2022年1月22日土曜日

ロードバイクに28Cを履かせると楽しく乗れるかも その2

3台目のロードバイクは、28Cを使うことになると思うので、2015.12.20の投稿「ロードバイクに28Cを履かせると楽しく乗れるかも」の続きを書いてみようと思う。

28Cについては、このタイヤに最適なフレーム、ホイール、コンポは何になるのだろうかと、数年前から自分の頭の中で色々な妄想を描いていた。キャノンデールのトップストーンなどのグラベルバイクでもいけそうなんじゃないか、それか、エンデュランス系ロードバイクの中で太めのタイヤを履けるタイプの方が、ロードバイクの軽快さと両立できるのではないか、という感じに。

3台目は、これらの妄想を取り込んだロードバイクで、結論としては、28Cを履かせると、低速・中速・高速域を問わず、快適性を失うことなく、楽しく乗れる。さらに、フロントサスと420mmハンドルを追加することで、28Cタイヤの真の性能が引き出される気がする。ハンドル幅は、ややグラベルバイク寄りのサイズを選んだ方がいいのかもしれない。

そして、28Cとサスの組合せを理解すればするほど、「サスの無い細いタイヤで高速域を走行する場合、安全マージンを削らないように、速度を抑える必要がある」というのが見えてくる。高速域は、あまり考えていなかったけど、今のカーボンホイールと28Cタイヤの組合せは、軽くて空力もいいので、速度が出にくいわけではない。安全マージンに余裕ができるので、むしろ、高速域になればなるほど、28Cのメリットが活きてくるような感じ。

6年前の投稿時には、ロードバイクに28Cを履かせる人が少なく、乗り心地などの走りやすさよりも、速さを追求した23Cか25Cの方が人気があったと思う。自分としても、28Cはこういうものなのかな、という認識であって、太めのタイヤに速さがあるとは思っていなかった。

3台目には、ディスクブレーキモデルにカーボンホイール(高さ50mm、リム内幅21mm)を履かせているのが特徴で、6年前には存在しなかったパーツの組合せ。6年前の知識のままだったら、このバイクは大した性能ではないと見た目で判断されてしまうと思う。





3台目の28Cフロントタイヤをハンドル上から見ると、結構な太さに見えるので、スピードはそこそこで、快適性がいいんだろうなという程度の認識しかなかった。

さらに、CAAD12のハンドル幅400mmに対し、3台目のハンドル幅は420mm。幅の狭いハンドルの方が空力がいいような気がするので、この部分でも、3台目のスピードはそこそこなのだろうと思っていた。

実は、メーカーの同サイズの完成車のハンドルは420mmなのだが、今まで使っていたのが400mmだったので、ハンドル幅については、最後まで迷っていた。流行となっているグラベルバイクで幅広ハンドルを使ってきていることもあって、ひとまず420mmを試してみようかなという感じで、ダメだったら、後で交換することも検討していた。

また、3台目のハンドルはHoverというモデルで、ハンドル位置が少し高めになっている。CAAD12の方がハンドルが低くなっているので、3台目の方がCAAD12よりも空力的に有利な部分は少ないという感じ。

3台目には、速度を追求した走りを求めていたわけではなく、距離を乗っても疲れにくいモデルを考えていたわけだし、そのために、フロントサスペンション付きのモデルを選択したのだから、軽快さがあれば十分だと思っていたんだよね、本日の荒川サイクリングロードで初乗りをするまでは。

往路では向かい風のため、それほど速度を出せなかったので、フロントサスペンションの動きを確認するぐらいしか印象がなく、アスファルトのひび割れ等の振動を少し吸収してくれているなという感じだった。28Cとサスの組合せは、こういうものだったのか、という感覚で、CAAD12よりも劇的に良いと言えるのか、わかりにくい部分があった。

ある意味、3台目は石畳向けに作られたサスということもあって、自分としては、拍子抜けのような錯覚があったのだが、追い風となる復路で、420mmハンドルに加えて、28Cとサスの組合せの意味を理解することとなった。

