップダウンも激しい。すれ違ったロードバイクの人達はどうみても自分より実力が上。このルートを簡単にクリアできる人達はどこに行っても平気な人達になるのではないかと。

ブログなどで奥武蔵グリーンラインをよく走行しているといった内容を見ることがあるが、こういった人達は一般レベルと比べて上級者の部類になるのではないかと思った。ある程度の脚力を付けたと思った自分のレベルでようやくその入口が見えてきたという感じ。

自分のバイクはcannondale synapse alloy 6 2012で、ホイールはcosmic carbone SLE、ボトルや装備品を含めると合計10kgオーバーといったところ。鎌北湖をあがったところまでは、このぐらいの勾配であれば平気かなと思っていたのだが、鎌北湖を抜けたあたりから一気に勾配がキツイ状態が連続することになる。本当に軽いバイクが欲しくなった。

ウルトラマラソンのガイドにも鎌北湖からの勾配がキツイと書かれていて、それなりに頭の中では分かっていたつもりだったのだけれど、いつまでも続くキツイ勾配が連続すると、なんでホイールを軽量のやつに変えなかったんだろう、少しペースを落とした方が良かったのかも、ドリンクが最後まで持つのか、といった弱気な考えが頭を支配してくる。 唯一の好条件となるのは日陰が多いことによる25℃前後の気温。なんとか身体を冷やすことのできる気温であることが救い。炎天下の日差しだったら途中でギブアップしていたと思う。

このコースは登り坂だけでなく、下り坂もところどころ現れるアップダウンのものとなっている。せっかく登ってきた獲得標高を失わせる気分にさせるもので、 メンタル面で強い負担を強いられてくることになる。途中、ロードバイクを走行する人に追い抜かれたり、すれ違うことがあったが、交通量がほとんどない状態なので、ひたすら集中してペダリングをしていく感じだった。

それにしても、このコースをロードバイクで走行している人は、ある程度の実力のある人達であることが、その姿を見てなんとなくわかるのだが、ランニングをしている人達は何者なのだろうか?ウルトラマラソンが終わったばかりだというのに、普段からここでトレーニングをしているということになるのだろうか。ロードバイクの走行でも大変なのに。ロードバイクの上級者にはとても実力的には及ばないということとは別の次元で、こういった人達には敵わないと思った。

苅場坂峠になんとか到着してみると、一人の女性とすれ違うことになったのだが、このようなハードなコースを女性一人で走行するなんて、相当な実力者だとしか思えなかったな。おそらく自分より実力が上な感じがする。休憩をとろうとしたところで、アクシデントが発生。左目のコンタクトを汗でどこかに落としてしまっていた。少し前から左目のゴロゴロ感があったので、少しこすったところで落としてしまっていたのかもしれない。

下り坂を片目で行くのがかなりのハードなミッションとなった。先導してくれる同行者の動きを予測して路面の状況を見ていくわけだけど、はっきり言ってスピードを出すのは無謀。右目のコンタクトが無くなることはなかったので、なんとか無事に下ることができたけれど、今後は予備のコンタクトを持っていた方がいいという教訓を得ることになった。

走りきった感想としては、森林の中を突っ切っていく充実感の得られる走行であったわけだけれど、帰宅してからカメラの編集をしてみると、よく登りきったなと思えるぐらいにハードだったなと思えてくる。2時間以上かけて登りを続けていくことは今までの走りにはなかったことだし、富士スバルラインよりもキツイ感じがするので、奥武蔵グリーンラインは上級者向けだと思った。

脚力が付いてきたことを実感してきて、それを試してみたいという欲求にさらされているわけだけど、奥武蔵グリーンラインを普段から走行しているような人達の走りを見てしまうと、上には上がいるということがよく分かる。日曜日にパートナーと荒川サイクリングロードで秋ヶ瀬まで軽く走行してみたが、やはり平地でのトレーニングよりも、奥武蔵グリーンラインでのトレーニングの方がかなりの実のあるものだと実感できる。

サイクリングロードだとどうしても、自分のペースで走ることになってしまう区間が出てくるわけだけど、奥武蔵グリーンラインの場合は地形がそれを許さない。下りのスピードも平地では出しにくい速度だし、コーナーリングもサイクリングロードとは異質で、バランス感覚が研ぎ澄まされてくるんだよな。ロードバイクで身体を鍛えようと思うのであれば、峠の往復が一番の近道になるのかもしれないとますます感じるようになった。