2015年2月7日土曜日

彩湖の試乗会に参加して思ったこと その3 S-Works tarmac disc

2台目の試乗はS-Works Tarmac Disc。ディスクモデルのロードバイクに乗ったことがなく、ターマックというか、そもそもスペシャライズドのバイクに乗るのも初めてなわけで、このディスクモデルには非常に興味があった。スペシャライズドの試乗車の中でディスクモデルは一台だけとなっており、サイズは54で自分にとっては大きめだった。

サドルの高さは出せていたんだけど、やっぱり高速を維持する走行では無理のあるサイズだったので、本当の評価はできない状態になるのだが、それでも試乗した価値があった。ディスクブレーキの性能が他の追随を許さないほどのものということを思い知らされた感じ。ディスクブレーキ用ホイールも他の高級ホイールと比べても何も遜色もないと言うか、転がりの良さは乗ってすぐに分かるぐらい。ディープリムのこのホイールは好きになれそうだ。重量の軽さも良いレベルでまとまっていて、完成度が高すぎるし、適正サイズのフレームがあったら、これが自分の求めていたバイクそのものという感じがする。

はっきり言って、ブレーキディスク化による重量の増加なんて誤差レベルというか、どうでもいいかなと思えるぐらいだったし、ホイールのハブ周りの重量が増加したり、ディスクローターによる横風の抵抗を受けるなんて懸念を心配する必要はなく、単なる杞憂にすぎなかった。そんなの気にするレベルではなかったし、圧倒的なブレーキ性能をまざまざと見せつけられた感じで、「ザクとは違うのだよ、ザクとは」なんてセリフが出てきそうな勢い。フォークの剛性がディスクブレーキ化によって従来のリムブレーキ用フォークとは異なるっていう意見にしても、そうなのかななんて思っていたんだけど、それは見事に覆されたというか、単なる先入観に過ぎなかったわけで、そんなの分からなかったという感想しか出てこない。

ロードバイクのディスクブレーキ化にネガティブなものは特に感じなかったし、ホイールの空力や重さの不満は全くないレベル。ディスク化は良い方向だとしか思えなかった。これに乗って文句が出るレベルって一体どんな人達なんだろうって感じ。性能面の評価をするのであれば、UCIのレギュレーションに適合していないことを問題にするのは論点がずれていると思った。リムブレーキの限界を一気に超えているレベルにあるのがディスクになるんじゃないのかな。今後、デュラエースがモデルチェンジして制動力が強化されましたなんて言われたとしても、このバイクの制動力に追いつくレベルには程遠いだろうってぐらいの差があるのだから。とにかくブレーキ性能は断トツすぎる。

自分の今のバイクが電動アルテグラ+マビックエグザリットになっているので、ブレーキの効きの良さについてはディスクブレーキにある程度は肉薄しているのではないかと思っていたんだけど、電動アルテグラ+エグザリットの組み合わせをもってしても、このディスクブレーキには敵わない。ワンランク上どころではなく、2ランク以上の差がある感じ。ロードバイクのリアブレーキは効きにくいというか、コントロールするようなものだと認識していたんだけど、ディスクブレーキだとリアだけでも十分に効いているのが分かるくらいに強力だったからね。リアブレーキは効きにくいなんて認識がこれで吹っ飛んだ。

ガツンという効き方になってしまうんだけど、慣れてくればそうでもなくなるんだろうなと思える。リムブレーキ感覚で握っちゃうとダメなんだろう。このディスクブレーキは、最高クラスの効き方で、しかも電動シフトっていう完璧な仕様。もうさ、ブレーキに不満のある人はこれで納得って感じになるのではないだろうか。デュラエースだから、エグザリットだからという議論のレベルは超越している。これに乗った後では、どのバイクのブレーキも効きが弱いんじゃないかと思えてしまうぐらいに強力だったのだから。繊細かつ弱い握力で強力な制動力を発揮することって可能なことなんだね。電動アルテグラを導入した時のブレーキの感動も完璧に上書きされてしまった。

このディスクブレーキモデルのシフトはデュラエースになるのかなと思っていたんだけど、Dura-aceってロゴがどこにもないし、でも電動スイッチになっているので不思議に思って、店員さんに聞いてみると、デュラエースでもアルテグラでもないモデルらしくて、種類もこれしかないとのこと。確かに見たことのない形をしているなと思っていたんだけど、後で調べてみると、油圧式のシフトだった。シフトの形状としては、ブラケットの握りの部分というか、油圧式の関係で長めのヘッドになってしまっているのだけど、シフトを握っている限り全く問題はナシ。ちょっと長いかなという程度で、走行中に違和感なんて一切感じなかった。

ブレーキの効き具合については色々な議論があるかと思うのだが、油圧式ディスクブレーキの性能を知ってしまった自分からすれば、いずれはこのタイプが主役になっていくんじゃないのって強く感じる。このブレーキと比較してしまうと、エグザリットですらカンチブレーキ並だと思えてしまうぐらいに強力。強力といっても危険なほどではなく、軽く握ればいいだけ。既存のリムブレーキのような握り方だと強すぎるということになってしまいそうだ。効きすぎてダメってことはないだろうし、握り方次第になるのだろうな。

電動アルテグラに交換してからは、自分のバイクのブレーキ性能に満足していたはずなんだけど、ここまで上の性能を見せられてしまうとはね。2台目のフレームというか、2台目のバイクとしてはやはりディスクブレーキモデルも考慮しておかねば。

価格は98万円。リムブレーキモデルのハイエンドの中にはこれ以上の価格設定がなされているのだが、油圧式ブレーキ、電動シフト、ターマックフレーム、ディスク化ディープリムホイール、これらの組み合わせは、他のハイエンドモデルとは比べようがないので、この価格が高いのかお買い得なのか、もはや意味不明。自分としては数年後に割安モデルを登場するのであれば、それを待つのもアリかと思った。やはり時代は着実にディスクブレーキへと流れていくのだろうな。これほどの完成度だったとは。電動シフトを試乗した時もそうだったんだけど、これは知らない方が良い世界だったのかも。



















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