3台目は、40km/h以上になっても、変な不安感が少ない。

速度を上げていく際に、最も気になるのは路面の状態。一般道やサイクリングロードには、走行に支障がないレベルのアスファルトのひび割れや緩やかなデコボコはどこにでも存在するわけで、20km/hや30km/hでは気にならない路面状況であっても、40km/h近くになると、ちょっとした路面の変化に神経を使うことになる。ハンドルが取られるほどではないにしても、ひらけた安全な一般道やサイクリングロードを高速で走行する時に、神経を使うのが23Cを履くCAAD12だった。

そういった状況であっても、3台目では、28Cとサスの組合せにより、前輪に上手くトラクションが掛かっていることが伝わるので、安心感がCAAD12とは別物だった。また、高速になればなるほどシビアになるハンドル操作も、3台目はコントロールに余裕がある感じ。

フロントサスと420mmハンドルを追加することで、28Cタイヤの真の性能が引き出されるのではないだろうか。これらは、安全マージンを削ることなく、高速域において必要となるアイテムだと思う。これらのパーツは、グラベルバイクのイメージがあったので、低速・中速での方が活かされるものだと思っていたから、目から鱗みたいな感じになった。

実際に3台目を乗った後に、ネット記事のコメント「でもルーベ乗り続けたら自転車のコントロール力が落ちそう(笑)ちゃんとしたスキル身に付けたい人は、難しい自転車乗りこなしてから買った方が良い気がします。」を読み返してみると、安全マージンに余裕が生まれることを、コントロール力に置き換える人のコメントには説得力がないと感じた。

フューチャーショック2.0の効き具合で、路面状況が読めなくなる人の方が珍しいレベルと思うぐらいに、サスペンションの動きは自然なもの。そして、振動が消えるわけでもないし、動いているのが分かるぐらいな絶妙なセッティングなので、路面情報は素人にも伝わるレベル。

難しい自転車というのは、安全マージンの低い自転車のことを指しているのだろうか?そうであれば、そういった自転車を他者に勧めていいのか?という気がする。

28Cとサスの組合せを理解すればするほど、「サスの無い細いタイヤで高速域を走行する場合、安全マージンを削らないように、速度を抑える必要がある」というのが自分の見解。サスが付くことによって、安全性を高めた上で、ワンランク上の走りをすることができるのではないだろうか。

走行中のサスの動きを見てみると、地面からの突き上げだけでなく、上半身を支える腕の体重で押し付けられた分でサスが稼働しているのが分かった。これは、メーカーの開発担当者は、そのことをよく知っているはずだろうけど、自分にとっては新たな発見で、前輪のトラクションは、ハンドルへの荷重と地面からの突き上げのバランスで成立するものだということを認識させられた。

おそらく、サスの無いCAAD12で路面が悪い区間を走行すると、上からハンドルを抑える力が分散する瞬間が多く存在し、トラクションが瞬間的に抜けてしまうこととなり、それが不安感に繋がっているのだと思う。高速域になればなるほど、腕の力でハンドルを抑えるコントロールが困難となり、これは、タイヤやフレームではどうにもならないと思う。

振動は腕で吸収すればいい、なんて意見をネットで見たことがあるが、畳んだ腕だけで、油圧ダンパーのような働きを期待できるものなのだろうか?サスは、地面からの突き上げを緩衝するものだと思っていたけど、ハンドルを通じて、上からも押さえつける力を与えた上で、その間にあるパーツとして、上手く機能するものなのかもしれない。車もバイクも自重で、上から押さえつける力と地面からの突き上げのバランスを考えて作られているのだろうし、ロードバイクにも同じことが言えるのかもしれない。サスは、タイヤやフレームで代用することができないパーツになるのではないだろうか。

そして、カーボンホイールのおかげで、3台目は、快適性に加えて、速度も出せる、万能の性能を持つのではないかと思えるようになった。アップライトポジションなのに、あれだけの速度が出せるとは。

Dura ace C50とTurbo cotton tireの組合せも素晴らしい出来で、23CのコスミックカーボンSLE+イクシオンプロよりも、軽快さとタイヤの転がり具合が上質になっている。クリンチャーなのに、一つ上のレベルでまとまっている感じ。チューブレス+シーラントにも対応しているけど、タイヤ交換の容易さを考えれば、クリンチャーの方がいいので、このままクリンチャーで使うことになると思う。

リムブレーキのカーボンホイールを買わなかった理由は、クリンチャーだと下りで熱によるリスクが生じる点、チューブラーだと交換が面倒、だったんだけど、ディスクブレーキ用のカーボンホイールはこれらの点を全てクリアしてしまったので、28Cタイヤを履かせるホイールとしてカーボンを選ぶことになった。

フレーム性能についても、何なんだろう?という感覚がある。ターマックのFact 12Rではなく、Fact 11R carbonで作られていて、これはヴェンジと同じもの。店長さんの話によると「柔らかさがあるのに速いのがヴェンジ」らしい。自分はヴェンジに乗ったことないけど、3台目にも、それに近い感覚があった。50mmホイールで踏むと一気に加速する感覚があって、高速域にあっても、フレームのリア三角あたりでバネ感というか、しなりのリズムで踏んでいける感覚。コスミックカーボンのCAAD12で、あそこまで加速できるかどうかわからない。

アルテグラDi2は電動シフトの性能が向上しているようだけど、2世代前のアルテグラDi2を載せているCAAD12と比べて、そこまで体感的には分からなかった。ただ、もっとも衝撃を受けたのは、ディスクブレーキのフィーリング。レバーの握り具合とブレーキの利き具合が物凄く自然なので、リムブレーキのようにレバーを強く握りすぎることもなく、制動力をコントロールできる。

3台目の初乗りで分かったことは、28Cを履かせることで、様々な領域を楽しく乗れるロードバイクは既に存在しており、今後もメーカーが開発を続いていくことであろうこと。

28Cタイヤに最適と思われるフレーム、ホイール、コンポを揃えると「!?」という性能になると思うので、色々と試してみてはどうだろうか。

ショップの店長さんが、Roubaixには28Cが最適と言っていた理由が分かったような気がする。

2022年1月18日火曜日

S-works roubaix 2020年モデルは、プロ選手が使っていないのにS-worksを冠するモデルと言えそう

実は、S-works roubaix 2020年モデルには、もう一つのフレームが存在する。S-works roubaix team というもので、プロ選手が好むようなハンドル位置に下げられるモデルであり、通常のS-works roubaixとはジオメトリーが若干異なる。有名プロチームで使われているのは、このフレームの模様。


自分が購入したのは次のモデルで、teamモデルと比較して、ハンドル位置が高くなるジオメトリーとなっている。どちらも\528,000円(税込)で同じ価格設定。



wikiによると、スペシャライズドの製品について、以下のように説明されている。

「フレームやシューズ、ヘルメットなどの一部商品のプロフェッショナル向けハイエンドモデルには、商品名の前にプロモデルであることを示すS-works(エス・ワークス)の冠が付く。」

wikiの説明のとおりだとすれば、プロ選手が選んだのは、teamモデルであり、このモデルが真の意味でのプロモデルとなるわけだから、S-works roubaix 2020年モデルは、プロが使わなかったモデルということができるような気もしなくもない。

まー、teamという別のフレームの存在を知ったのは、注文後のことなので、どういうことなんだ?という感じになったけど、プロ選手が使っていないのに、S-woksを冠する唯一のモデルかもしれないというように整理すれば、これは、これでいいような気がする。

歴代のS-worksで、プロ選手が使わなかったケースは、このRoubaix以外にも存在するのか気になるところ。強いて言えば、S-works Aethosもプロ選手が使うことができない軽量バイクということで、このRoubaixと同じことになるのかもしれない。



2022年1月16日日曜日

3台目のロードバイクを購入する際に考えたこと

3台目のロードバイクを購入する際に考えたことは以下のとおり。

(1)アップグレードが必要となるパーツを選択しない
パーツをアップグレードすることで、最初に取り付けていたパーツは不要となり、あとで最初のパーツ代は無駄だった、ということになってしまうことを避けたかった。1台に付きホイールは1セットで十分だし、可能な限り、買い足しは不要なセッティングにしたかった。

(2)見た目(カラーリングやサイズ感)の良さ
見た目は重要な要素で、その中でも光沢のある蛍光色のカラーリングがいいと考えていた。白や蛍光は膨張色になるので、フレームのシルエットが強調されるし、最近のペイント技術による艶のある光沢は、遠目にもわかるぐらいに存在感が分かる状況なので、そういったグラフィックのものにしたかった。

(3)「快適性」と「走りの軽快さ」を両立した性能
自分が求める性能は「快適性」と「走りの軽快さ」を両立したものになる。速く走るためには、レースポジションが重要になると思うけど、背中が地面と平行になるような姿勢は、首が痛くなるし、上目使いで前方を見るようになるので、視野は狭くなる。鍛えれば慣れるのかもしれないけど、身体を痛めつけるような乗り方をしたいわけではない。

そして、当初は予算を念頭に置いていた。狙いはセカンドグレードの50~60万円ぐらいのバイクで、油圧ディスクブレーキUltegra Di2完成車を購入できるだろうと。

コロナ禍の影響により、年々上昇していた価格の値上げに追い打ちをかけるような状態となったことから、予算上限の見直しが必要となったのだが、この判断が正しいかどうか分からない。

ということで、本日、3台目のロードバイクの納車。ショップのオリジナル完成車という形で購入することになった。これまで、このバイクの実物をみたこともなかったし、試乗もしていない。これほどの高額にもかかわらず、インターネットの情報と店長さんのアドバイスで購入・納車に至った。


 


サイコン、ボトルケージ、ペダル付きで重量は8.2kg

Dura aceであれば、もう少し軽量化できると思うけど、自分はペットボトル半分程度の重量を気にするようなライダーではない。

これら画像は、店長さんにお願いして、自分のバイクを壁に飾ってもらって撮影したもの。忙しい中で、とっさの思い付きで頼んでみると、店長さんは快く了承してくれた。

記念撮影に丁度いいと思うので、新車を購入する人には、ショップの展示場所にマイバイクを置いて撮影することをお勧めしたい。

このバイクのメーカーの完成車価格は1,265,000円(税込)でフレームセットでも528,000円(税込)という高額なもの。完成車にはDura ace Di2(11速)とRoval 50CLXが付いていたようだ。


ハンドルやタイヤなどはメーカー完成車を意識して同じものにしている。自分のバイクと完成車との違いは、コンポがUltegra Di2(12速)で、ホイールはR9200 Dura ace 50という点。

コストを抑えるために、コンポをSram rival E-tap にして、ホイールはRapide C38にする考えもあったけど、シマノDi2のサテライトスイッチを使いたかったのと、ホイールの見た目の格好良さから50mmを優先することにした。R9200 Dura ace 50が12速専用という部分に惹かれたというのもある。

カーボンフレーム、カーボンホイール、油圧ディスクブレーキ、フロントサスペンション、どれも初めて所有することになる。ロードバイク歴10年の自分の経験から導き出された理想のバイクがこういう形となった。

このバイクがどのような性能を見せてくれるのか、楽しみにしていたのだが、新型コロナウイルス感染症の影響で、仕事が忙しくなったこともあり、このバイクの初乗りは少し先になりそうだ。

それにしても、コロナ禍でパーツ供給が全体的に遅れている中で、このバイクが1月の時点で組みあがったことは凄いことだと思う。店長さんには感謝するしかない。


2022年1月11日火曜日

リムブレーキしかなかった過去の記事を読んで感じること

 https://cyclestyle.net/special/recent/95/%E5%AE%89%E4%BA%95%E8%A1%8C%E7%94%9F%E3%81%AE%E5%BE%B9%E5%BA%95%E8%A9%A6%E4%B9%97?page=1

当時のロードバイクの感想文を読んで、乗りたいと感じるロードバイクはどれになるのだろうか?

当時の記事は上記のアーカイブに残されているようで懐かしい感じがした。この著者はサイクルスポーツでもよく出てくる人物で、こういった感じの記事が他雑誌でも多かった気がする。

ロードバイクに関する知識が全くなかった当時の自分からすると、何となく分かったような気がしてきたかな、という程度に参考にしていたんだけど、ロードバイクに限らず、自動車でもそうなんだけど、長めの感想文には比喩的な文章が多いのが特徴。

2022年の現時点の自分の知識と経験で、当時の性能のロードバイクを語る記事を読んでしまうと、タイムスリップに陥った感覚が生じる。

それほどの昔でもないはずだし、保管状態がよければ、今でも機材として十分に使えるものだけど、現状のラインナップを知ってしまうと、当時のロードバイクは、産業革命がおこる以前の性能なのかもしれない、と思った。